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ラグビー コラム 2020年9月1日

【ハイライト動画あり】白熱! プレーオフ進出かけた激闘 レベルズ、ワラターズに敗れるも最終節に可能性残す

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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レベルズvワラターズ

オーストラリアのスーパーラグビーAUは、プレーオフ進出の3位以内をかけた戦いがクライマックスを迎えた。8月21日、22日に行われた第8節を終えた時点で、ブランビーズとレッズの3位以内が確定し、残る1枠を、ワラターズレベルズが争うことになった。その直接対決が8月29日、ニューサウスウェールズ州のライカートオーバルで行われた。本来は、レベルズのホームゲームだが、本拠地メルボルンがあるビクトリア州は新型コロナウイルス感染症の陽性者が同国で最も多い地域。緊急事態宣言が出ており、レベルズの選手たちは、メルボルンに戻ることなくホテル暮らしを続けて戦っている。

前日(8月28日)、ブランビーズウェスタン・フォースに31-14で勝利し首位が確定(6勝1敗、勝ち点28)。2位レッズ(4勝2敗1分け、勝ち点21)、3位ワラターズ(3勝4敗、勝ち点15)、4位レべルズ(3勝2敗1分け、勝ち点14)、5位ウェスタン・フォース(7敗、勝ち点2)という順位。ワラターズは、次節は試合がなく、3位を確定させるためには、レベルズに対して3トライ以上の差をつけるボーナス点を取りながら勝利し、勝ち点5を加え、レベルズにボーナス点を与えないという快勝が求められた。一方、レベルズは、勝てば3位以内が確定。負けても、ワラターズにボーナス点を与えなければ、最終戦のフォースに勝ってプレーオフ進出が濃厚という状況だった。

試合は、ワラターズのキックオフで始まった。開始3分、レベルズはCTBマット・トゥムーアのPGで先制。一方、ワラターズは十分にPGを狙える位置でPKを得ながら、タッチキックを選択して攻め、SHジェイク・ゴードンがトライ、SOウィル・ハリソンのゴールも決まって3-7と逆転する。前半は6割がたボールを支配して攻めるワラターズに対し、懸命のディフェンスでレベルズがしのぐ展開。22分には、ワラターズのNO8ジャック・デンプシーがゴール前のラックからのサイドアタックでトライし、3-14とする。

2トライ差のリードをとったワラターズだが、その後は攻めきれず、逆にレベルズに攻め込まれ、後半36分、ラインアウトでの反則でLOネド・ハニガンがシンビン(10分間の一時退場)となり、14人での戦いを余儀なくされた。その直後、レベルズはワラターズのゴールラインに迫り、トゥムーアが内側に切れ込むようにトップスピードでパスを受け、そのままトライ。チームリーダーの気迫の突進で、10-14とする。前半終了間際にワラターズのハリソンがPGを決めて10-17で前半を終了。

後半に入るとレベルズが攻勢に出る。5分、ゴール前のラインアウトからモールを押し込み、NO8イシ・ナイサラニがトライ。17-17の同点に追いつく。苦しくなったワラターズだが、9分、ゴール前のラインアウトからFWでゴリゴリと密集サイドをついてPRハリー・ジョンソンホームズがトライ。16分にはFLマイケル・フーパーからパスを受けたCTBジョーイ・ウォルトンがインゴールに飛び込む。再び2トライ差をつけたが、22分、レベルズのWTBマリカ・コロインベテがトライを返す。スコアは、24-31と1トライ1ゴール差となる。

ビッグプレーが出たのは後半26分だった。ワラターズFBジャック・マドックスが右コーナーにトライをしたかに見えたが、ここはレベルズのトゥムーアがタックルしながらボールの下に体を入れてトライを防いだ。この直後にレベルズはナイサラニがトライして29-31に迫る。結果的には、このプレーが大きかった。追い込まれたワラターズはフーパーがレベルズのキックをチャージし、転々とするボールをハリソンがキャッチしてゴールラインまで走り切り、勝利を決定づけた。

この時点で、29-38の9点差。このまま終われば、レベルズは7点差以内の負けに与えられるボーナス点は取れず、ワラターズも、3トライ以上引き離すボーナス点がとれない。つまり、ワラターズは勝ち点4を積み上げて計19とし、レベルズは14のままだ。レベルズは最終戦で最大の勝ち点5を挙げたとして、ようやく並ぶことになり、4点止まりの場合はワラターズを越えらない。

ところが、次のキックオフからの攻防でワラターズのWTBジェームズ・ラムがペナルティーを犯し、このPGチャンスをトゥムーアが冷静に決めて、32-38でノーサイド。レベルズは7点差以内の負けに与えられるボーナス点を最後の最後にゲットし、両者の勝ち点差は、19-15の4点となった。最終戦でレベルズが勝ち点5を獲れば、その時点でプレーオフ進出が決まることになり、4点で終わっても得失点差で上回る可能性が高い。相手が最下位のウェスタン・フォースということもあり、レベルズは優位に立ったのだ。

ワラターズのトライを防ぎ、自らトライをあげ、最後の大事なPGを決めたマット・トゥムーアは、最終節に勝てば、プレーオフ進出の立役者だ。今季一勝もしていないウェスタン・フォースが意地を見せれば、ワラターズがプレーオフ準決勝でレッズと対戦することになる。注目のレベルズ対ウェスタン・フォースは、当初の予定が変更になり、9月5日(土)日本時間午後2時から、ニューサウスウェールズ州ニューカッスルにあるマクドナルドジョーンズ・スタジアムで行われる。

【ハイライト】スーパーラグビー2020 オーストラリア 第9節

レベルズ vs. ワラターズ 

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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