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ラグビー コラム 2020年9月28日

関東大学対抗戦Aは10月4日、有料試合で開幕 早大、明大に待ったをかけるのは、帝京大か、それとも…

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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早稲田大

関東大学対抗戦Aは10月4日(日)に開幕する。秩父宮ラグビー場では有料試合で慶應義塾大対筑波大、早稲田大対青山学院大のダブルヘッダーで行われる。同日、明治大対立教大が明大グラウンドで、日本体育大対帝京大が帝京大グラウンドで、それぞれ無観客で行われる。コロナ禍で施設への立ち入りを制限している大学も多く、大学施設を使う試合は原則無観客。スタジアムを使用する試合が部分的に観客を入れての有料開催となる。

対抗戦グループは日本一を狙う強豪チームがひしめく。昨季の全国大学選手権を11シーズンぶりに制した早大、決勝戦では敗れたが対抗戦の早大戦には勝利した明大、3シーズンぶりの学生王座返り咲きを狙う帝京大だ。しかし、コロナ禍で9月になってようやく練習試合を開始したチームが多く、チーム力は未知数の部分が多い。シーズン序盤から波乱の連続という展開も考えられる。

大学選手権の出場枠は、優勝、準優勝チームが所属するリーグに翌年度の枠が増えるという規定から、対抗戦は5位までが出場権を得られる。3強に続くのは、昨季の4位筑波大、5位日体大、6位慶大だが、青学大、5年ぶりに昇格した立教大も虎視眈々と上位崩しを狙っており、し烈な順位争いになりそうだ。

早大は、相良南海男監督が就任して3シーズン目。学生日本一メンバーから、キャプテンのSH齋藤直人、ゲーム運びを司ったSO岸岡智樹、突破役のCTB中野将伍らBKの主力が卒業した。SH小西泰聖(2年)、昨年の桐蔭学園の高校日本一メンバーのSO伊藤大祐(1年)に期待がかかる。昨季もレギュラーとして活躍したCTB長田智希(3年)、WTB古賀由教(4年)、FB河瀬諒介(3年)は大学レベルでは卓越したスピードとスキルがある。ただし、今季の早大のスローガンは「BATTLE」(バトル)。彼らのポジションが約束されたわけではなく、チーム内の競争を促しながらの戦いになる。

明治大学・箸本龍雅

明大の戦力も充実している。昨季まではLOで活躍した箸本龍雅(4年)は田中澄憲監督が将来を見据えてFW第三列で起用。抜群の突破力を生かしたい。箸本ともに2020年のサンウルブズに参加したFB雲山弘貴(3年)も大器だ。7人制日本代表の石田吉平(2年)はWTBでのプレーとなりそう。帝京大は大阪桐蔭出身のFL松本健留(4年)がキャプテン。現在の4年生は大学選手権9連覇を達成したチームで1年生だった選手たち。決定力あるWTB木村朋也、FB奥村翔は1年生から活躍してきた。連覇を知る最後の代が再び頂点を狙う。1年生で期待されるのは大阪桐蔭から加入のHO江良楓、FL奥井章、攻撃的なスタイルでチームを勢いづかせたい。

筑波大は長崎北陽台出身のCTB岡崎航大(4年)がキャプテン。「チーム全員が自律するように働きかけることを大切にしている」と語る。昨季、何度もディフェンスを破ってチャンスを作ったFB松永寛汰(3年)は今季も注目だ。日体大は「奪取」をスローガンに選手権出場を目指す。LO玉置将也キャプテン(4年)は、昨季は負傷のため出場機会がなかったが復調。チームメイトからの信頼も厚い。

慶大は昨季、22シーズンぶりに選手権出場を逃した。指揮を執る栗原徹ヘッドコーチの肩書は2年目で「監督」に変わった。雪辱を期して昨年12月に新チームの活動をスタートさせたが、新型コロナウイルス感染症の影響で活動は停止。他大学同様に難しい状況で準備を重ねてきた。多くの主力が残っているのは強み。1年生の新戦力ではスピードスターのFB山田響(報徳学園)に期待がかかる。青学大はキャプテンの西野稜祐(4年)、河部周次(4年)のCTBコンビを軸にスピーディーにボールを動かすラグビーを展開。立教大は5年ぶりのA昇格で、SH北山翔大キャプテンを軸に上位進出を目指す。

最終節は、12月6日(日)、熊谷ラグビー場で筑波大対日体大、慶大対帝京大、秩父宮ラグビー場では早大対明大が行われる。この3試合が大学選手権出場枠を決める戦いとなるような白熱の順位争いが期待される。いずれにしても、滞りなく戦いが続き、学生たちが思う存分力を発揮できるように祈りたい。

文:村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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