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ラグビー コラム 2021年4月19日

【ハイライト動画あり】雨の中で輝き放ったCTBマイケル・リトル。三菱重工相模原がラスト5分の逆転トライでコカ・コーラを破る。

ラグビーレポート by 直江 光信
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【ハイライト】三菱重工相模原 vs. コカ・コーラ|トップリーグ 2021 プレーオフ1回戦

何度も敵陣ゴールラインに迫りながら、仕留めきれない場面が続く三菱。テンポ良くボールを動かす本来のスタイルを雨に封じられ、プレーオプションがFW周辺のパワープレーや少ないパス数でのクラッシュに限られるため、守るコカ・コーラにすれば的を絞りやすい。渾身のタックルで三菱のエラーを誘発するたびに、赤いジャージーが活力を帯びていくようだった。

そして迎えたラスト10分の勝負どころ。わずか3点のビハインドながら決定的な突破口が見つからず、ジリジリと追い込まれていく三菱。そんなプレッシャーがかかる状況でチームを救ったのが、ダイナボアーズが誇る切り札、CTBマイケル・リトルだった。

73分、自陣22メートルライン付近のラックで球に絡んでターンオーバー。エリア獲得のキックから相手が蹴り返して転がるボールを片手ですくい上げると、襲いかかるタックラーを柔らかくいなして攻撃の起点を作る。このプレーで体を痛めしばらくピッチに倒れていたものの、一連の流れでチームが敵陣深くへ攻め込むや、気力をふりしぼり左タッチライン際に出現。SOルーカスとの1対1を強靭な粘り腰でかわしてコーナーに飛び込み、待望の逆転トライを挙げた。

残り時間は3分。スコアは19-17。コカ・コーラにも再逆転の可能性は残っていたものの、続くキックオフで痛恨のミスが出て、自陣22メートルライン内まで押し込まれてしまう。それでも懸命に攻めたコカ・コーラだったが、80分を告げるホーンが鳴らされた直後にハンドリングエラーでボールロスト。こぼれ球を拾った三菱CTBリトルがまたもやインゴールに飛び込み、勝負を決めた。

土壇場で底力を発揮し、2回戦への出場権を手にした三菱重工相模原。様々な面で難しい戦いとなる中、土俵際で踏みとどまって勝利をものにできたのは、過去2シーズンをトップリーグで戦ってきた経験があったからだろう。ゲームキャプテンを務めたNO8ヘイデン・ベッドウェルカーティスは試合後、「80分間あきらめず、ファイトし続けたチームを誇りに思う」と語り、獅子奮迅のパフォーマンスを見せたCTBリトルは、「チームのストラクチャーを信じてプレーした。チャンスは必ず来ると思っていたので、自分のやるべきこと、チームで決めていたことに徹するだけだった」と終盤のシーンを振り返った。

焦点を絞り込んだ戦いで相手の持ち味を封じ、勝利に肉薄したコカ・コーラの奮闘も見事だった。「トップリーグチームに勝つという目標を掲げていたので悔しい結果。ただ、課題だったディフェンスの粘りでは成長を感じた」とLO西村龍馬主将。2シーズン前に5年ぶりに現場復帰した向井昭吾監督のもと、地道に重ねてきた鍛錬の成果を随所に披露し、来季より発足する新リーグに期待を抱かせた。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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