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1月2日、東京・秩父宮ラグビー場で、ラグビー大学選手権の準決勝2試合が行われる。
関西王者・天理大学は、10連覇を目指す帝京大学(対抗戦優勝)にチャレンジする。
過去の大学選手権では11年度の決勝で対戦し、12-15。16年度は準々決勝でぶつかり24-42で敗れている。
夏の練習試合でも12-14で惜敗しており、初の大学王者を狙う天理大にとって、帝京大は超えなければいけない大きな壁となっている。
「一手一つ」をスローガンに掲げている天理は準々決勝、難敵・大東文化大学(関東リーグ戦2位)を自分たちの形で打ち破ったと言えよう。
昨年度は、関西Aリーグから1ヶ月ほど試合がなかったことも影響し、東海大学(関東リーグ戦2位)に敗れたが、今年はその反省を活かして、しっかりと調整して白星を奪取した。
まず、天理大は試合の入りが良かった。前半5分、得意のモールを起点にLO(ロック)アシペリ・モアラ(1年)が飛び込んだ。
さらに8分、ケガから復帰したエースWTB(ウィング)久保直人(4年)がトライを挙げて、12-0とリードした。
相手にトライを与える場面もあったが、前半30分にはCTB(センター)シオサイア・フィフィタ(2年)がトライを挙げて、22-7とリードして前半を折り返した。
後半、相手BK(バックス)に2トライを許し、22-17と4点差に追い上げられるものの、武器とするスクラムで相手にプレッシャーをかけて再び主導権を握る。
途中出場のSO(スタンドオフ)林田拓朗(3年)がPG(ペナルティゴール)を決めて、さらに試合終了間際、再びモールを起点にNO8(ナンバーエイト)ファウルア・マキシ(4年)がインゴールを陥れて、30-17で大東文化大を下して準決勝に進出した。
FW(フォワード)の平均体重で約10kg下回っていたものの、モールで2トライを挙げ、さらに大東文化大も武器としていたスクラムで対等以上に組めたことは大きな自信につながったはずだ。
「セットプレー、スクラムのところで真っ向勝負できたところがよかった。昨年は準々決勝で負けていたので、その悔しさがあったので突破できてうれしい」(島根一磨キャプテン/4年)。
準決勝は相手が帝京大だろうが、天理大がやることは変わらない。関西Aリーグや準々決勝同様、ディフェンスや接点でのリアクションで上回り、さらにスクラムでプレッシャーをかけてペースを握りたい。
そして、LOモアラ、NO8マキシ、CTBフィフィタの突破力を活かしてトライを重ねたい。
ゲームをコントロールするハーフ団は、昨年からコンビを組んでいた2年生のSH(スクラムハーフ)藤原忍と、SO(スタンドオフ)松永拓朗の2人だ。
ただ、SO松永は準々決勝で足を負傷しており、ケガの回復具合にもよるが、FB(フルバック)立見聡明(3年)がSOに回るのか、準々決勝でも出場したSO林田が先発することもあろう。
FWはキャプテンHO(フッカー)島根がリードし、PR(プロップ)加藤滉紫(4年)、小鍛治悠太(2年)らがスクラムを支える。LOは由良祥一(4年)、FL(フランカー)岡山仙治(3年)、佐藤慶(2年)の3人はハードワーカーで運動量は豊富だ。
中盤ではハードタックラーのCTB池永玄太郎(4年)がおり、バックスリーにもWTB久保だけでなく、WTB中野豪(4年)、野田涼太(2年)、FB立見らスピードのあるランナーが並ぶ。
1995年から天理を指導し続けている小松節夫監督は「関西から30年以上出ていない日本一」を目標に、チームの強化を少しずつ進めてきた。
小松監督は「帝京大にチャレンジできることが決まったのでしっかり挑みたい」と言えば、HO島根主将は「一昨年度は帝京大に負けているので、その悔しさを返すためにしっかり準備して頑張っていきたい」と意気込んだ。
悲願の大学日本一になるために、関西王者の「黒衣軍団」が最大の難関を越えることができるだろうか。
◆ラグビー大学選手権 準決勝
・1月2日(水)午後6:30 帝京大学 vs. 天理大学
※J SPORTS 1で放送、J SPORTSオンデマンドでL配信
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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