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ラグビー コラム 2021年4月2日

ファン待望の黄金カードが4年ぶりに実現 王者・神戸製鋼とパナソニックが全勝対決

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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神戸製鋼vs.パナソニック

好ゲームが相次ぐトップリーグ2021は今週末、第6節を迎えるが、いよいよファン待望の黄金カードが実現する。ホワイトカンファレンスで首位を走るパナソニック ワイルドナイツはここまで5連勝。相手を3トライ以上引き離すボーナス点も4試合で獲得して、勝ち点は24点。連覇を狙う神戸製鋼コベルコスティーラーズは、5連勝もボーナス点が3点のため2位となっている。

ホワイトカンファレンスでは図抜けた強さを見せている両者がトップリーグで戦うのは、2017年10月14日以来のことだ。このときのパナソニックには、FLデービッド・ポーコック、SOベリック・バーンズのオーストラリア代表コンビがおり、56-7で神戸製鋼を圧倒した。両者の最終順位は、パナソニックが準優勝、神戸製鋼は5位だった。2018-2019シーズンは神戸製鋼が生まれ変わった一年だったと言ってもいいだろう。ウェイン・スミス総監督体制となり、会社の文化、ラグビーの足跡を改めて学び、世界最高のSOダン・カーターらの加入でチーム力が格段に上がった。神戸製鋼は優勝したが、パナソニックとは戦っていない。

日本代表を多数擁するパナソニックは毎シーズン優勝候補を挙げられながら、2015-2016シーズン以来優勝から遠ざかる。2019年のラグビーワールドカップに最も多くの日本代表を送り出したパナソニックは、2019-2020シーズが開幕すると快進撃を続けて6連勝。同じく6連勝の神戸製鋼との直接対決に注目が集まったが、コロナ禍でリーグ自体が中止になってしまった。待ちに待ったカードがようやく見られることになるわけだ。

生まれ変わった神戸製鋼とパナソニックが戦うのは初めてだ。互いに選手層も厚く、攻守に懐が深い。5試合でのトライ数は、サントリーサンゴリアスの「42」が1位だが、神戸製鋼の「37」が2位、パナソニックの「34」が3位で続く。セットプレー(スクラム、ラインアウト)、アンストラクチャー(キックをキャッチしてのカウンターアタックなど)と、どこからでも点が獲れる両チームだが、スタッツ(統計数値)で見ると、神戸製鋼はパスを多用してボールをキープして攻め、パナソニックは戦略的キックを多用しながらディフェンスを崩していることが分かる。ディフェンスから切り返す攻撃が得意なパナソニックに対して、神戸製鋼の連続攻撃がいかにスコアできるのか。神戸製鋼の攻撃とパナソニックの防御の戦いは、この試合の大きな見どころだろう。

神戸製鋼スターティングメンバー

キックオフ48時間前に発表された両チームのメンバーを見ると、神戸製鋼は第5節から先発で2名の変更。3番が山下裕史から渡邉隆之、8番が前川鐘平からブロディ・マクカランに変わる。リザーブに、ニュージーランド代表のSOアーロン・クルーデンが入っているのは注目点。

パナソニックスターティングメンバー

対するパナソニックも第5節から先発で2名の変更。神戸製鋼同様BKは変わらず、FWで前節はリザーブだった稲垣啓太が1番に入り、1番だった平野翔平は3番へ。6番は福井翔大からベン・ガンターに変わる。リザーブのSO山沢拓也のクリエイティブなプレーも楽しみ。先発SOのヘイデン・パーカー(神戸製鋼)、松田力也(パナソニック)がゲームを作り、交代出場のクルーデンと山沢がゲームを仕上げる。優位にゲームを操れるのはどちらのプレーメイカーなのか。両者の戦略的駆け引きも楽しめる試合になりそうだ。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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