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ラグビー コラム 2021年4月1日

欧州クラブのベスト16がノックアウト方式で激突 レンスター対トゥーロンなど、好カードが並ぶ1回戦

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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ハイネケン・チャンピオンズカップ

ヨーロッパのラグビークラブ王者を決める「ハイネケン・チャンピオンズカップ」は、現地時間の4月2日(金)、3日(土)、4日(日)、16チームによるプレーオフ1回戦が行われる。今大会はコロナ禍にあって一年限りの暫定方式で昨年12月11日に開幕した。参加したのは24チーム。イングランドのプレミアシップ、フランスのトップ14、プロ14(アイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリアのクラブが参加)という3つのリーグから各8チームである。つまり、シックスネーションズを戦う欧州最強6カ国のプロクラブが頂点を争うわけだ。

暫定方式は、24チームを2組に分け、各チームが4試合ずつ戦い、ポイント制で上位8チームがプレーオフトーナメント(準々決勝)に進出するものだった。ところが新型コロナウイルス感染症の拡大が続くフランス政府の移動禁止令によって、1月の第3、4節が中止となってしまう。そこで、第2節終了時点での各組上位8チームの計16チームがプレーオフ1回戦から優勝を争うことになった。苦肉の策ではあるが、負けたら終わりのノックアウト方式の戦いはスリリングだ。決勝戦は、5月22日(土)、マルセイユで行われる。ヨーロッパの強豪クラブの負けられない戦いは必見だ。

4月2日、最初に対戦するのは、プロ14で4連覇を達成したばかりのレンスター(アイルランド)とフランスの強豪トゥーロン。レンスターはアイルランド代表SOジョニー・セクストン、CTBギャリー・リングローズらアイルランド代表選手を多数擁し、優勝候補の一角。対するトゥーロンは現在のトップ14では7位と振るわないが、日本のラグビーファンにもお馴染みの南アフリカ代表LOエベン・エツベス、イタリア代表NO8セルジオ・パリセら世界の顔もいて底力はある。会場はアイルランド共和国ダブリンのRDSアリーナ。

ディフェンディング・チャンピオンはイングランドのエクセター・チーフスだ。2020年10月17日の決勝戦でラシン92(フランス)を31-27で下して初優勝を果たしている。今季もプレミアシップは15節を終えた時点で、10勝5敗の2位。1回戦ではフランスのリヨンと対戦する。リヨンは、トップ14で6位だが、直近の試合でトゥーロンに54-16で快勝している。こちらも面白い試合になりそうだ。

フランスのトップ14で首位を走るトゥールーズも優勝候補の一つ。フランス代表SHアントワーヌ・デュポン、南アフリカ代表WTB/FBチェスリン・コルビらスター選手が並ぶ。4月3日、アイルランドのリムリックに乗り込み、マンスターと対戦する。マンスターの実力はレンスターに匹敵し、この試合も1回戦屈指の好カードだ。そして、松島幸太郎が所属するクレルモン・オーヴェルニュは、イングランドのワスプスとアウェイ(コヴェントリー)で対戦する。

各クラブには世界各国のスター選手が揃っている。シックスネーションズの代表選手とニュージーランド、南アフリカ、オーストラリア、アルゼンチンなど南半球の強豪国代表、スーパーラグビーで活躍した後にヨーロッパへ渡った選手、そして、フィジーやトンガの才能ある選手たちが激しいフィジカルバトルを繰り広げ、卓越した個人技の競演で観客を魅了する。どの試合も見逃せない。

J SPORTS 放送情報

◆プレーオフ1回戦 
・4月2日(金)
レンスター(アイルランド)対 トゥーロン(フランス)
グロスター(イングランド)対 ラ・ロシェル(フランス)
・4月3日(土)
ワスプス(イングランド)対 クレルモン・オーヴェルニュ(フランス)
マンスター(アイルランド)対 トゥールーズ(フランス)
エクセター・チーフス(イングランド)対 リヨン(フランス)
・4月4日(日)
ラシン92(フランス)対 エディンバラ(スコットランド)
ボルドー・ベグル(フランス)対 ブリストル・ベアーズ(イングランド)
スカーレッツ(ウェールズ)対 セール・シャークス(イングランド)

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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