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ラグビー コラム 2020年4月17日

爽快! サンウルブズ初のアウェイ戦勝利。 スーパーラグビー2014ファイナルは史上最多観客! ワラターズとクルセイダーズの死闘も必見。

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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現在休止中のスーパーラグビー2020だが、今年中になんとか開催できないか、さまざまな検討がなされている。多国籍軍のサンウルブズは世界中に選手が散らばって待機中。ファンを巻き込んで世界同時にトレーニングを行うなど前向きな活動を続けている。ファンとしては再開を信じて待つしかないわけだが、こんなときは過去の名勝負やサンウルブズの勝利を振り返って、来るべき時に備えたい。

J SPORTSは、4月18日~20日にかけて「スーパーラグビー プレーオフ10年大放出!」と題し、スーパーラグビー2014の準決勝「クルセイダーズ対シャークス」、「ワラターズ対ブランビーズ」他を、「サンウルブズ勝ち見せ!」では4シーズン目のアウェイ戦初勝利などを放送する。

スーパーラグビー2019 第3節
チーフスvs. ヒトコム サンウルブズ

ラグビーワールドカップ(RWC)イヤーとなった2019シーズンのサンウルブズは、日本代表強化との連動で選手の入れ替わりが激しかったが、第3節で優勝経験のあるチーフス(ニュージーランド=NZ)に勝利。これが参戦4シーズン目にして初めてのアウェイ戦勝利だった。2月16日、シンガポールで行われた開幕節ではシャークス(南アフリカ)に10-45で大敗を喫する。しかし、第2節は秩父宮ラグビー場でワラターズ(オーストラリア)と30-31という大接戦。CTB中村亮土の活躍もあり、ファンを大いに楽しませた。


第3節は、3月2日、NZ北島ハミルトンのFMGスタジアム・ワイカトでチーフスとの対戦だった。チーフスのサポーターのほとんどが大勝を予想していたはずだ。しかし、サンウルブズは前評判を覆す。前半2分、LOヘル ウヴェの突進でゴールラインに迫ると、PRパウリアシ・マヌのオフロードパスからWTBゲラード・ファンデンヒーファー、NO8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコがパスをつなぎ、最後はFL松橋周平がゴール右隅に飛び込む。チーフスのSOダミアン・マッケンジーの正確なキックからトライをされることもあったが、キャプテンのCTBマイケル・リトルを軸に攻守にアグレッシブにプレーし、終始リードを奪う快勝だった。HO坂手淳史、LOトンプソン ルーク、FLツイ ヘンドリック、SH茂野海人らRWC日本代表メンバーもプレー。チーフス側では、RWC日本代表メンバーの一人、東海大4年(当時)のアタアタ・モエアキオラが後半25分に途中出場する。

スーパーラグビー25年の中で名勝負が数あるが、インパクトのあった決勝戦といえば、これだ。2014シーズンのファイナル、ワラターズ対クルセイダーズである。オーストラリアのワラターズは、シドニーという大都市を本拠地にし、選手層に恵まれながらファンの期待に応えられなかった。そのワラターズが初めてファイナルに進出した。22歳でキャプテンを務めるFLマイケル・フーパーを筆頭に、SOバーナード・フォーリー、CTBアダム・アシュリークーパー、カートリ―・ビール、そして、FBイズラエル・フォラウなど、オーストラリアラグビー史上屈指のタレントが揃い、指揮官はこの年の秋にオーストラリア代表を率いることになるマイケル・チェイカ。シーズンを通して安定した力を発揮し、ファイナルでは、NZの常勝軍団クルセイダーズと対戦した。

スーパーラグビー2014 決勝
ワラターズ vs. クルセイダーズ


2014年8月2日、シドニーのANZスタジアムはスーパーラグビー史上最多の61,823人の大観衆で埋まった。クルセイダーズはSOコリン・スレードのPGで先制するが、地元サポーターの大声援がワラターズを後押しし、一進一退の攻防となる。フーパー、ビール、フォラウが期待通りの活躍。対するクルセイダーズもFLリッチー・マコウ、マット・トッド、NO8キアラン・リード、SHアンドリュー・エリス、ダン・カーターとライアン・クロッティのCTBコンビなど、名前を並べるだけで楽しくなるスター選手が躍動する。試合は残り1分までもつれる。そこで勝敗を決めたものとは。何度見返しても、思わず声が出る戦いだ。


文:村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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