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ラグビー コラム 2021年2月8日

ラグビートップリーグ歴代王者決定戦 パナソニック、サントリーの2強時代からの 神戸製鋼、15季ぶりの王座奪還

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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17年の時を刻んだジャパンラグビートップリーグ(TL)は、海外のトップレベルのコーチ、選手の加入で着実にレベルアップし、日本代表の実力を押し上げてきた。日本代表の活動を優先するためもあって、大会方式は試行錯誤を続けながら様々に変化。直近10年を振り返ると、2010年度シーズンからサントリーサンゴリアスが2連覇、2013年度シーズンからはパナソニック ワイルドナイツが3連覇、この2強が東芝ブレブレイブルーパス、神戸製鋼コベルコスティーラーズ、ヤマハ発動機ジュビロと死闘を繰り広げた。

J SPORTSは、2月8日~10日、トップリーグ歴代王者決定戦の2013年度から2018年度までの6試合を放送する。

13年度からの2シーズンは、2ステージ制+プレーオフが採用された。2013-2014シーズンは、参加16チームを8チームずつに分けた「ファーストステージ」、その順位で上位、下位8チームずつに分けた「セカンドステージ」で順位を争い、最後に上位4チームのプレーオフで優勝を争った。

このシーズンのプレーオフ決勝は、2014年2月11日、秩父宮ラグビー場にて行われた。当初は2月9日に開催される予定だったが、都心で45年ぶりに27cmの積雪があり、2日順延された。パナソニックのキャプテンは堀江翔太、SH田中史朗、SOベリック・バーンズのHB団がチームを操った。笑わない男・稲垣啓太のルーキーイヤーである。対するサントリーは、真壁伸弥がキャプテン。PR畠山健介、SO小野晃征らの日本代表勢に、FLジョージ・スミス(オーストラリア代表)、SHフーリー・デュプレア(南アフリカ代表)という世界のビッグネームも擁していた。

2014年プレーオフ決勝パナソニック

世界最高のオープンサイドFLであり、「ジャッカルの名手」ジョージ・スミスに対し、パナソニックのFL西原忠佑、堀江翔太らがプレッシャーをかける。スミスに仕事をさせると勝てないからだ。ベテランNO8ホラニ龍コリニアシも攻守に活躍。地域を獲得するキックの応酬ではSOベリック・バーンズ(オーストラリア代表)の的確なスキルが際立つ。バーンズは、プレースキックでも3ゴール、8PGを決めた。WTB山田章仁の2トライも必見だ。トップリーグMVPはベリック・バーンズ、プレーオフMVPは山田章仁が受賞。そして、このシーズンの新人賞は、稲垣啓太とヤマハ発動機の堀江恭佑が2人で受賞している。表彰式での稲垣の満面の笑顔は初々しかった。

ここからパナソニック、サントリー時代が続くのだが、2018年度はトップリーグ初代王者の神戸製鋼が復活する。このシーズンの神戸製鋼の変化は劇的だった。2018年4月、世界の名将の一人で、元ニュージーランド代表オールブラックスのヘッドコーチだったウェイン・スミスが総監督に就任。彼は神戸製鋼という会社の歴史、文化を学び、選手やファンにチームへの愛や誇りを再確認させた。そして、世界最高のSOダン・カーターを軸に常勝軍団を蘇らせる。

トップリーグ1819総合順位決定トーナメント 決勝 神戸製鋼

快進撃を続けた神戸製鋼は決勝戦で3連覇を狙うサントリーと対戦する。2018年12月15日、秩父宮ラグビー場に集った1万7401人の観衆は真紅のジャージーの強さに驚くことになった。FW前5人の巨漢選手が短いパスを巧みに操って前進し、BKに走るスペースを作る。開始3分、WTBアンダーソン フレイザーがトライすると、9分にもNO8中島イシレリのパスを受けたアンダーソンがトライ。HO有田隆平のキックチャージからのトライを加えて、前半を22-5で折り返す。

後半もCTBアダム・アシュリークーパー、FB山中亮平らがトライを追加する。無尽蔵のスタミナでパスをさばくSH日和佐篤、一人だけ時の流れが違うかのように余裕をもってプレーするSOダン・カーター。2人を中心にテンポよくボールを動かす神戸製鋼の攻撃は、王者サントリーを翻弄した。終わってみれば、WTB尾崎晟也の1トライしか失わず、55得点をあげる快勝だった。

このシーズンのトップリーグMVPは、当然のことながらダン・カーター。86.2%のプレースキック成功率で、ベストキッカーにも輝いた。2015年のラグビーワールドカップではニュージーランド代表を連覇に導き、スーパーラグビー、フランス・トップ14に加えて日本のトップリーグのタイトルも手にした。優勝請負人の円熟のプレーを今一度堪能したい。

文:村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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