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ラグビー コラム 2020年7月27日

【ハイライト動画あり】クルセイダーズ敗れる! 攻撃的ディフェンスでハリケーンズが勝利 ますます目が離せないスーパーラグビー「アオテアロア」

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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4戦全勝で首位を走っていたクルセイダーズが敗れた。7月25日(土)、ニュージーランド(NZ)南島クライストチャーチで開催されたスーパーラグビー「アオテアロア」第7節。地元の声援を背にピッチに立ったクルセイダーズにはいつも以上の緊張感があった。BKラインの中心メンバーでありバイスキャプテンのFBデイヴィッド・ハヴィリ、アウトサイドCTBブレイドン・エノーを怪我で欠き、相手は上り調子のハリケーンズである。危機感を持っての戦いだった。

一方のハリケーンズは、クルセイダーズとは6点差の3位につけており、勝って4点を獲得すれば優勝圏内に残ることができる。しかし、ハリケーンズは2016年以来、クルセイダーズには勝っていない。加えて、オールブラックスのHOダン・コールズの怪我に続き、試合直前に右PRティレル・ロマックス、リザーブFWのイサイア・ウォーカーレアウェレ、ヴァエア・フィフィタの怪我による欠場が決まるなどこちらもマイナス要素はあった。

チームの総力が問われる戦いは、現地時間午後7時5分に始まった。両者は立ち上がりから激しくプレッシャーをかけ合った。凄まじい勢いで前に出るハリケーンズのディフェンスに対して、クルセイダーズはタックルされながら細かくパスをつないだ。前半8分、ハリケーンズFBジョーディー・バレットがPGを決めると、11分、クルセイダーズSOリッチー・モウンガもPGを返す。16分、クルセイダーズはハリケーンズ陣深く入った左タッチラインのラインアウトからCTBジャック・グッドヒューを縦に走らせ、その右にモウンガが走り込んでトライをあげる。モウンガのゴールも決まって、スコアは、10-3。

ハリケーンズも負けていない。前半22分、連続攻撃で攻め込むと、CTBンガニ・ラウマペの右方向への突進に対して、角度を変えて走り込んだCTBピーター・ウマンガジェンセンがパスを受けて抜け出し、そのままトライ。10-10とすると、29分にはバレットのPGで再びハリケーンズがリードする。

観客を驚かせたのは、前半31分、クルセイダーズのトライだった。ハリケーンズ陣中盤のラックからWTBセヴ・リースがパスを出し、それを左に立って受けたSHブリン・ホールがディフェンスを引き付けてリースにパスを戻すと、リースが一気に抜け出し、左タッチライン際にいたWTBジョージ・ブリッジにロングパスを送る。キャッチできないと見るや、ブリッジはショートバウンドしたボールを左足で蹴るサッカースキルを披露してインゴールへ。インゴールでゆっくりバウンドしたボールは、カバーディフェンスのバレットから遠ざかるように跳ね、これをブリッジが押さえて逆転トライとなった。

曲芸のようなトライで17-13となったが、ハリケーンズは34分、HOアサフォ・アウムアが左タッチライン際を突進してチャンスを作り、大きく右オープンへ展開。最後はWTBウェス・フーセンが、クルセイダーズCTBフェトゥリ・パエアを振り切ってトライ。前半終了間際にバレットがPGを追加し、17-21と、ハリケーンズがリードして前半を終了した。

互いに一歩も引かない攻防は後半も続いた。スクラムではクルセイダーズが有利も、ハリケーンズの前に出るディフェンスのプレッシャーがクルセイダーズの反則を誘う。激しい攻防の中で、ハリケーンズの攻撃の要ラウマペが肩を痛めて退場したが、チームの士気は衰えなかった。PGを決め合い、20-24とハリケーンズリードの後半21分、ラウマペの交代で入ったCTBヴィンス・アソがクルセイダーズのディフェンダーをかわしてパスし、ウマンガジェンセンが3人のタックルを受けながら右コーナーにトライを決めた。難しいゴールをバレットが決めて、20-31。

ここからクルセイダーズも猛反撃に出る。モウンガがハイパントをキャッチして一気に抜け出し、ゴールに迫ってチャンスを作ると、最後は交代出場のLOクインテン・ストレンジがトライ。27-31と迫る。結果的には34分のバレットのPGが決勝点になった。クルセイダーズのディフェンスラインのオフサイドだった。

36分、クルセイダーズは、モウンガのラインブレイクからリースが右隅にトライし、ゴールが決まれば同点という場面を作ったのだが、モウンガのキックはわずかにゴールポストを外れた。勝敗は紙一重だったが、ハリケーンズのディフェンスは最後まで前に出続けた。タックル成功は134、ミスタックル41と、成功率は高くないが、外されても前に出続けることで反則を誘い、ターンオーバーを勝ち取ることができた。トライ数では、4対3とクルセイダーズが上回ったが、バレットがミスなく5PGを決めたのは大きかった。バレットは終了間際のクルセイダーズの攻撃に対して、ジャッカルで反則を誘うなど好プレーを連発した。

クルセイダーズのホーム不敗神話を36試合で終わらせたハリケーンズは、勝ち点「4」を得て計16点とし、3位をキープ(2位はブルーズの17点)。クルセイダーズは7点差以内の負けに与えられるボーナス点を獲得し、計19点。上位の点差は詰まったが、クルセイダーズは3試合を残し、ブルーズ、ハリケーンズは2試合を残すのみ。優勝争いでは依然としてクルセイダーズが優位に立っている。クルセイダーズは第8節、いまだ勝ち星のないチーフスと対戦、ハリケーンズは一週の休みをはさんで、第9節にチーフスと対戦する。


文:村上晃一

【ハイライト】 スーパーラグビー2020 アオテアロア第7節

クルセイダーズ vs. ハリケーンズ

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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