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ニュージーランド版スーパーラグビー「アオテアロア」は第2節目を迎える。5チームによる総当たり戦のため、毎週1チームはお休み。今週、いよいよ初登場となるのがスーパーラグビー三連覇中のクルセイダーズだ。ホームで迎え撃つハリケーンズは、第1節でブルーズに20-30で敗れており、地元の声援を背に必勝を期している。
クルセイダーズとハリケーンズは、1996年から始まったスーパーラグビーで38戦してクルセイダーズが、23勝12敗3分けで勝ち越しているが、ハリケーンズのホームでは、7勝7敗2分けと、まったくの五分。ただし、直近の5試合ではクルセイダーズが5連勝している。
クルセイダーズは今季、新型コロナウイルスによる中断の前までは、ニュージーランドカンファレンスの1位(5勝1敗、勝ち点23)。安定したFWを軸に、CTBジャック・グッドヒュー、WTBセヴ・リース、ジョージ・ブリッジなどオールブラックス勢が活躍。また、ユーティリティーBKのデイヴィッド・ハヴィリが、25回のディフェンス突破、14回のオフロードパスで活躍し好調を支えた。
対するハリケーンズは、4勝2敗の17点でNZカンファレンスでは4位。「アオテアロア」の開幕戦も敗れたが、HOデイン・コールズが、ハリケーンズからブルーズに移籍したボーデン・バレットを振り切ってトライし、13回のラインアウトスローを成功させるなど、スーパーラグビーの公式サイトでは開幕節の「チーム・オブ・ザ・ウィーク」2位に選ばれている。また、オールブラックスの攻撃型FLアーディー・サヴェアが怪我から復帰するなど、期待を抱かせる内容でもあった。
19日(金)、両チームのメンバーが発表されたが、ハリケーンズは開幕戦(対ブルーズ)とほぼ同じメンバーで、アーディー・サヴェアが今季初先発で8番を背負う。初戦に続いて、デイン・コールズと、TJ・ペレナラが共同キャプテン。「ホームのファンの前で試合ができるのが待ちきれない」とジェイソン・ホランドヘッドコーチ。ブレイクダウン(ボール争奪局面)の反則を厳しく判定するレフリングを1試合先に経験できたのは有利な点。反則を少なくしつつ、素早く、アグレッシブに攻めたい。
対するクルセイダーズは、キャプテンのLOスコット・バレットが足の怪我で欠場するが、先発にオールブラックスがずらりと名を連ねた。クルセイダーズで初めてキャプテンを務めるHOコーディー・テイラーほか、PRジョー・ムーディー、パナソニックワイルドナイツから戻ったLOサム・ホワイトロック、SOリッチー・モウンガ、WTBジョージ・ブリッジ、セヴ・リース、CTBジャック・グッドヒューなど昨年のラグビーワールドカップで活躍した選手が並ぶ。
序盤からスピーディーにボールを動かして攻め合うのは間違いない。タックルで倒された選手がすみやかにボールを放すことをうながすレフリングに、クルセイダーズが対応できるのかはひとつの見どころ。これぞニュージーランド・ラグビーという質の高いプレーが続出するはずだ。
文:村上晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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