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ラグビー コラム 2020年1月30日

最後のシーズンに臨むサンウルブズ。 大学生3名がメンバー入りし、どん欲にトライを、勝利を狙う。

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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世界最高峰のエンターテインメント・ラグビーと称されるスーパーラグビーが、いよいよ開幕する。日本のヒト・コミュニケーションズ サンウルブズは参戦5年目のシーズン。今季限りで離脱が決まっているが、開幕戦の登録メンバーには3名の大学生が含まれており、日本ラグビーの未来を見据えた最後の挑戦になる。

スーパーラグビー2020は、1月31日に開幕。大会方式は、昨年同様、15チームが参加し、ニュージーランド(NZ)、オーストラリア、南アフリカの3つのカンファレンスに分かれて戦う。それぞれのカンファレンス内のチームとホーム&アウェーで8試合、他のカンファレンスの各4チームと8試合戦って、レギュラーシーズンは計16試合。そして、上位8チームによるプレーオフに進む。

シオサイア・フィフィタ

写真:先発に名を連ねた天理大学3年のWTBシオサイア・フィフィタ

例年、6月は各国代表戦月間(ウィンドウマンス)として休止していたが、今年から7月がウィンドウマンスになったため、休止期間なく開催される。順位争いは、日本のトップリーグと同じく勝ち点制(勝利4点、引き分け2点、負け0点。3トライ以上引き離しての勝利に1点、7点差以内の負けに1点のボーナス点)。プレーオフは、準々決勝(6月6日)、準決勝(6月13日)、決勝(6月20日)という日程だ。

今年最初の試合は、NZカンファレンスのブルーズ対チーフス。31日、15:05よりNZオークランドのイーデンパークにて行われる。ブルーズではWTBリーコ・イオアネ、チーフスではNO8サム・ケーンなどオールブラックスの選手たちも先発する。サンウルブズは、2月1日、12:45から福岡県のレベルファイブスタジアムで、オーストラリアのレベルズと対戦。日本国内でのスーパーラグビーが秩父宮ラグビー場以外で行われるのはこれが初めてだ。

今季のサンウルブズは、大久保直弥・新ヘッドコーチが率い、パナソニックワイルドナイツのCTB森谷圭介、スーパーラグビー92試合出場のNO8ジェイク・シャッツが共同キャプテンを務める。開幕戦のメンバーは、森谷ほか、パナソニックのLO谷田部洸太郎、FL布巻峻介が先発。近鉄ライナーズの身長204㎝のLOマイケル・ストーバーグ、天理大学3年のWTBシオサイア・フィフィタ、リザーブには、早稲田大学のSH齋藤直人、CTB中野将伍といった日本ラグビーの中で活躍する選手が名を連ねている。

大久保直弥ヘッドコーチは次のようにコメント。「今週、リザーブメンバーも含めて 7 人の選手がスーパーラグビーデビューを果たします。また、その中の3 名は大学生です。スーパーラグビーという高いレベルの舞台でも、積極性を忘れず、ひるむ事のないプレーを期待しています。今季初めての公式戦となりますが、KEEP HUNTING のスローガンどおり、貪欲にトライをとりに行く姿勢、タックルを受けてもすぐに起き上がってボールを取り返しにいく姿勢、皆が仕事を探し続けるチームの姿勢、そして勝負に勝つ事。それらをファンの皆さんの前で披露できることを楽しみにしています」

SH齋藤直人

写真:リザーブ入りした早稲田大学4年生のSH齋藤直人

レベルズは、オーストラリア代表37キャップのFBデイン・ハイレットペティをキャプテンに、PRジャーメイ・アインスリー、LOマット・フィリップ、NO8イシ・ナイサラニ、SOマット・トゥームア、CTBリース・ホッジ、WTBマリカ・コロインベテなどオーストラリア代表経験者が並ぶ。ナイサラニ、コロインベテの突破力、トゥームアの卓越した戦術眼と正確なスキルは要注意だ。レベルズはスクラム、ラインアウトのセットプレーを軸にしたプレースタイル。彼らの思い通りにならないように、サンウルブズはセットプレーを減らして動き回りたい。

サンウルブズでは、既述のメンバーに加え、プレシーズンマッチでスピードある走りを見せたPRジャレッド・アダムス、昨季は日本のNTTコミュニケーションズシャイニングアークスでプレーしたSOガース・エイプリル、イングランド18キャップのCTBベン・テオに注目したい。準備期間は約1カ月と短いが、日本代表との連動で多数の選手が入れ代わり立ち代わり参加した昨季に比べると、少ないスコッドで戦えるためチームの結束力は強くなるだろう。トップリーグと並行する日程の中で、サンウルブズの魅力をどうアピールするか。繰り返し見たいと思わせるような戦いを期待したい。

■試合登録メンバー (C)印はゲームキャプテン

1ジャレッド・アダムス、2ジャバ・ブレグバゼ、3コンラード・ファンフィーレン、4谷田部洸太郎、5マイケル・ストーバーク、6ブレンドン・オコナー、7布巻峻介、8ジェイク・シャッツ、9ルディー・ペイジ、10ガース・エイプリル、11タウタラタシ・タシ、12ベン・テオ、13c森谷圭介、14シオサイア・フィフィタ、15ジェームス・ダーガヴィル/16レニ・アピサイ、17クリス・イーヴズ、18ヘンカス・ファンヴィック、19ジャスティン・ダウニー、20ミッチ・ジェイコブソン、21齋藤直人、22中野将伍、23JJ・エンゲルブレヒト

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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