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ラグビー コラム 2018年8月28日

好スタートを切るのはどのチームなのか。8月31日開幕!トップリーグ 第1節の見どころ

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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16回目のジャパンラグビー トップリーグが、今週末開幕する。今シーズンはリーグ戦とカップ戦が行われるが、カップ戦は日本代表活動期間にも行われるため、各チームがベストメンバーを組めるのはリーグ戦だ。まずは、レッドとホワイトのカンファレンスに分かれた8チームでの総当たり戦が10月まで行われ、12月の順位決定トーナメントに進む。トーナメントは、カンファレンス内での4位以上と4位以下に分かれる。カンファレンス内の8チーム中、4位以上にならなくては優勝争いには加われないということだ。

サントリーサンゴリアス

16回目のトップリーグが8月31日に開幕!サントリーが三連覇に挑む

実質3カ月の短期決戦では各チームが開幕ダッシュを狙ってチームを仕上げてくる。開幕節から目の離せない試合が続くわけだ。8月31日(金)、9月1日(土)に行われる8試合も、いずれ劣らぬ注目カードが並ぶ。王者サントリーサンゴリアスのいるレッドカンファレンス(RC)は、トヨタ自動車ヴェルブリッツ、神戸製鋼コベルコスティーラーズが首位を争いそうだ。これをNECグリーンロケッツ、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスが追う。昨季は下位に沈んだ豊田自動織機シャントルズ、宗像サニックスブルース、そして初昇格の日野自動車が番狂わせを起こせば順位争いは混とんとする。

昨季準優勝のパナソニック ワイルドナイツ、3位のヤマハ発動機ジュビロが引っ張るレッドカンファレンス(RC)は、復活を期す東芝ブレイブルーパス、昨季は上位陣を苦しめたリコーブラックラムズが追い、ここにキヤノンイーグルス、クボタスピアーズが割って入れるのかどうか。昨季14位のコカ・コーラレッドスパークス、再昇格のHondaHEATが勝ち星をいくつ積み上げるのか、こちらも4位以内をめぐる戦いはし烈だ。

8月31日の4試合はすべて19:30キックオフで行われる。秩父宮ラグビー場のキヤノン対東芝は、上位を脅かす存在としての力を証明する戦いだ。キヤノンは、元南アフリカ代表監督のアリスター・クッツェーヘッドコーチが今季より指揮を執る。日本代表HO庭井祐輔、LOアニセ・サムエラ、SO田村優、サンウルブズのFLエドワード・カークなどタレントは豊富。東芝は元オールブラックスのCTBリチャード・カフイがキャプテンを務め、日本代表キャプテンのリーチ マイケルがサポート。フィジカル面を押し出すスタンディングラグビーの原点に返って優勝を目指す。好試合になるだろう。

町田市では日野と宗像サニックスが対戦。日野は初昇格ながら、村田毅キャプテン(元NEC)はじめ、佐々木隆道(元サントリー)、木津武士(元神戸製鋼)ら経験豊富な選手が移籍している。トップリーグでの実力は未知数だが面白い存在。宗像サニックスも神戸製鋼からCTB南橋直哉、東芝からLOジェームズ・ムーアが移籍し、サンウルブズの万能BKジェイソン・エメリーも加入。もちまえのランニングラグビーのなかで彼らがどう機能するか、楽しみな一戦だ。

堀江翔太

昨シーズン準優勝のパナソニックは堀江翔太をはじめ日本代表選手も多く充実の戦力を誇る

大阪金鳥スタジアムでのパナソニック対クボタは、稲垣啓太、堀江翔太、田中史朗ら日本代表、サンウルブズの選手が揃うパナソニックがどんなメンバーで臨むのか、その編成から注目だ。チャレンジャーのクボタも日本代表CTB立川理道が率い、サンウルブズで活躍したFLピーター・ラピース・ラブスカフニに、今季より南アフリカ代表NO8ドウェイン・フェルミューレンが加入。切り返しの上手いパナソニックに対してミスなく攻め切れるかどうか。

ダン・カーター

今シーズンの最注目はやはり神戸製鋼に加入した元オールブラックスのスーパースター、ダン・カーター

神戸では神戸製鋼がNTTコミュニケーションズを迎え撃つ。元オールブラックスのスーパースターであるダン・カーターの加入が話題の神戸製鋼だが、サンウルブズのLOグラント・ハッティング、SOヘイデン・パーカー、WTB児玉健太郎(元パナソニック)ら即戦力の新戦力が多く、一気にチーム力を上げる可能性がある。NTTコムも金正奎キャプテン、サンウルブズのヴィリー・ブリッツなどアグレッシブにボールを運ぶ選手がおり、スペースにボールを運ぶ攻撃はレベルが高い。ハイレベルのアタック合戦になりそうだ。

9月1日の豊田スタジアムは大観衆を集めるだろう。第一試合はヤマハ発動機対コカ・コーラ。セットプレーからの攻撃を得意とするヤマハ発動機が、オーストラリアから身長208cmのリッチー・アーノルドを迎えたのは戦力アップにつながりそう。抜群のスピードを誇る南アフリカ代表FLクワッガ・スミスの獲得も決定力を高めるだろう。対するコカ・コーラは、日本代表のCTBコンビ、ラファエレ ティモシー、ウィリアム・トゥポウが軸。ただ、この試合に関してはスクラム、ラインアウトでいかに対抗できるかが勝利のカギだ。

姫野和樹

トヨタ自動車はサンウルブズ、代表でさらに成長した姫野和樹がフィジカルラグビーの先頭に立つ

第二試合のトヨタ自動車対サントリーは開幕節最大の注目カード。三連覇を狙うサントリーにとっては、いきなりアウェイで戦う試練が訪れたが、春からハードなトレーニングで昨季以上に運動量を高めている。SOマット・ギタウ、WTB松島幸太朗といったスペシャルな能力を持つ選手に加え、PR堀越康介、CTB梶村祐介といったルーキーがどう絡むか。トヨタ自動車は、2年目の姫野和樹キャプテンが、日本代表、サンウルブズでさらに成長し、チームの伝統であるフィジカルラグビーの先頭に立つ。203cmのLOジェイソン・ジェンキンス、201cmのLOカール・ウェグナーなど超大型FWが編成されそうで、凄まじい肉弾戦が繰り広げられそうだ。

秩父宮ラグビー場では、NEC対豊田自動織機、リコー対Hondaの2試合が行われる。NECは、CTB森田洋介、FL亀井亮依が共同キャプテンを務める。身長200cmのLOサム・ジェフリーズなど期待の新戦力もおり、目標のベスト4に向かって大切な開幕戦だ。豊田自動織機は元オーストラリア代表SOクリスチャン・リアリーファノを獲得、アタッキングラグビーを進化させたい。第二試合に登場するリコーの濱野大輔キャプテンは、「トップリーグチャンピオンが目標」と言い切る。日本代表復帰を目指すNO8松橋周平がバイスキャプを務め、チームの結束力も固い。オールブラックスで3キャップのFLエリオット・ディクソンの激しいタックルも見ものだ。初優勝を伺う実力を開幕戦で証明したい。トップリーグに戻ってきたHondaは、昨季のトップチャレンジでは圧倒的な強さを見せた。WTBレメキ ロマノ ラヴァの決定力は日本代表、サンウルブズでも証明済みだが、この試合に勝つためにはFW戦で互角以上に戦い、粘り強いディフェンスが必要だろう。

好スタートを切るのはどのチームなのか。どの試合を最初に見るか、頭を悩ませる週末になる。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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