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ラグビー コラム 2021年3月7日

パナソニック ワイルドナイツ3連勝 多彩な攻撃でキヤノンイーグルスを圧倒

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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パナソニックワイルドナイツ 内田啓介選手

3月6日(土)、大分県の昭和電工ドーム大分には、今季最多となる7,008人の観衆が集った。緊急事態宣言の出ている場所では上限5,000人の観客数で行われたきたシーズンの中では、7,000人という数字が新鮮に映る。

連敗スタートのキヤノンイーグルスの奮起が期待された試合だったが、終わってみれば、パナソニック ワイルドナイツの47-0という完封勝利だった。ただし、キヤノンの田村優キャプテンが、「準備してきたことをやった。パナソニックが強かったということ。僕は悲観していない」と淡々と振り返った通り、序盤はキヤノンが激しいタックルでパナソニックの攻撃を押し返し、ボールをキープして攻め続けた。

前半6分、田村のPGは外れたが、何度も攻め込んでトライチャンスを作った。しかし、ハンドリングエラーや判断ミスでチャンスを逸するうち、流れはパナソニックに傾いていく。16分、19分にパナソニックSO松田力也がPGを決め、スコアは、6-0。防戦一方に見えるパナソニックだが、キヤノンに大きく前進を許したシーンも、全員が素早くディフェンスラインを形成して得点を許さない。

前半30分、SH内田啓介がハーフウェイライン付近へハイパントを蹴り上げる。キヤノンWTBホセア・サウマキがキャッチした直後にWTB竹山晃暉がタックルで倒し、FLベン・ガンターがジャッカルでペナルティーを誘う。このPKから松田がキヤノンのゴールライン直前までタッチキックを蹴り込み、ラインアウトからのモールでHO坂手淳史がトライ。効率の良いトライで、11-0とリードを広げた。キヤノンもトップリーグ初先発となるPR安昌豪がモールの真ん中を割ってボールを奪うなど好プレーを繰り出すがのだが、反撃にはつながらなかった。

後半5分、パナソニックはPR平野翔平に代わって日本代表のヴァル アサエリ愛を投入。その直後、ラインアウトから攻め込んだパナソニックは左タッチライン際でWTB竹山晃暉がショートバウンドのパスをキャッチしてゴール直前でヴァルにパス。ヴァルは大きな体を低くして左コーナーにダウンボール。映像判定(TMO)の末、トライが認められた。スコアは、16-0となる。

ハイライト】キヤノン vs パナソニック|トップリーグ 2021 第3節

後半12分、坂手に代わって堀江翔太が登場すると、観客からは期待感あふれる拍手が起こる。堀江が巧みなハンドリングスキルを披露すると、この日は堅実なプレースタイルで戦っていたパナソニックが個人技で観客を魅了し始めた。松田のPGで19-0とすると、後半20分に交代出場のSH小山大輝が持ち前のスピードで魅せる。ゴールラインを背負ったキヤノンのラインアウトから出たボールに猛然と飛び出し、パスミスを誘発すると、このボールをLOジョージ・クルーズが確保してそのままインゴールへ。松田のゴールも決まって、26-0とリードを広げた。

パナソニックは27分、CTBハドレー・パークスのキックパスを受けたNO8ジャック・コーネルセンがトライ。33分には松田と交代した山沢拓也がカウンターアタックで自陣から抜け出し、福岡からリターンパスを受け、左コーナーにトライ。難しい角度からのゴールキックを自ら決めてダメを押した。モールを押し込んで先制トライをあげ、キックパスを何度も決め、ディフェンスでプレッシャーをかけてミスを誘い、カウンターアタックで仕留める。多彩な攻撃を披露したパナソニックの快勝だった。

「選手のパフォーマンスには満足している」とパナソニックのロビー・ディーンズ監督。ディフェンスと圧力をかけたセットピースを褒めたが、坂手淳史キャプテンはディフェンス面で課題をあげた。「0点に抑えたのは良かったが、前半は個人でディフェンスしている時間帯もあった。もっとコミュニケーションをとって、さらに強固なものにしていきたいです」

3連敗となったキヤノンだが、沢木敬介監督は「前半はファイトする姿勢も見えていたし、ラインアウトも安定していた。チャンスも作れている。プラスも面も出ています。我慢強くやるしかない。神戸製鋼、パナソニックという強いチームと戦えたので、ここから成長していきたい」と前向きにコメントした。

パナソニックは次節(3月14日)、NTTドコモレッドハリケーンズと大阪のヤンマーフィールドで対戦。キヤノンは2勝1敗のヤマハ発動機ジュビロと静岡のヤマハスタジアムで戦う。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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