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ラグビー コラム 2021年7月30日

ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ、 24年ぶりの勝ち越しなるか。 先発3名チェンジで南アフリカとの第2テストマッチへ

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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南アフリカ vs. B&Iライオンズスターティングメンバー

12年ぶりに南アフリカ遠征中のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは、先週の第1テストマッチでは、22-17で南アフリカ代表スプリングボクスに勝利。1997年以来24年ぶりの勝ち越しをかけて、7月31日(土)、南アフリカとの第2テストマッチに臨む。当初は、第2、第3テストマッチは、ヨハネスブルグで行われる予定だったが、新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)による感染の第3波が広がっているため、残り2試合もケープタウン・スタジアムで行われることになった。

B&Iライオンズスターティングメンバー

両チームともメンバーは大きく変わらない。ライオンズのウォーレン・ガットランドヘッドコーチ(HC)は、先週から先発で3名を変えてきた。攻守の要になるSHはベテランのコナー・マレー(アイルランド)、13番のCTBはクリス・ハリス(スコットランド)、1番のPRは、マコ・ヴニポラ(イングランド)が入る。先週の9番アリ・プライス(スコットランド)、13番エリオット・デイリー(イングランド)、1番ロリー・サザーランド(スコットランド)は、それぞれリザーブ(控え)に回る。

先週、値千金のターンオーバーを連発したマロ・イトジェ(イングランド)は、今回もキャプテンのアラン ウィン・ジョーンズ(ウェールズ)とLOコンビを組む。ボール争奪戦で南アフリカを苦しめるだろう。FW第三列はコートニー・ローズ(イングランド)、トム・カリー(イングランド)、ジャック・コナン(アイルランド)という不動のメンバーだ。カリーは第1テストではレイトタックルなど失点につながる反則が多かったが、引き続き、南アフリカにプレッシャーをかけ続ける。そして、ガットランドHCが安定感を称賛するのがNO8コナンだ。先週もフル出場し、チーム1位の12回のボールキャリーで着実に前進し、6回のタックルを100%の確率で決めた。NO8として3試合連続の先発となる。

南アフリカ代表スターティングメンバー

対する南アフリカ代表も先発で3名の変更がある。1番は、オクス・ンチェが怪我で欠場しこの試合で50キャップ目となるスティーヴン・キッツォフ、3番はトレバー・ニャカネからフランス・マルハーバとFW第一列の両PRを変えてきた。スクラムの優劣が大きく試合の流れを左右するだけにこのメンバー交代は注目だ。もう一人の交代は、NO8で先週はライオンズのキック戦略で狙われたクワッガ・スミスが控えに回り、ヤスパー・ヴィサが入る。25歳のヴィサは7月2日のジョージア戦で代表デビューを飾ったばかりの新鋭。イングランドのレスタータイガースでは力強いボールキャリーで活躍している。ライオンズの防御背後へのキックを切り返し、チャンスにつなげられるか。

第1戦は互いにキックを多用して、プレッシャーをかけてディフェンスを崩していた。南アフリカに映像判定による2度のトライキャンセルがあったのは、ライオンズにはラッキーだった。スクラム、モールで優位に立ってスコア上は上回ることができたが、実力差は紙一重だ。リザーブメンバーの分厚さで、ややライオンズが有利な程度か。後のなくなった南アフリカは、第1戦以上に激しいコンタクトプレーで圧力をかけるだろう。モールのディフェンスを修正し、失点を抑えたい。今回も僅差勝負になるだろう。自陣での反則は失点に直結する。両チームとも規律正しくプレーできるかどうかは大きな注目点だ。そして、南アフリカSOハンドレ・ポラード、ライオンズSOダン・ビガーのプレースキックの成功率が勝敗を分ける。第1戦以上に緊迫感ある攻防が繰り広げられるだろう。

南アフリカは、ライオンズからあと4トライを奪うと、1891年以降、対ライオンズ戦でのトライ数が100に到達する。4トライを奪えば南アフリカの勝利は間違いないだろう。ライオンズのAW・ジョーンズは、ライオンズで11キャップ目となる。これは、ライオンズ史上5位の記録だ。そんな歴史にも思いをはせつつ楽しみたい試合だ。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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