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ラグビー コラム 2021年5月21日

今季負けなし同士の頂上決戦 最後のトップリーグを制するのは、サントリーか、パナソニックか

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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サントリー vs. パナソニック

トップリーグ最後の戦いは、今季のリーグ、トーナメントを負けなしで駆け抜けた両チームの対決となった。

5月23日(日)、秩父宮ラグビー場にて午後1時10分キックオフ。観客は5,000人が上限で、声援を送ることもできないが、18年にわたって日本ラグビーを牽引してきたトップリーグがこれで閉幕することもあり、エモーショナルな雰囲気に包まれるだろう。ボーデン・バレットが世界最優秀選手の実力を見せつけるのか、福岡堅樹が有終の美を飾るのか。見どころ満載の試合だ。

圧倒的な攻撃力を誇るサントリーサンゴリアスは、レッドカンファレンスを7戦全勝で1位通過すると、プレーオフトーナメントも危なげなく勝ち進んだ。準々決勝は不戦勝となったが、準決勝ではクボタスピアーズに対して防御背後へのキックを多用して勝利。相手チーム、環境に適応して多彩なプレーを選択できる懐の深さを披露した。

対するパナソニック ワイルドナイツは、ホワイトカンファレンスを6勝1分けで1位通過し、プレーオフトーナメントは、HO坂手淳史キャプテンを怪我で欠きながら、選手層の厚さでしのぎ、準決勝ではトヨタ自動車ヴェルブリッツを後半突き放した。今季で引退するWTB福岡堅樹は3トライを挙げ、決定力を見せつけた。

アグレッシブ・アタッキングラグビーを掲げるサントリーと、ディフェンスからの切り返しを得意とするパナソニック、特徴は違うが、サントリーもディフェンスは固く、パナソニックのアタックも決定力があり、バランスはとれている。実力は拮抗しており、状況判断とスキルの精度が勝敗を分けそうだ。

サントリースターティングメンバー

キックオフ48時間前、両チームの試合登録メンバーが発表された。サントリーは、準決勝とまったく同じメンバー編成。SH流大、SOボーデン・バレット、CTB中村亮土が正確なパスとキックでパナソニックのディフェンスをどう攻略するのか注目だ。ただし、今季のリーグ戦で爆発的な突破力を披露してきたCTBサム・ケレビ、WTBテビタ・リーが怪我で出られないのは痛い。

パナソニックスターティングメンバー

対するパナソニックは、準決勝から先発で3名の変更がある。HOは坂手キャプテン、FL(6番)にベン・ガンターが復帰し、14番のWTBは、先週の梶伊織に代わってセミシ・トゥポウが先発する。今回もパナソニックは、リザーブ8名のうちBKは、SO小山大輝、SO山沢拓也のみ。FWを6名入れている。スーパーサブ的な存在の山沢、準決勝の前半20分に投入されて試合の流れを変えたHO堀江翔太、スピードある突進でチームの勢いを引き出したFL福井翔大がどのタイミングで投入されるかも注目だ。

サントリーもリザーブには、HO堀越康介、PR石原慎太郎、NO8テビタ・タタフ、CTB梶村祐介ら日本代表経験者が並び、選手交代で勢いを出すことができる。最後まで目の離せない戦いを期待したい。

この試合は、第58回日本選手権を兼ねている。サントリーが勝てば、トップリーグは2017-2018シーズン以来6度目の王座で、トップリーグ史上最多優勝回数となる。日本選手権は3年ぶり9回目の優勝。パナソニックが勝てば、トップリーグでは2015-2016シーズン以来5度目、日本選手権では2016年以来6度目の優勝となる。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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