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先制トライは電撃的なノーホイッスルトライ。
キックオフボールを捕球したライオンズのWTBアピウ・ディアンティが、華麗なステップでいきなり防御裏へ。
フォローしていたNO8ハチヴァ・ダイマニが右中間におさえ、なんと必勝を期するライオンズが開始15秒で先制トライ(ゴール)を奪った。
ところが3分後、敵陣でPK(ペナルティキック)をもらったブルズが速攻。この日ジャッカルも効果的だったFLハンロ・リーベンバーグがラック際を制し、あっけなくスコアを振り出しに戻した(7-7)。
さらにライオンズがPGで3点を加えた前半11分、ブルズはラインアウトから、得意のモールをエリア中央付近で形成。そのままなだれ込む奇襲が炸裂し、逆転トライを決めた。14-10
前半のブルズは、さらに2トライとPGを追加。しかしライオンズも敵陣でのPKで、CTBエルトン・ヤンチースがショットを2度成功。ビハインドを12点(19-31)に詰め、後半へ向かった。
後半もCTBヤンチースのPG成功(後半3分)で差を詰めると、同7分にRGスナイマンが、ノーバインドのタックルでシンビン(10分間の一時退場)に。
相手が14人になり好機のライオンズは、後半16分にラインアウトモールで確実にトライ(ゴール失敗)。
ついに4点差(27-31)となり、たとえばこのまま終了しても、7点差以内の敗戦によるボーナスポイントでPO進出。
しかし──。
ブルズは南アフリカの同胞であっても、当然ながら手を抜くことはなかった。
後半20分、心臓の病から選手復帰したWTBコーナル・ヘンドリックスがオーバーラップを仕留め、同25分にはSOハンドレ・ポラードがスコア。
後半30分にはそのSOポラードからのラストパスを途中出場のマニー・リボックが押さえ、2019年レギュラーシーズンの最後のトライを飾った。
27-48で敗れたライオンズ。
総合9位でPO進出の権利を失い、暫定総合8位だったハイランダーズのPO進出が決定。悲願の初優勝は持ち越しとなった。
6月21日(金)に始まるプレーオフ準々決勝のカードは以下の通りだ。
果たしてワールドカップイヤーのSR王者は──。世界最高レベルの頂上決戦から目が離せない。
準々決勝(QF)カード
・クルセイダーズ(NZ/シード1)×ハイランダーズ(NZ/シード8)
・ハリケーンズ(NZ/シード4)×ブルズ(SA/シード5)
・ジャガーズ(ARG/シード2)×(チーフス(NZ/シード7)
・ブランビーズ(AUS/シード3)×シャークス(SA/シード6)
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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