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写真:ここからは一戦も落とせない戦いが続く
ここまでの戦いを振り返って、今年の慶大が持つ強み、抱える課題が見えてきた。
まず、「Unity」をスローガンに掲げ、全員で戦うラグビーを持ち味としている通り、スタメンを張る選手とベンチに控える選手たちの戦力差が、大きく開いていないことは強みと呼べるだろう。
勝利した2試合はいずれもベンチ入り選手を全て動員している。慶大はベンチ入り選手を、試合終盤にチームを勢いづける選手として「ブースター」と呼んでいるが、途中出場した選手たちはまさにチームを「ブースト」する役割を果たしている。
成蹊大戦では後半の方が多く得点を重ねており、栗原HCも、選手を多く入れ替えたことがその理由だと述べている。
対抗戦3試合を終え、試合に先発出場する選手は固まってきたように見えるが、ベンチも含めた全員での戦いが今年の慶大の持ち味だ。使える選手が多いことは、試合をする上での選択肢が多いことを意味する。
対抗戦後半、そして大学選手権で相見える個性豊かな、高い実力を誇るライバル校を相手にこの強みが効果を発揮してくるだろう。
だが、多くの選手が出場するということは、緻密な連携が必要となってくることは間違いない。大学選手権に向け、負けられない戦いが続く中、ひとつの細かいミスが命取りとなることがある。
青学大戦では早々に先制のPGを献上してしまい、筑波大戦では敵陣ゴール前までボールを運んでも取りきれない場面が続いた。小さなミスから好機を生かしきれず、相手に得点を与えてしまうことは防ぎたい。
無失点で勝利した成蹊大戦でも、自らのペナルティや、ディフェンスの間を突かれ自陣に切り込まれることがあった。アタック、ディフェンス双方において連携を高め、数字に出ないミスまで徹底して、なくしていくことが求められる。
関東大学対抗戦Aグループに所属する8チームのうち、大学選手権に進めるのは上位4チームだ。現在4位につける慶大はまさに背水の陣。
だが、強豪校との対戦を控え、まだ対抗戦優勝の可能性も消えたわけではない。創部120周年となるメモリアルイヤー、日本一を目指す慶大の戦いはまだまだ終わらない。
文/写真:竹内大志
慶應スポーツ新聞会
慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト
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