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ラグビー コラム 2020年2月10日

チーフスが王者クルセイダーズを破り連勝 スーパーラグビー2020第2節を振り返る

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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スーパーラグビー2020第2節は、2月7日~9日、各地で7試合が行われ、昨年優勝のクルセイダーズ、準優勝のハグアレスが敗れるなど早くも混戦模様。この先、どんな展開が待っているのか、ますます楽しみになってきた。

注目の一戦となったチーフス対クルセイダーズは、8日、日本時間の午後3時5分からニュージーランド(NZ)北島ハミルトンのFMGスタジアム・ワイカトで行われ、ハイレベルの攻防で観客を楽しませた。序盤はクルセイダーズがペースを握った。前半4分、SOデイヴィッド・ハビリの正確なキックパスを受けたWTBセヴ・リースが、チーフスFBダミアン・マッケンジーのタックルを瞬時の加速でかわして先制トライをあげる。

Sevu-Reece-of-the-Crusaders

チーフスSOアーロン・クルーデンにPGを決められたものの、クルセイダーズが巧みなパスつなぎでディフェンスを崩し、前半14分、ハヴィリのロングパスから再びリースがトライし、12-3とリードする。ハヴィリは本来FBだが、この日、クルセイダーズでは初めてSOを務め及第点の活躍。しかし、徐々にチーフスが挽回。24分にWTBソロモン・アライマロがトライを返すと、後半開始早々にもSHテトイロア・タフリオランギが密集サイドをついてトライ。15-12と逆転する。流れをつかんだチーフスは、16分、交代出場のSHブラッド・ウェバーがしつこくショートサイドを攻め、WTBショーン・ワイヌイのトライを導き出した。その後の攻防では、FLラクラン・ボーシェーが再三のジャッカルでクルセイダーズのチャンスの芽を摘み、最終的には25-15で競り勝った。

Brad-Weber-of-the-Chiefs

今季初登場のダミアン・マッケンジーは抜群のスピード、バックフリップパス、そして、プレースキック時の「微笑み」で観客を沸かせた。日本のトップリーグ開幕節、第2節あたりでも、日本代表選手はじめ代表経験者が格違いのプレーを見せた。ラグビーワールドカップで知った選手が好プレーをすれば客席は盛り上がる。今後も彼らのプレーに注目したい。

アルゼンチンのハグアレスは、地元ブレノスアイレスでNZのハリケーンズと対戦。 ハグアレスは、スーパーラグビーの公式サイトで第1節の週間最優秀選手に選ばれたSOドミンゴ・ミオッティを軸に攻めた。素早く前に出てくるハリケーンズのディフェンスをかわしてタッチライン際で大きく前進し、何度もチャンスを作ると、前半22分、FLマルコス・クレメルのトライで10-3とリードを広げる。しかし、ハリケーンズはFBジョーディー・バレットのロングPGで差を詰め、後半22分で23-12と、11点差に食らいついた。

このあたりからハグアレスのディフェンスがやや緩くなり、30分、ハリケーンズは、TJ・ペレナラがハグアレスのゴールラインに迫ったPKから速攻を仕掛け、最後はPRアレックス・フィドウがトライ。23-19と4点差にすると、38分、交代出場のSHジェイミー・ブースのトライで逆転。23-26という劇的な勝利を飾った。ブースは昨年サンウルブズでプレーした選手だ。オールブラックスのSOボーデン・バレットがブルーズに移籍して戦力ダウンが懸念されるハリケーンズだが、弟のジョーディーが攻守に活躍し、ホームで圧倒的な強さを誇るハグアレスを打ち負かした。

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NZカンファレンスでは、チーフスが唯一の連勝。オーストラリアカンファレンスも、レベルズを39-26で破ったブランビーズが、1チームのみ連勝スタート。南アフリカカンファレンスは、シャークスとストーマーズが2勝している。日本のサンウルブズは、2月15日、秩父宮ラグビー場でチーフスと戦う。チーフスがどんなメンバーで来日するかは未知数だが、今季より指揮を執る名将ウォーレン・ガットランドは、入念な準備でやってくるだろう。サンウルブズがどんな挑戦を見せるのか、楽しみだ。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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