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ラグビー コラム 2018年4月13日

「友人との試合は楽しみ」と語る週間ベスト15選手と、屈指の決定力を誇り日本との深いつながりがある選手に注目 ウィークエンドピックアッププレイヤー

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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前節のワラターズ戦では、29-50で完敗したサンウルブズだが、スーパーラグビーの公式サイトの第8節のチーム・オブ・ザ・ウィーク(週間ベスト15)に、NO8姫野和樹、CTBマイケル・リトルが選ばれた。姫野は第2節のブランビーズ戦以来2度目の選出で、後半27分までの出場ながら、11回ボールを持って突進し、57m前進。3人のディフェンダーを突破し、3度クリーンにディフェンスラインを突破し、1トライ。ディフェンス面でも9回のタックルをノーミスで決めている。一方のリトルは自陣から抜け出してサム・ワイクスのトライを演出したロングゲインも含む132mの前進。2度トライをアシストし、自らも1トライをあげている。

マイケル・リトル

週間ベスト15を受賞しブルーズ戦でも期待が高まるサンウルブズのマイケル・リトル

今週末の注目選手はマイケル・リトル(183cm、93kg、25歳)としたい。リトルは、ニュージーランド代表オールブラックスのCTBウォルター・リトルを父に持つ。ウォルターは、オールブラックスで1989年~98年に50テストマッチに出場し、フランク・バンスとの名CTBコンビで知られた。三洋電機(現パナソニック)ワイルドナイツでのプレー経験があり、そのとき、息子マイケルもチームの本拠地である群馬県の大泉町立西小学校に2年間通った。

マイケルはイタリア生まれのニュージーランド育ち。フィジアンの血も流れており、U20フィジー代表でもプレーした。父と同じグレンフィールドクラブでプレーし、ノースハーバー州代表には選ばれたが、その上のブルーズ(スーパーラグビー)でプレーすることはできなかった。2017年より三菱重工相模原ダイナボアーズ入りして、2018年サンウルブズへ。将来は「日本代表に呼ばれたら、ノーとは言いません」と、複数の選択肢の中から日本代表でのプレーを目指す。

ワラターズ戦の活躍は誰もが称賛するものだが、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチからは、2回のタックルミスを注意された。今回は顔見知りの多いブルーズとの対戦に腕を撫す。「友人との試合は楽しみ。自分としては毎試合、100%のプレーを目指すのみです」。サンウルブズでのプレーについては「世界中の文化が混ざり合っているのが良いところ。一人一人から新しいものを習うことができる。そんな文化の交流を楽しんでいます」と語る。特別に体が大きいわけでも、卓越したスピードを持っているわけではないが、だからこそのハードワークに注目である。

リーコ・イオアネ

名前の由来は父親がお世話になった日本人の子供からというブルーズのリーコ・イオアネ

ブルーズは、スーパーラグビー50試合目となるLOパトリック・トゥイプロトゥ(198cm、120kg)ほかタレント揃いだが、最も気を付けなければいけないのは、CTBリーコ・イオアネ(188cm、103kg、21歳)だろう。2015年、17歳でオークランド州代表、オールブラックス・セブンズでデビューし、2016年にはオールブラックスでもデビュー。2017年はワールドラグビー・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーにノミネートされ、受賞はならなかったが、ブレイクスルー・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー(最優秀新人賞)に輝いている。CTB、WTBの両方でレベル高くプレーし、ラグビー王国の中でも屈指の決定力を誇る。今季は兄のアキラ・イオアネの活躍が際立つが、スピードとパワーを兼ね備えたリーコを走らせるとブルーズは勢いに乗る。ここまで6試合でのゲインメーターは308m、17回タックルを振り切り、タックルされながらのオフロードパスも10回決めている。

「リーコ」という名前には日本との深いつながりがある。父親のエディー・イオアネは、日本のリコーでプレーしていたのだが、当時のリコーを率いていた水谷真監督(現・関東ラグビーフットボール協会会長)にお世話になったという思いから、水谷氏の長男、長女の名を息子たちにつけた。アキラとレイコである。しかし、レイコは女性の名前なので、リコーもイメージさせるリーコに落ち着いたらしい。エディーの純朴な人柄が伝わるエピソードだ。その息子たちがニュージーランドを代表する選手に成長したというのは、日本のラグビーファンにとっても嬉しい話だろう。

サンウルブズの初勝利も見たいが、リーコの力強いランも見てみたい。観客を楽しませる「スーパー」な試合を期待したい。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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