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ラグビー コラム 2020年12月21日

【ハイライト動画あり】関西王者・天理大、大勝発進! 高速の連続攻撃で12トライあげる

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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誰がここまでの大差を予想しただろうか。3回戦での筑波大との激闘を経て、自信をつけた流経大が関西王者に挑む。僅差勝負が期待された東大阪市花園ラグビー場での準々決勝第2試合は、天理大が78-12という大差勝利を収めた。天理大は3年連続のベスト4進出。流経大は初のベスト4入りを逃した。

マナセ・ハビリ(天理大)

12月19日、午後2時、久保修平レフリーの笛で試合は始まった。天理大は、SH藤原忍、SO松永拓朗を軸に立ち上がりから素早くボールを動かし、流経大のディフェンスラインにプレッシャーをかけるように攻め続けた。前半8分、LOアシペリ・モアラのトライで先制すると、11分、自陣で相手ボールを奪い、CTBシオサイア・フィフィタがディフェンスラインを破って大幅にゲイン。流経大陣深くまで走ったところで背後からタックルを受けたが、片手でオフロードパス。サポートしていた1年生WTBマナセ・ハビリがボールを受けてそのままインゴールへ。「最初は緊張していたのですが、最初のトライで楽しくなりました」。大学選手権初出場のハビリは、その後、のびのびとプレーした。

勢いに乗った天理大は、14分、流経大のキックオフがダイレクトタッチになったことで得たセンタースクラムからチャンスをつかみ、フィフィタのパスを受けたPR小鍛治悠太がトライ。松永が3トライ後のゴールをすべて成功させ、21-0とリードを広げた。天理の攻撃は、常に囮のランナーが複数走り込んでおり、ディフェンスが的を絞りにくい。パスを受けた選手がやすやすとディフェンスを突破するシーンが繰り返された。

一方の流経大は、どこか体が重いように見えた。坂本キャプテンは試合後「筑波大戦後のリカバリーはうまく行きました」と気丈に話したが、12月5日、激しいタックルを何度も受けた大東大戦、13日の筑波大との死闘の疲れは明らかだった。天理大は攻撃の手を緩めず、ボールを持った選手が常に左右にパスできる選択肢を持ちながら前進する。前半23分、WTB土橋源之助のトライで、26-0とさらに点差が開く。

ラグビー 全国大学選手権 20/21 準々決勝-4

【ハイライト】流通経済大学 vs. 天理大学

流経大が流れを変えられたとしたら、このトライ直後の天理大陣深くのラインアウトだった。このラインアウトを確保してモールで前進するなど、ゴールに迫ることができれば、天理大の勢いを止めることができたかもしれない。しかし、この流経大ボールのラインアウトでは、天理大LO中鹿駿がタイミングよくジャンプしてボールを奪い取り、チャンスの芽を摘んだ。値千金のスチールだった。点差をつけられ、自陣からでも攻めることを余儀なくされた流経大は、ゴールラインを背負った地域でボールを展開。ロングパスを放ったところで、天理大HO佐藤康が狙いすましたインターセプトからトライを追加(スコアは33-0)。前半終了間際にも、タックルでのターンオーバーから松永、フィフィタとつなぎ、CTB市川敬太がアウトサイドへステップを切りながら前に出て、フィフィタにリターンパス。6トライ目を奪い、ほぼ勝敗は決した。

後半も天理大の勢いは止まらず、松永のインゴールへのキックパスから土橋がトライし、フィフィタが個人技で2人のタックラーを引き付けてハビリのトライを導くなど着々と加点。流経大も、WTB中西海斗、HO松田一真、FB河野峻太がトライを返し、持ち味の攻撃力の高さを見せたが、最終スコアは、78-17。思わぬ大差となった。

12/19 流通経済大学 vs. 天理大学

試合後、記者会見に現れた坂本侑翼キャプテンは涙目だった。内山達二監督は涙をこらえながら、「天理のプレッシャーを受け、我々がやろうとするラグビーをさせてもらえなかった」と絞り出した。「でも、学生たちはコロナ禍の苦しい一年を、キャプテンを中心に一丸となって戦い、ここまで来てくれた。大敗はしましたが、力は出し切れたと思います」。タフな連戦を戦いぬいた選手たちをねぎらった。

勝った天理大の松岡大和キャプテンは「準備したことが出せました。流経大の攻撃を止めるために、ディフェンスシステムを見直し、自分たちからプレッシャーを与えていこうとしました」と力強く語った。3年連続の準決勝進出。次の相手は一昨年、決勝で惜敗した明治大だ。「明治はプレッシャーをかけてくると思うので、こちらから体を当てていきたいです」(松岡キャプテン)。残った4チーム中、関西は天理大のみ。今度こそ、打倒関東を果たし、頂点に立つことはできるのだろうか。

文:村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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