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一方、筑波大といえば、昨季の大学選手権3回戦で流通経済大学と繰り広げた19-19の死闘が記憶に新しい。
引き分け抽選の結果敗退が決まったが、岡ザキ(山に竒)航大キャプテン(CTB/現ヤマハ発動機)は悔しさをこらえて気丈に振る舞った。
指揮官は2019年にヘッドコーチから昇格した嶋崎達也監督だ。
就任初年度の対抗戦で、慶大から劇的な逆転勝利を収め、当時のSH杉山優平キャプテン(現東芝)は「4年間一度も早慶明帝に勝ったことがなかった」と感涙。昨季も慶大に30-19で勝利するなど、指導力を発揮している。
昨季メンバーからは、バックスで主力に大きな入れ替わりがありそうだ。
キャプテンだったCTB岡ザキ(山に竒)を筆頭に、SO山田雅也(現清水建設)、WTB仁熊秀斗(現サントリー)、CTB一口隼人(現JR西日本)らが卒業した。
ただ弾丸ランでファンを魅了するFB松永貫汰キャプテンを筆頭に、今年も少数精鋭の魅力溢れる陣容だ。
スローガンは「Link」。松永キャプテンはスローガンの意味を「学年やカテゴリーの壁を越え、全員が同じ目標に向かって最後まで繋がり続けようという意味」と説明。結束力を武器にしたい考えだ。
法大戦の出場メンバーでは、PR木原優作(東福岡・3年)、PR内田康介(旭野・2年)、FL梁川賢吉(尾道・2年)といった昨季からの主力格がスタメン。
注目のバックスでは、ハーフ団が中部大春日丘の先輩後輩コンビに。
俊敏な4年のSH鈴村淳史と、高校時代は1年からレギュラーだった堀日向太が10番を背負う。奇遇にも対戦する法大も4年生と1年生のハーフ団であり、ゲームメイクは注目ポイントになるだろう。
センターは4年生コンビの森圭生、川合カイトが務め、両ウイングは星野孔志朗(福岡・2年)と一口直貴(兵庫星陵・3年)。一口の兄・隼人は昨季の主力だ。そしてFBにはキャプテンの松永が入り、ポジション最後尾から声とプレーで統率する。
また今年4月、筑波大OBのFB吉廣広征(NEC)が発起人となりチーム専用ウエイト施設設立を目的としたクラウドファンディングに挑戦し、目標金額の400万を達成している(支援は5月28日まで受け付け中)。
OBも結束して生まれる専用ウエイト場が、筑波大の未来をどう変えるのかにも注目したい。
いよいよ迎える公式戦のファーストゲームでは、両軍ともにフォーカスは自軍に向けられているだろう。これまでの積み重ねを発揮し、実戦でより多くの収穫を手にしたい。
番組はJ SPORTSオンデマンド限定だ。「筑波大学×法政大学」は5月16日(日)午後4:00より配信される。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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