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ラグビー コラム 2020年4月2日

マイケル・ストーバーグ、サンウルブズで輝きを見せた「トンプソン ルーク2世」はラグビー日本代表の秘密兵器?

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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「トンプソン2世」が一気にスターダムにのし上がり、2023年のワールドカップの日本代表候補へと名乗りを上げた。

新型コロナウィルスの影響ために、第7節で一時中断しているスーパーラグビー。日本を本拠地とするヒトコム サンウルブズのメンバーの中で、開幕節を含めた週間「ベスト15」に3度選出され、第7節までの「ベスト15」に選ばれるなどMVP級の活躍を見せているのが、LO(ロック)マイケル・ストーバーグ(近鉄ライナーズ)だ。

今年のスーパーラグビーで「Bye Week」(休みの週)を除き、6試合で先発し、ほぼ出ずっぱりだったストーバーグは、チームの中で最も大きい身長204cmの上背を活かし、当然、ラインアウトキャッチは37回とチームトップを誇った。

セットプレーだけでなくストーバーグは接点で身体を張る、守備の人でもあった。74回(成功率86%)のタックル数はFWの選手の中だけでなく、全選手の中で一番多い数字だった。

また、ラインブレイクは3回、2トライを挙げるなどアタック面でも目立つ試合もあった。

3月27日に28歳になったばかりのLOストーバーグは実は苦労人である。オーストラリアのラグビー一家に育ち、ラグビーだけでなく、バレーボールや水泳など様々なスポーツでプレーしていた。

父もラグビーをしていたこともあり、U15クイーズランド代表、U20オーストラリア代表候補にも選出されたように、身長が大きくなるにつれて徐々にラグビー中心の生活を送っていく。

高校の頃はレッズのグラウンドキーパーでアルバイトをしており、芝生整備の資格も取得したという。

地元のレッズと契約にいたらなかったストーバーグは2014年からはITMカップ(現・Mitre10カップ)のノースランドで、スタップ兼務ながらニュージーランドでラグビーを続けた。

そして2016年、近鉄から誘われて日本でプレーすることを決める。と同時にオーストラリアのパースにあるカーティン大学に進学し、建築マネジメントを学ぶ学生にもなった。

「あと1年、修学期間が残っているので、空いている時間はほとんど勉強に費やしています」(ストーバーグ)。

近鉄では日本代表としてワールドカップに4度出場した同じポジションのトンプソン ルークに「アドバイスは受けています」と語るように、国際経験豊富なベテランと一緒にプレーしてLOとして大きく進化を遂げた。

今シーズンは近鉄ではゲームキャプテンを務めるなどトップチャレンジ優勝にも大きく貢献した。

母国やニュージーランドでスーパーラグビー選手としてプレーすることはかなわなかったが、今年はサンウルブズに誘われ、1月19日のトップチャレンジの最終戦が終わってすぐに合宿に合流した。

「大変だけど大きなチャンスです」と気合いを入れて1月25日のプレマッチにも出場し、コーチ陣の信頼を得た。そして、2月1日の開幕のレベルズ戦で念願のスーパーラグビーデビューを飾り、サンウルブズの中軸として大きな存在感を見せた。

「日本食は何でも好きです。特にとんかつが好きで週2回は食べています」というLOストーバーグは日本でプレーして5シーズン目となるため、3年居住の条件をクリアして日本代表になれる可能性は多いにあろう。

ただ、日本のシーズンが終わるとオーストラリアの大学に通っていたこともあり、代表資格の条件が厳格化している昨今、桜のジャージーに袖を通してプレーするのは今年ではなく、もう少し時間がかかってしまうかもしれない…。

それでもストーバーグは「将来的には日本代表になりたい」と意気込んでいる。

また、プレースタイルやポジションから「トンプソン2世」と呼ばれることに関しては「光栄です。一緒にプレーできて励みになりました。今は近鉄、サンウルブズと目の前のことをやるだけです」と語気を強めた。

日々の練習、毎試合に全力を注ぐ姿勢が、今シーズンの活躍につながったことは明白である。

この1年、日本でチャンスを得て成長したストーバーグが大きな進化を遂げたシーズンとなったことは間違いない。それは2023年に再びワールドカップで決勝トーナメントを狙う日本代表にとっても朗報となるはずだ。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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