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ラグビー コラム 2020年4月13日

胸が熱くなる「日本ラグビー名勝負」 新国立競技場にこだました早稲田大学“荒ぶる”の大合唱 三洋電機ワイルドナイツ、悲願のトップリーグ初制覇

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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日本ラグビー最高峰のトップリーグにも名勝負は多いが、三洋電機ワイルドナイツ(現パナソニックワイルドナイツ)が初優勝を飾った試合は印象深い。三洋電機といえば、日本選手権7連覇を成し遂げた神戸製鋼の最強のライバルとして毎年のように神戸製鋼と僅差勝負を繰り広げながら、頂点に立ったことがなかった。その後、全国社会人大会ではサントリーとの同点優勝を果たし、日本選手権の制したが、2003年に発足したトップリーグのタイトルには縁がなかった。

4年連続のファイナル進出となった2011年1月30日、三洋電機は3シーズンぶりの優勝を目指すサントリーサンゴリアスと対戦した。三洋電機は飯島均監督、CTB霜村誠一キャプテン、サントリーはエディー・ジョーンズGM兼監督、NO8竹本隼太郎キャプテンが率いた。前半は「アグレッシブ・アタッキングラグビー」を掲げたサントリーがゲームを支配する。SH日和佐篤、SOトゥシ・ピシがゲームをコントロールし、前半は11-6とリード。


ジャパンラグビー トップリーグ2010-2011 プレーオフトーナメント ファイナル サントリー vs. 三洋電機

しかし、三洋電機の真骨頂は粘りのディフェンスからの切り返しだ。後半10分、ターンオーバーからWTB山田章仁のトライが決まる。NO8ホラニ龍コリニアシ、LOダニエル・ヒーナンの強烈なタックルは必見。HO堀江翔太、SH田中史朗、SOトニー・ブラウンは、RWC2019の日本代表選手とコーチ。すでに2019年の日本開催は決まっていた。しかし、このとき、日本代表の決勝トーナメント進出を現実的に語るコーチ、選手はいなかった。トニー・ブラウンが日本代表のコーチングスタッフ入りする話もない。そんな想像を膨らませながら見るのも面白い。

このほか、トップリーグ2015-16順位決定トーナメントファイナル パナソニックワイルドナイツ対東芝ブレイブルーパスの死闘。第84回全国高等学校ラグビーフットボール大会で戦後初の4連覇を達成した啓光学園(大阪)と天理(奈良)の戦いも見ておくべき試合だ。

トップリーグ2008-09プレーオフ決勝の東芝対三洋電機では、廣瀬俊朗キャプテンがMVPを受賞する活躍でチームを2年ぶり4度目の優勝に導く。LOは大野均、渡邉泰憲のコンビ。FLスティーブン・ベイツ、CTB冨岡鉄平ら東芝の黄金時代を支えたメンバーが懐かしい。渡邉は2010年に事故でこの世を去った。歓喜の優勝のはずなのに、勝った東芝の選手に笑顔はなかった。プレーオフ直前に部員のドーピング禁止薬物の陽性反応が明らかになり、暫定的出場停止処分が下っていたからだ。その後の日本選手権は辞退する可能性が高く(その後、辞退)、選手はシーズン最後の試合と覚悟を決めて戦った。東芝ファンや選手には辛い歴史だが、苦境の中で全力を出し切る東芝の選手たちのプレーに胸を打たれる。

文:村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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