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ラグビー コラム 2020年7月20日

【ハイライト動画あり】スーパーラグビーAU第3節 ブランビーズ、劇的逆転勝利 ホームのワラターズは再三の好機生かせず

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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7月18日、オーストラリアのシドニーで行われたスーパーラグビーAU第3節のワラターズブランビーズは、終了間際にブランビーズがワンチャンスをものにして逆転。好敵手を下して今季2勝目をあげた。

現地時間の午後7時15分、ブランビーズのキックオフで試合は始まった。先制したのはブランビーズだった。ワラターズ陣深く入ったラインアウトから得意のモールを押し込み、押しきれないとみるや連続攻撃。前半5分、20歳のSOノア・ロレシオがインゴール右コーナーへキックパス。これをインゴールで待ち受けたワラターズSOウィル・ハリソンが落球し、走り込んできたブランビーズFLトム・キューザックがボールを押さえた。

ワラターズは9分、ハリソンがPGを決めて、3-5とすると、ピンチの相手ボールラインアウトをLOネド・ハニガンが奪い、ブランビーズにモールを組ませず、14分にはハリソンのPGで6-5と逆転する。追加点は24分、ゴール前のラインアウトからモールを組み、SHミッチ・ショートがモールに引っ張り込まれながらもHOトム・ホートンにボールを手渡し、ホートンがモールの脇を駆け抜けてトライ。ゴールも決まって13-5とした。

続く28分には、ブランビーズ陣に10mほど入った右中間のスクラムでブランビーズがコラプシング(スクラムが崩れる要因になった反則)。PKからタッチキックかと思いきや、やや緩慢だったディフェンスの動きを見て、ハリソンが左オープンサイドの防御背後へキック。WTBジェームズ・ラムがバウンドしたボールを確保してトライを奪う。スコアは20-5となり、ワラターズが主導権を握ったかに見えた。しかし、ブランビーズもモールからトライを返すと、36分にはWTBトム・ライトが左タッチライン際を快走してゴールに迫り、FLロブ・バレティニがトライ。20-17として、前半を終了した。

後半は互いに好機を生かせない展開が続く。ワラターズがPGを追加し、23-17となった後半10分過ぎからは、ボールは両チームの間を行ったり来たり。ブランビーズのラインアウトにプレッシャーをかけ、ボールを奪ったワラターズが連続アタックを仕掛けるも反則を犯して逸機。そのPKからブランビーズのFBトム・バンクスがタッチキックを蹴り込むと、これがノータッチでワラターズにボールが渡る。互いに良いプレーが続かず、もどかしい展開が連続した。


逆転のトライを決めるアイザック・ファインズ

ワラターズにとって悔やまれるのは、後半22分の比較的簡単なPGチャンスをハリソンが外したこと。そして、25分あたりにブランビーズゴールに迫ったラインアウトでのノットストレートだ。投げ手が直前に投入されたHOロビー・アベルだったことも影響したかもしれない。また、30分過ぎにも攻め込みながらボールを継続保持できずにチャンスを逃している。直後、ブランビーズに攻め込まれると、LOロブ・シモンズがタックル後にすぐに退かない反則。このPKからのタッチキックで攻め込まれ、38分、ブランビーズの交代SHアイザック・ファインズがトライされ、ゴールも決まって、23-24と逆転されてしまった。

ワラターズは一時20-5というリードをとりながら、判断のミスや反則で突き放すことができなかった。一方のブランビーズも8本のラインアウトを確保できず、攻撃を畳みかけられなかった。互いにまだチームが熟成できないことを露呈する戦いだったが、スーパーラグビーAUは始まったばかり。プレーオフもあり、この大会はまだ何が起こるか分からない。

【ハイライト】スーパーラグビー2020 オーストラリア 第3節

ワラターズ vs. ブランビーズ


文:村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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