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アフリカ大陸の臨港同士が激突 優勝候補・南アに世界ランク23位のナミビアが挑む ラグビーワールドカップ2019 南アフリカ vs. ナミビア
村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一9月28日、プールBの4試合目が愛知県の豊田スタジアムで行われる。対戦するのはアフリカ大陸南端の隣国同士、南アフリカとナミビアである。優勝候補の一角である南アフリカは、9月21日の初戦でニュージーランドに13-23で敗れた。ラインアウトは100%キープしたのをはじめ、セットプレーは安定していたが、タックル成功率は76%と低かった。今回は相手が世界ランキング23位のナミビアだということもあって、ニュージーランド戦から先発で13名の変更があり、主力選手の多くが休みとなる。コンディションを整え、中5日での戦いとなる10月5日のイタリア戦に備えるためだろう。
2試合連続の先発となるのは、WTBマカゾレ・マピンピ(184㎝、90㎏、29歳)、CTBルカンヨ・アム(186㎝、93㎏、25歳)。持ち前の突破力でチャンスを作り、攻撃の核となるだろう。ゲームを操るハーフ団は新鋭SHハーシェル・ヤンキース(167㎝、78㎏、23歳)、日本のNTTコミュニケションズでプレーしたSOエルトン・ヤンキース(176㎝、88㎏、29歳)のコンビ。南アフリカの中では小柄な2人がスピーディーにディフェンスを翻弄する。南アフリカはエルトン・ヤンキース以外にも、日本でのプレー経験のある選手が多い。大型LOのRG・スネイマン(206㎝、117㎏、24歳、HondaHEAT)、バックス並みのスピードを誇る小さなFLクワッガ・スミス(180㎝、80㎏、26歳、ヤマハ発動機ジュビロ)、CTBフランソワ・ステイン(191㎝、110㎏、32歳、東芝ブレイブルーパス)などだ。
NO8を務めるスカルク・ブリッツ(182㎝、100㎏、3歳)は、本来はHOの選手で活力あふれる突進、スキルフルなプレーで観客席を沸かせてきた。2009年からはイングランドのサラセンズでプレーし、2018年に引退するはずだったが、南アフリカ代表のラッシー・エラスマスヘッドコーチと話し合い、ラグビーワールドカップ(RWC)日本大会を目指すことになった。クワッガ・スミス、ブリッツという小さなFW第三列が快足を飛ばして大幅ゲインする姿が見られそうだ。
対するナミビアは、アフリカ予選を圧倒的な強さで勝ち抜いた。今大会初戦でイタリアに22-47で敗れたが、NO8ヤンコ・フェンター(194㎝、110㎏、25歳)、SHダミアン・スティーブンス(164㎝、72㎏、24歳)を軸に粘り強く戦った。南アフリカとの実力差は明らかだが、中5日ということもあり、先発で10名の変更がある。南アフリカにどこまで食い下がれるのか。僅差勝負に持ち込み、俊足WTBチャド・プラト(178㎝、74㎏、21歳)を走らせたい。
ナミビアはCTBヨハン・デイゼルキャプテンを怪我で欠いており、チエイ・ウアニヴィ(200㎝、114㎏、28歳)がキャプテンを代行している。イタリア戦後、ウアニヴィは次のようにコメントしている。「ターンオーバーをされすぎた。イタリアがそれをうまく利用してカウンター攻撃をしてきた。イタリアに脱帽だが、我々も後半は素晴らしい動きだった」。次の南アフリカ戦に向けてはこう話した。「それはシンプルだ。もっとボールをキープして安易なターンオーバーをしないこと」。ナミビアはRWCでまだ勝ったことがない。今大会はまず一勝が目標になる。南アフリカとの戦いでレベルアップし、続く、ニュージーランド、カナダに挑みたい。ナミビアの一つのタックル、一つのトライが彼らの歴史的勝利につながる大切な戦いになる。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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