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ラグビー コラム 2020年12月4日

大正12年から続く早大対明大の定期戦 勝てば関東大学対抗戦の優勝決定 好敵手の頭脳戦を見逃すな

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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大正12年から続く伝統のラグビー早明戦が12月6日、秩父宮ラグビー場(東京都港区)で行われる。日本の大学ラグビーを引っ張ってきた両チームの定期戦は今年で96回目。関東大学対抗戦Aの最終節として行われる。昨年は25年ぶりの全勝対決となったが、今年も6戦全勝で首位を走る早大と、5勝1敗の明大という優勝決定戦となった。

コロナ禍で行われる今季は、どのチームも準備が十分ではなく、公式戦を戦いながら試行錯誤を続けている。その中で早大は、さまざまな選手を試しながら着実に実力をつけている。11月23日の早慶戦では、慶大の強いタックルをFW陣が前に出て受け止め、スペースを作ってBKにボールを供給。CTB長田智希(3年)、FB河瀬諒介(3年)らスピードある選手がディフェンスを破った。

慶應大学 vs. 早稲田大学(11/23)

22-11の勝利でスコアは競っていたが、後半33分に登場した1年生SO伊藤大祐がハイパントをキャッチするや、タックルをかわして大幅ゲインするなど非凡な才能を披露。FWでも1年生のFL村田陣悟がパワフルな突進で攻撃の核になり、昨年からのレギュラーFL相良昌彦(2年)も怪我から復調。若い選手たちが頼もしいプレーを見せた。

帝京大学 vs. 明治大学(11/22)

対する明大は、11月1日、慶大に12-13で敗れ、11月22日の帝京大戦でも前半30分で7-23とリードを許すなど苦しんだが、その後、HO田森海音(3年)、CTB廣瀬雄也(1年)らの連続トライで逆転した。大学屈指のSO山沢京平(4年)が怪我のため欠場中で、池戸将太郎(1年)、齊藤誉哉(2年)、森勇登(4年)の3人がここまで先発SOを務めてきた。目標は学生王座奪回であり、メンバーを固めるのはこれからだろう。

かつての早明戦は、タテの明治、ヨコの早稲田と言われ、パワーとスピードの対決という図式だったが、現在は両チームともバランスがとれており、どう相手を攻略するか、知恵比べの戦いになっている。昨年の早明戦は明大が勝ったが、大学選手権決勝では早大が前半にトライを畳みかけて勝利した。今季も大学選手権で再び戦う可能性はあるが、決勝までの道のりを考えれば、1位通過が有利なのは間違いない。

早大の丸尾崇真(4年)、明大の箸本龍雅(4年)という両キャプテンはともにNO8で、このマッチアップは注目だ。既述の長田、河瀬にWTB古賀由教(4年)、槇瑛人(2年)ら決定力ある早大BKに対し、明大もセブンズ日本代表のWTB石田吉平(2年)、サンウルブズでプレーしたFB雲山弘貴(3年)、192cm、102kgの長身CTB児玉樹(3年)などスピードとパワーを兼ね備えた選手たちが多い。世代屈指の才能のぶつかりあいも試合を盛り上げるだろう。

明大のラインアウトの要であるLO片倉康瑛(4年)が、安定感ある早大のラインアウトをどう攻略するかも興味深い。逆に早大が明大ボールを乱すのか。ラインアウトの獲得率は勝敗に直結する。ボールの争奪戦では両チームのFW第三列が激しくプレッシャーをかけあうだろう。互いに決定力があり、失点を減らすためにも相手陣で戦うことが重要だ。自陣での反則は失点に直結する。相手が予期しないプレーを繰り出し、得点を重ねるのはどちらか。立ち上がりから目の離せない戦いになる。

文:村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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