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ラグビー 関東大学リーグ戦2021
【ハイライト】東海大学 vs. 関東学院大学
久しぶりの実戦、さらには滑りやすいグラウンド状況もあってイージーミスや軽いプレーが時折顔をのぞかせた東海大学だったが、強みであるフィジカルの優位性は終始揺るがなかった。「こういうコンディションだったので、やりたいことよりもやらなければいけないことを判断しながらプレーしていくことが大事。そこは選手たちがよく考えながらやっていたと思います」と木村季由監督。「達成度はまだ点数をつけられるレベルではない」(同)というのは正直な感想だろうが、その状態でもこれだけの点差をつけられたのは、地力の高さの証といえる。
東海大学
試合を支配する大きな要因となったのは、スクラムの推進力だ。攻守の起点となる局面で圧力をかけられたことで、ミスが連続する中でも余裕を持ってゲームをコントロールすることができた。伝統的に強いこだわりを持って取り組んできた部分であり、前に出て激しく体を当てる一人ひとりの頑健なタックルとともに、今後の戦いでもチームを支える太い柱になるだろう。
SO武藤とCTB丸山のダブル司令塔も、期待通りのパフォーマンスを発揮して多くのチャンスを作り出した。特に丸山はラン、パス、キックと幅広く持ち味を披露し、2トライ5ゴールの20点をマークする活躍でプレーヤーオブザマッチを獲得。臨機に位置取りを変えながら鋭く的確に防御の穴を突く多彩なアタックは、どの対戦相手にとっても間違いなく脅威となる。
「相手のミスをしっかりスコアにつなげられたのが、得点を重ねられたところかなと思います。ただ、型で取り切れた場面が少なかったのは課題にしていかなければいけない」(東海大学・木村監督)
関東学院大学
関東学院大学はアグレッシブにボールを動かす果敢なスタイルを貫いたが、接点で圧力を受けてペナルティやイージーエラーが頻発し、思うように得点機をスコアへ結びつけられなかった。雨でスクラムが増える展開となり、狙い通りにゲームを組み立てられなかったことも、完敗の一因だった。それでも最後まで戦う姿勢を維持し、ラスト10分に東海大学を押し込み続けて39分のトライで一矢を報いたことは、この先の連戦にきっとつながるはずだ。
「いいところも見つかったし、課題も見つかった。次の法政大学戦に向けて、それをひとつずつ修正しつついいところを伸ばして、関東らしいラグビーをしていきたいと思います」(関東学院大学・SH三輪悠真主将)
国際級のサイズを誇るFB川崎清純のスケールの大きい走りをはじめ、磨き上げてきたスピーディーなアタックは随所に可能性を感じさせた。この日苦しんだFW戦、特にセットプレーが改善されれば、リーグ戦を盛り上げるおもしろい存在になりそうだ。
文:直江 光信
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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