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ラグビー 関西大学リーグ2020
【ハイライト】京都産業大学 vs. 立命館大学
LO(ロック)アサエリ・ラウシ(日本航空石川)のパワフルな突破で会場が湧き、チームとしても前に出るディフェンスで相手を攻撃しながら下がらせるなど、試合は京産大ペースになると思われたが、30分と前半ロスタイムに連続失トライし、14-19で折り返す。
後半開始早々にもトライを許し、14-24と10点差になってしまう。京産大も後半7分に得意のラインアウトモールから、梅基天翔が今日2つ目のトライを奪うが、直後にペナルティゴールを決められ、なかなか差を縮めることができない。ブレイクダウンで立命館大のプレッシャーに耐え切れず、ボールを取られるシーンが目立った。
そんな流れを変えるプレーが生まれたのは後半24分。昨シーズンはSOでのスタメンが多かったが、今シーズンインサイドCTB(センター)に入っている家村健太(流経大柏)がショートパントを相手の背後に蹴り、自らキャッチし抜け出すと倒れ込みながらパス、それを受けたCTBニコラス・ホフア(札幌山の手)がトライを決めて1点差になった。
決めれば逆転のゴールは、ここまでパーフェクトの西仲隼だったが、外してしまう。残り10分で1点差。キャプテンFL(フランカー)田中利輝(東海大仰星)は「なかなかマイボールにならないので焦っているチームメイトもいたが、ロスタイム(4分)も含めて、まだ時間があると分かっていた」と振り返る。
辛抱強くディフェンスを続け後半42分、ついに敵陣でペナルティを獲得する。伊藤監督はスタンドから無線で「キックでPG(ペナルティゴール)を狙え!」と叫ぶが、選手たちはトライを狙う選択をするという、2015年ワールドカップを彷彿とさせるようなやり取りの後、京産大ボールのラインアウトモールが組まれる。
ラストプレーで逆転トライ
モールは途中で崩れるも、そこからFW(フォワード)が近場を攻め、じりじりと前に出て、最後は途中出場の1年生FL三木皓正(京都成章)がトライ。ラストプレーでのサヨナラトライに、選手たちは抱き合って喜び、スタンドは拍手に包まれた。ゴールも決まり、33-27となった所でノーサイド。京産大は苦しみながら初戦をものにした。
伊藤監督は「ザ・開幕戦。ヒヤヒヤしましたが、勝てて良かった」と笑顔。立命館大の中林監督は「最後の最後で京産大が上だった」と悔しがった。京産大キャプテンの田中利輝は「勝つために用意していたプレーは沢山あったが、相手のプレッシャーに押されてできなかった。次戦も気を抜かずに頑張ります」と振り返った。
決勝トライの三木皓正が記者会見で「ガムシャラにプレーした。あのトライは全員で取ったトライ。自分はラッキーボーイです」と話すと、すかさず伊藤監督が「自分で言うか」とツッコミを入れる。緊張の開幕戦は笑顔で幕を閉じた。
文:岩田悠吾/写真:朝倉力(京産大アスレチック)
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