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ラグビー コラム 2019年7月29日

南アフリカのワンダーボーイ、SHヤンチースが劇的トライ!ザ・ラグビーチャンピオンシップ2019

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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ハーシェル・ヤンチース

1921年の初対戦以来、約100年にわたる戦史で、過去3度しかなかった劇的決着を迎えた。

南半球4か国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ(TRC)2019」の第2節、ニュージーランド代表×南アフリカ代表が7月27日(土)、ニュージーランド(NZ)のウェストパック・スタジアム(ウェリントン)で行われた。

今秋のワールドカップ日本大会で共にプールBに入っている両軍は、今回が98度目の対戦。

世界的にも注目を集めるワールドカップ前哨戦で、両軍は先週の開幕節から先発12人を変えてきた。

南アフリカの先発15人は、1軍の陣容。

FLシヤ・コリシ主将を怪我で欠くが、HOマルコム・マークス、SOハンドレ・ポラードら現状の主力が並んだ。

一方のオールブラックスは、司令塔にSO2番手のリッチー・モウンガ、フルバックにSO1番手のボーデン・バリットを配置する布陣だった。

2018年大会では南アフリカが第4節、敵地で2点差勝利(36-34)。すると今度はニュージーランドが第6節、こちらも敵地で2点差の勝利(32-30)。

まさに実力拮抗のライバルは、序盤からロースコアの熱闘を繰り広げた。

司令塔を任されたNZ代表のSOモウンガは、序盤では安定性に欠いた。

南アフリカは積極的にSOモウンガにプレッシャーをかけ、序盤だけでキックを2度チャージダウン。安定性に寄与できなかった。

一方でNZのFBバリットはキックゲーム、ハイボール処理で高精度。

しかしNZは序盤に自陣で反則、敵陣ではハンドリングエラーを重ね、南アフリカはSOハンドレ・ポラードによる前半3、10分にPG(ペナルティゴール)で6点を奪った。

しかし両軍通じて最初のトライはNZだった。

前半36分、南アフリカは敵陣でのアタックでボールロスト。ターンオーバーが起こり、直後にNZが右展開。

ロングパスを受けたFBバリットが快足を飛ばして右スミを突破し、フォローしていたCTBグッドヒューが右中間にトライ。

序盤からミスが続いて不調だったが、ターンオーバーから一気に獲り切ったNZ。FBバリットのゴールも成功し、7-6と逆転に成功した。

NZの1点リード(7-6)で迎えた後半。

南アフリカは鉄壁とも言える堅守を見せ、NZの猛攻を止め続けた。

しかし試合巧者のNZは後半9分、FBバリットがPGを成功(10-6)。

ただFBバリットは後半13分、相手のスクラム・コラプシングによるPGが不成功。この日はキックが不調で、終盤はSOモウンガがキッカーとなった。

後半20分を過ぎてもDFスピードが落ちない南アフリカ。後半21分にはSOポラードのゴール成功で1点差(10-9)に詰めた。

しかし南アフリカに反則が増え始め、NZのSOモウンガが後半27分、35分にPGを連続成功。

NZのリードは7点差(16-9)。1トライ1ゴールで同点という状況に。

逆転の契機は後半37分のスクラム。南アフリカはマイボールスクラムを押しきってPK獲得し、敵陣へ侵入した。

右10mラインアウトのチャンスを得ると、南アフリカが敵陣で連続攻撃。先週代表デビューしたばかりのSHヤンチースが配球しながら、アタックを続ける。

順目に攻撃を続けると、右スミでボールをもらったWTBコルビがショートパント。

追いかけた途中出場のSHヤンチースが、こちらも途中出場のアーロン・スミスとハイボールを競り合い、ファンブルしたボールを保持したのはSHヤンチース。歓喜のジャンピングトライで雄叫びを上げた。

ビデオ判定の結果トライが認められて2点差に(14-16)。先週のデビュー戦でいきなり2トライを記録した23歳のワンダーボーイが、ふたたび大舞台で結果を残した。

残り時間数秒で、コンバージョンキックを蹴り込むのはSOポラード。右中間22m付近の難易度の高い角度だ。

しかしSOポラードが冷静にHポールにキックを通し、劇的な同点決着。

過去98試合目でわずか3度目しかなかった同点決着。南アフリカは第2節を終え、勝ち点7で首位に立った。

一方のNZは2位(勝ち点6)となり、TRCの優勝争いは混沌としてきた。

今回は同点だったが、はたして次回は。熱いライバル対決は、ワールドカップのプールステージで実現する99度目の対戦に持ち越されることになった。

ザ・ラグビーチャンピオンシップ2019

【ハイライト】ニュージーランド vs. 南アフリカ

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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