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ラグビー コラム 2018年4月10日

粘り強く声援を送るファンの皆さんを喜ばせてもらいたい ヒトコム サンウルブズ対ブルーズ プレビュー

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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ヒトコム サンウルブズ vs. ワラターズ

前節ワラターズ戦はマイケル・リトルらの活躍があったものの6連敗の結果となった

前節、オーストラリアのワラターズに29-50で敗れ、6連敗となったサンウルブズは今週末、ニュージーランドのブルーズを迎え撃つ。ブルーズと言えば、昨年7月、サンウルブズが48-21で勝利した相手だ。サンウルブズの打つ手が次々に決まった快勝だったが、当日の秩父宮ラグビー場は夏の強い日差しが降り注ぎ、ブルーズの選手たちのスタミナを奪った面もあった。汚名返上に燃えるブルーズは怖い相手だ。

第8節を終えたところで、ブルーズは1勝5敗でニュージーランドカンファレンスの最下位。しかし、前節はチーフスに敗れはしたものの、19-21という接戦を繰り広げた。ゴールラインを背負ってのディフェンスも粘り強く、最後は、シンビン(一時退場)で1人少ない状況で、スクラムを押し込まれてペナルティートライを献上する悔しい負けだった。チーム力は上向きと見ていいだろう。

チームを率いるのは、オールブラックスの伝説的CTBタナ・ウマンガ。世界的スーパースターのCTBソニー=ビル・ウィリアムズは負傷で不在だが、オールブラックスで81キャップを誇るジェローム・カイノ(196cm、109kg)、16キャップのLOパトリック・トゥイプロトゥ(198cm、120kg)、CTBリーコ・イオアネ(188cm、103kg)、ジョージ・モアラ(188cm、99kg)らニュージーランドを代表する選手が揃う。父が日本のリコーでプレーしていた、リーコ・イオアネ、その兄であるNO8アキラ・イオアネ(194cm、113kg)の突破力は脅威だ。本稿執筆時点でメンバーは未発表だが、20歳のSOスティーヴン・ペロフェタ(181cm、85kg)は今後、オールブラックス入りを狙う注目株。その質の高いプレーは見逃せない。

スタッツ(統計数値)を見ると、ブルーズは、タックラーを外してディフェンスを突破する回数が「174」で全体の3位、タックルされながらパスを出す「オフロード」が「82」で1位と個人技でディフェンスを崩す能力が高い。ディフェンスに課題のあるサンウルブズにとっては、修正能力が問われる試合になる。ファーストタックルを確実に決め、スピードランナー揃いのBKにスペースを与えないように連携を密にしたい。また、ブルーズは、スクラムの成功率も95%で1位、ラインアウトは、90.5%で5位。いずれもサンウルブズを上回っている。スクラムについては、安定しているサンウルブズだが、大事な局面で押し込まれてボールを奪われているのが気になるところ。一つ一つ集中力高く戦いたい。

流 大

「来週こそ、ホームのファンの前で勝ちたい」(流キャプテン)

一方で、アタック面ではどのチームからもトライを奪っており、自信をもってボールを動かしたい。ワラターズ戦後、流大キャプテンは「アタックは機能していたのですが、もう少しボールをキープしていれば、というところでパスミスをしてしまった」とコメント。今回はトライを獲り急ぐことなく、最後まで丁寧にボールを運びたい。ワラターズ戦同様、攻め込んでのミスは、即失点につながってしまうだろう。

「来週こそ、ホームのファンの前で勝ちたい」(流キャプテン)。サンウルブズが秩父宮ラグビー場で戦うのは、このブルーズ戦と、5月12日(土)のレッズ戦のみ。今度こそ、粘り強く声援を送るファンの皆さんを喜ばせてもらいたい。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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