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ラグビー コラム 2020年12月29日

全国高校ラグビー大会2回戦見どころ 早稲田実業は京都成章にチャレンジ

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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100回目の節目を迎えた全国高等学校ラグビーフットボール大会が、12月27日、東大阪市花園ラグビー場で幕を開けた。27日、28日は、1回戦31試合が行われ、連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)、大阪の常翔学園、68回目という最多出場の秋田工業など強豪校が順当に勝ち進んだ。今回のシード校は、90回大会以降の各都道府県の上位進出回数などによって決められたが、その実績がそのまま反映された。

第99回全国高等学校ラグビーフットボール大会 決勝 御所実業vs桐蔭学園

2回戦は、12月30日(水)、全16試合が行われる。1回戦屈指の好カードとなった桐蔭学園対茗溪学園は、桐蔭がNO8佐藤健次キャプテン(3年)の先制トライを手始めに5トライをあげ、36-7で快勝した。2回戦は、第1グラウンド第4試合で日本航空石川と対戦する。同じく第1グラウンドでは、第2試合(10:45キックオフ)でシード校の目黒学院(東京)と大分東明が対戦。互いにパワフルな留学生を攻撃に軸としており、好勝負が期待される。

第6試合(15:45キックオフ)は唯一2回戦から登場となる東海大大阪仰星が佐賀工業の挑戦を受ける。仰星は優勝候補筆頭の呼び声が高いが、佐賀工業は1回戦で大津緑洋(山口)をスピーディーな攻撃で圧倒。身長192cmの金子琉聖(3年)、189cmの井上茉紗樹(2年)を擁し、大きなFWと抜群のスピードを持つWTB森山翔斗(3年)ら展開力あるBKをもつ。ラグビーセンスが光る1年生SO後藤翔大もおり、どこまで仰星に迫れるか、楽しみな一戦だ。

第2グラウンド第1試合では、注目の関西学院(兵庫)と流経大柏(千葉)が対戦する。バランスの良いチームに仕上がった関西学院は、1回戦で盛岡工業(岩手)を43-0と完封した。兵庫県決勝でも報徳学園を堅守で1トライに抑えており、出足の良いディフェンスが強みだ。対する流経大柏は1回戦で展開力ある高鍋(宮崎)を30-12で破った。身長201cmのディアンズ ワーナー(3年)をNO8で起用し、大きなFW、突破力あるBKで着実にスコアした。僅差勝負になりそうだ。

第5試合に登場する京都成章も優勝候補の一角だ。1回戦は米子工業(鳥取)から129得点。コンディションの万全ではなかったキャプテンのSH宮尾昌典(3年)、大黒柱のLO本橋拓馬(3年)は欠場し、SO辻野隼大(3年)もリザーブからのスタート。それでも「今年は誰が出ても力は変わらない」と湯浅泰正監督の言う通り、1年生PR森山飛翔らがアグレッシブに前進し、SO大島泰真(2年)を軸にテンポよく連続攻撃を仕掛けた。その京都成章に挑むのは東京の早稲田実業だ。1回戦では熊本西を素早い攻撃で翻弄し、CTB田中勇成(2年)が小刻みなステップワークでタックラーをかわしてトライするなど6トライを奪った。京都成章も現状のベストメンバーで臨むだろう。キックオフが待ち遠しい。

第3グラウンドでは、ノーシードながら東海地区では図抜けた実力を持つ中部大春日丘(愛知)が、第1試合で新潟工業と対戦する。日本代表の姫野和樹、稲垣啓太の母校対決というわけだ。春日丘の1年生LO物部耀大朗は、190cm、102kgのサイズで姫野の入学時より大きい。相撲経験者で将来楽しみな選手。新潟工業は安定したセットプレーから仕掛けたい。

第2試合には悲願の初優勝を狙う御所実業が登場。1回戦では近畿ブロック代表の報徳学園を24-5で下した。上々の滑り出しといえるだろう。御所実業が入るブロックは強豪ひしめく激戦区で、2回戦は花園の常連・國學院栃木との対戦だ。関東新人大会では東海大相模、目黒学院に勝っており、初のベスト4を狙う実力がある。御所実業にどんなチャレンジを見せてくれるか、見逃せない好カードだ。

第99回全国高等学校ラグビーフットボール大会 準決勝 桐蔭学園vs東福岡

第3グラウンドの第4試合では、東福岡対筑紫の福岡対決もある。両校は福岡予選ではブロックが違ったため、何度も合同練習をした間柄。両監督も福岡大出身という、よく知る者同士の戦いだ。そのほか、見どころの多い2回戦。ここを突破したベスト16が2021年1月1日の3回戦に進出する。正月越えを果たすのはどのチームなのか。3回戦の対戦を予想しつつ観戦を楽しみたい。

■2回戦(12月30日)
第1グラウンド
9:30 鹿児島実 vs 常翔学園
10:45 目黒学院 vs 大分東明
12:00 西陵 vs 秋田工
13:15 桐蔭学園 vs 日本航空石川
14:30 尾道 vs 城東
15:45 東海大仰星 vs 佐賀工

第2グラウンド
9:30 関西学院 vs 流経大柏
10:45 東海大相模 vs 山形中央
12:00 大阪朝鮮 vs 昌平
13:15 石見智翠館 vs 四日市工
14:30 京都成章 vs 早稲田実

第3グラウンド
9:30 新潟工 vs 中部大春日丘
10:45 御所実 vs 國學院栃木
12:00 仙台育英 vs 青森山田
13:15 東福岡 vs 筑紫
14:30 長崎北陽台 vs 明和県央

文:村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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