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ラグビー コラム 2019年3月1日

強豪チーフスの大黒柱、世界の「リアル・ロック」。サイズを感じさせない器用なプレーにも注目 ウィークエンドピックアッププレイヤー

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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スーパーラグビー2019は、3月1日より第3節が始まる。サンウルブズは、3月2日、日本時間の午後3時35分からニュージーランド北島ハミルトンでチーフスと戦う(J SPORTS 1で生中継)。サンウルブズのメンバーは、ここまで2戦でパフォーマンスの良かった選手が軸になっている。前節のワラターズ戦で左足を脱臼骨折して退場したPRクレイグ・ミラーに代わっては、前節、途中出場でパワフルなプレーを披露したパウリアシ・マヌが入る。同じく負傷退場のFLエドワード・カークは右膝の靭帯を損傷して戦線離脱。代わって、今季初登場となる松橋周平が先発する。そして、キャプテンは、ミラーと共に共同キャプテンとしてチームを引っ張るCTBマイケル・リトルだ。

対するチーフスは、オールブラックスのメンバーを多数含む強豪だが、今季は連敗スタート。プレースキック時の微笑みが印象的で、日本にもファンの多いダミアン・マッケンジーがSOで試合をコントロールする。ディフェンスを切り裂くスピーディーなパス、瞬時にタックラーを置き去りにするステップワーク、長距離を一気に駆け抜けるスピードは、どれをとっても一級品。175cm、81kgという小さな体で躍動する彼のプレーは必見だろう。

ブロディー・レタリック

ブロディー・レタリックは身長204cm、体重121kgという大きなサイズで運動量豊富に動き回る

しかし、チーフスの大黒柱と言えば、LOブロディー・レタリックだ。強いチームには必ず頼りになるロック(LO)が存在する。スクラムのFW第一列を二列目から力強くプッシュし、高い身長を生かして空中戦を制し、ボールを持てば激しく前に出てディフェンスを集め、他の選手が走るスペースを作る。そんなLOとしての役割を高いレベルでこなすのがレタリックだ。身長204cm、体重121kgという大きなサイズで、運動量豊富に動き回る。

ラグビーワールドカップ(RWC)を控え、ニュージーランドカンファレンスのチームは、オールブラックスの選手達の出場時間を制限している。RWCのオールブラックス候補選手は開幕3試合での出場時間が計180分までとされているのだ。そのため、サンウルブズとの試合も、PRネポ・ラウララ、CTBアントン・レイナートブラウンらは欠場。レタリックも前半途中で交代予定だ。レタリックは2011年にU20 NZ代表で世界大会に出た翌年(2012年)には、チーフスの一員としてスーパーラグビーで初めてプレー、同年6月には21歳でオールブラックスデビューを果たしている。まさにNZラグビー界待望の大型LOだったわけだ。

2014年には、ワールドラグビーの年間最優秀選手賞を最年少で受賞。RWC2015ではオールブラックス優勝の原動力となった。まだ27歳で73キャップを獲得しており、今年のRWCでも中心選手になることは間違いない。これぞ世界の「リアル・ロック」、サイズを感じさせない器用なプレーにも注目したい。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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