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初の世界一に輝いたオランダセブン
熊本県に世界から24ヵ国が顔を揃え、11月30日からスタートした『2019女子ハンドボール世界選手権大会』。12月15日まで、総計30万人以上の観客に見守られながら、世界一をかけた全96試合が行われた。
地元の大きな期待を背にした日本代表『おりひめジャパン』は、11月30日、プレッシャーをはねのけてアルゼンチンを破って白星発進。3勝2敗で予選ラウンドD組3位となり、メインラウンド(2組に分かれてのリーグ戦)に駒を進めた。
12月8日、メインラウンド初戦でモンテネグロに一歩及ばず惜敗。この時点で、準決勝進出の夢はついえたものの、10日は強敵スペインを土俵際まで追い詰め、大会最終戦となった11日はルーマニアに快勝。本場ヨーロッパの強豪とも互角に渡り合い、あふれる存在感を示した結果、大会が24ヵ国制となって最高となる10位(順位決定戦は行われず)で戦い終えた。
前回女王のフランスが予選ラウンドB組で4位に沈み、メインラウンド進出を逃がすなど、優勝争いは混とん。それでも、最後は歴代優勝国のロシア、ノルウェーらが強みを発揮するのでは、というのが大方の見方だった。 しかし、12月13日の準決勝では、オランダがロシアを、スペインがノルウェーを打倒。決勝は初優勝をかけた国同士の激突となった。
15日、決勝はともに譲らず大激戦の末、後半終了間際に史上稀に見るドラマチックな幕切れが待っていた。
残り30秒を切って、得点は29-29の同点。この大詰めで勝ち越しゴールを狙ったスペインの攻撃は実らず、オランダボールに。
オランダの守護神ヴェスターが速攻につなげようとしたゴールキーパースローを、スペイン・エルナンデスが大きくジャンプして防ぐ。
このプレーが後半残り30秒を切ってから相手の攻撃を妨害する悪質なファールと判定され、エルナンデスは失格となり、さらにオランダに7mスローが与えられた。
コート、ベンチ、そして観客席が息をのんで見守る中、この7mスローをオランダのエース・アビンが決め、そのままタイムアップ。劇的すぎるほどの幕切れに、会場のパークドーム熊本は大歓声と興奮に包まれた。
オランダの初優勝で幕を閉じた『2019女子ハンドボール世界選手権大会』は、2年に一度、世界女王を決める大会であると同時に、2020東京オリンピックの前哨戦でもあった。
各国ともにケガで熊本に姿を見せられなかった主力選手も加わり、東京ではさらに洗練、白熱した戦いが繰り広げられることだろう。本場ヨーロッパ勢に立ち向かい、手応え、自信をつかんだ日本代表おりひめジャパンも残された時間でさらなる進化を遂げ、メダル争いに割って入る姿を見せてほしい。
文/スポーツイベント・ハンドボール
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