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トヨタ自動車 vs. クボタスターティングメンバー
ともに5勝1敗、勝ち点24。レッドカンファレンスの2位クボタスピアーズ、3位トヨタ自動車ヴェルブリッツの対戦は、最終節で一番の注目カードだろう。同カンファレンスはサントリーサンゴリアスが1位を決めており、2位の座を巡る戦いとなる。ホワイトカンファレンスの順位は4月9日(金)の時点では確定していないが、パナソニックワイルドナイツ、神戸製鋼ベルコスティーラーズが1、2位を争っている。
プレーオフトーナメントは、レッド(左)とホワイト(右)の1位が両端に入り、各2位チームも左右のブロックに分かれる。つまり、今季の「3強」と言われるサントリー、パナソニック、神戸製鋼のうち2チームが左ブロックに入り、右のブロックにはいずれか1チームとなる。レッド3位は左ブロック、2位は右ブロックだ。3強と肩を並べる実力を持つクボタとトヨタ自動車としては、2位のほうが比較的勝ち上がりやすいということなのだ。
チーム紹介
クボタとトヨタ自動車は、2020年の第6節でも対戦しており、この時はトヨタ自動車が20-18で接戦をものにしている。実力は拮抗しており、今季のスタッツ(統計数値)も似通っている。トライ数でトヨタ自動車が36、クボタが30、ボールを持って走った回数(ボールキャリー)は、622対641でクボタが多いが、綺麗にディフェンスを突破したクリーンブレイクは、98対75とトヨタ自動車が上回る。数字だけで見ると、攻撃面に関してはトヨタ自動車の決定力がやや上に見えるが、その差はわずかだ。
クボタスターティングメンバー
サントリーとは両チームともに僅差勝負を繰り広げた。クボタは、26-33、トヨタ自動車は、36-39だ。しかし、クボタはトライ数では4対4の同数で、SOバーナード・フォーリーが危険なタックルで10分間の退場になっているときにトライを奪われた。規律の部分は気を付けないといけないところだが、サントリーと互角の実力を証明した。昨春加入のSO岸岡智樹、FB金秀隆(きむ すりゅん)も経験を積んで成長中。HOマルコム・マークス(南アフリカ代表)、SOバーナード・フォーリー(オーストラリア代表)、CTBライアン・クロッティ(ニュージーランド代表)の各国代表選手もチームにフィットしてきている。205cm、120kgのLOルアン・ボタ、日本代表のFLピーター・ラブスカフニらを軸にしたFW陣がセットプレー、ブレイクダウンでトヨタ自動車の強力FWとどんな攻防を繰り広げるのか興味深い。
トヨタ自動車スターティングメンバー
トヨタ自動車も2年目のLO秋山大地がFWの中心になり、同じく2年目のWTB高橋汰地が決定力を見せつけている。新加入のCTBロブ・トンプソン、CTBチャーリー・ローレンスらも力を発揮。トンプソンはボールを持ってゲインした距離でリーグのトップ10に入る。今季加入の目玉選手であるFLマイケル・フーパー(オーストラリア代表)にいたっては、数年前からこのチームにいたかのようなプレーぶりだ。そして、クボタ戦では第4節以来の先発復帰となるNO8キアラン・リード(ニュージーランド代表)が復帰し、フーパーはリザーブに回る。後半に元気なフーパーが登場してブレイクダウンにプレッシャーをかけてくるのは、クボタにとっては脅威だろう。トヨタ自動車も伝統のフィジカルラグビーでは引けを取りたくないはず。ボール争奪戦は凄まじいフィジカルバトルになるだろう。
強力FWと決定力あるBKを揃えた両者の戦いは、セットプレー、ブレイクダウンが互角なら、スペースにどうボールを動かしていくかという、判断、正確なスキル、そして、ディフェンス面の規律が勝敗を分ける。サントリーに敗れた直後、クボタの立川理道キャプテンは「前半はなかなか波に乗れなかったが、後半切り替えて追い上げていけたのは成長の証だし、この敗戦をしっかりと次のトヨタ自動車戦、その先のプレーオフでのプレーにつなげていきたい」と話した。ともに見据えるのはプレーオフでの優勝だが、その戦いを有利にするためにも互いに負けられない試合だ。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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