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後半最初からSOセクストンは下がり、日本戦で先発したジャック・カーティーが投入される。
ただロシアは後半、途中出場のスクラムの猛者、ヴァレリー・モロゾフの奮闘もあってスクラムで対抗。同7分のスクラムでは初めてPKを奪うなどし、アイルランドのゲームプランを崩していく。
ところがロシアは後半10分、途中出場のアンドレ・オストリコフが危険なクリーンアウトにより、今日2人目の一時退場者に。
しかしアイルランドはFWで圧倒できない。ロシアは懸命なディフェンス、FLカジエフのジャッカルなどで徹底抗戦した。
「アイルランドの攻撃に備えて調整し、多くの点でうまくいったが、相手は我々の後ろにボールをキックして陣地を稼いだ。(中略)ラグビーをよく分かってないサポーターに言いたいが、これは我々にとってすごいことだ」(ロシア・ジョーンズHC)
アイルランドの突破口は後半21分、10番からの防御裏のショートキックだった。
セクストンに代わり途中出場のカーティが防御裏へショートキック。これを捕球し、最後はWTBアンドリュー・コンウェイが独走トライを決めた。
ようやく待望の4トライ目を奪うと、後半36分には途中出場のジョーダン・ラーマーが防御網を裂き、ラストパスを受けたCTBギャリー・リングローズが5トライ目を決めた。
ファイナルスコアは35-0。
ロシアは後半からスクラムで奮闘し、アタックでは終始ハイパントに勝機を見出そうとしたが、ボールの再獲得率は高くなく、スコアの土台にすることができなかった。
完封勝利を挙げたものの、後半20分間で無得点に抑えられるなど、圧勝とはならなかったアイルランド。
しかし指揮官のシュミットHCは「勝つこと、いいパフォーマンスをすることで自信が持てる。厳しいコンディションの中、試合をしっかりコントロールしてくれた」と選手を讃えた。
また、前半で抜群の存在感を示したSOセクストンは、「先週(の日本戦の負け)から立ち直り、狙い通りボーナスポイントも奪った。組織がしっかりした相手をゼロに抑えられてうれしい」と勝利を振り返った。
一方、大会初勝利を逃したロシアのリン・ジョーンズHCは、優勝候補に最後まで対抗したメンバーを誇った。
「我々のプレーには間違いなく喜んでいる。アイルランドの(ボーナスポイントを得られる)4トライを阻止するつもりで来た。選手たちは全力を出してくれたし、組織立ったプレーをして戦術も良かったが、残念ながら1点も取れなかった」
2勝目を挙げたアイルランドは勝点11として、プールAの首位に。苦しみながらも“ジャパン・ショック”から立ち上がり、プール戦突破へひとつ前進した。
文:多羅正崇
【ハイライト】アイルランド vs. ロシア ラグビーワールドカップ2019 プールA
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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