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ラグビー コラム 2019年10月27日

「神」を倒したイングランド。2連覇王者のオールブラックス敗れる。ラグビーワールドカップ日本大会・準決勝 イングランド vs. ニュージーランド レビュー

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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ジョージ・フォード

イングランドは前半20分過ぎ、強烈なボールキャリーを連発したFLアンダーヒルがインゴールへ飛び込んだが、ここはオブストラクションの反則でノートライ。

しかしイングランドの優勢は変わらず。前半38分にはエリア外側のブレイクダウンでもCTBトゥイランギがジャッカル成功。

獲得したペナルティで、SOフォードがPG(ペナルティゴール)成功し、10-0で前半を折り返した。

NZはサプライズ起用だったFLスコット・バリットに代わり、後半頭からフランカーのサム・ケインが投入され、その後勝負所でジャッカルも見せた。本職はロックである身長197cmのS・バリットのフランカー起用は、不発に終わったと見てよいだろう。

ハーフタイムに通り雨が降ったピッチで、NZは後半早々にペナルティを犯してしまう。

ここは相手のPG失敗で難を逃れたが、NZはこの日11回の反則(イングランドは6回)。後半10分にはハイタックルでPGによる3点を失い、その後23、29分と2つのPGを決められている。

前半の支配率で65%だったイングランドは後半も優勢だった。

ラインアウトモールからSH(スクラムハーフ)ベン・ヤングスが抜けだしインゴールに滑り込むが、ここはモール内でノックオンにより、この日2度目のノートライ判定。

すると後半17分、NZが初得点を挙げる。

イングランドvs.ニュージーランド

攻防戦で獅子奮迅の活躍を見せたFLアーディー・サヴェアが、相手ゴール前のラインアウトでオーバーしたボールを確保し、目前にあったインゴールに突っ込んだのだ。

オールブラックスらしい華麗なスキルの合わせ技ではなく、相手のミスを誘っての泥臭いトライ。しかしゴールも成功し、6点差(7-16)に詰めた。

しかし2本のPGで19-7と離されてしまい、残り時間はいよいよ10分に。

決死の攻撃を仕掛けるNZだが、途中出場のマーク・ウィルソンが値千金のジャッカル。イングランドはエリア外側のブレイクダウンで圧倒し、NZをさらに追い詰めた。

「少し優勢になったと思ったら、その度にブレークダウンやつまらないミスでペナルティーを取られてしまった」(NZ・SHスミス)

セットピースとブレイクダウン、キックゲームなどほとんどの局面で劣勢になり、最後まで「らしさ」が爆発しなかったオールブラックス。W杯で3大会ぶりに敗北を味わった。

敗軍の将となったハンセンHCは、しかし最後までオールブラックスらしい指揮官だった。

「全力を尽くしたが負けた。スポーツではそういうことが起こる。負けた時にも性格が出る。負けた時にも、同じ人間であり続けなければいけない」

今大会でNZ代表を引退するNO8キアラン・リード主将は「選手もすべて出そうと思ってここへ来た。ニュージーランドでやれてよかった」と感慨深げに語っていた。

キアラン・リード

3大会ぶりの決勝へ駒を進めるイングランドのジョーンズHC。勝因のひとつとして準備期間を挙げた。

「2年半準備する時間があった。彼らは1週間だった。我々は無意識にこの試合に向けて準備していた」

「習慣を選手に根付かせれば維持するのは簡単になり、今夜は選手のその素晴らしい習慣を目にした」

日本で「エディーさん」と親しまれる名将はそう言って、チームに根付かせた習慣の力を誇っていた。

文:多羅 正崇

【ハイライト】ラグビーワールドカップ2019 準決勝 イングランド vs. ニュージーランド

© Rugby World Cup Limited 2019

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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