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ハミルトンとアントネッリに挟まれるピーター・ボニントン
2026年F1第2戦・上海GPは、F1の歴史が塗り替えられる瞬間となった。メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが自身初、そしてF1史上最年少となるポール・トゥ・ウインを達成し、改めて世界にその名を強く印象づけた。
涙の初勝利と冷静な陣営、メルセデスが守り育てる若き才能
アントネッリは19歳でF1初勝利を飾り、これはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが18歳228日で打ち立てた記録に次いで、史上2番目の若さでの快挙となった。前日の予選では史上最年少でポール・ポジションを獲得し、その勢いのまま決勝レースに臨んだ。レース中には、一度フェラーリのルイス・ハミルトンにトップの座を明け渡す場面もあったが、すぐに首位を奪い返した。終盤にはタイヤをロックさせるミスもあったものの、落ち着いて対応し、2006年のジャンカルロ・フィジケラ以来、イタリア人として20年ぶりの優勝を果たした。
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F1公式サイトによると、アントネッリは歓喜の中で「なんと言っていいかわからない。イタリアを再びトップに返り咲かせたいという願いが叶った」と涙をこらえながら語り、支えてくれたチームへの感謝も述べたという。
このアントネッリの姿に、メルセデス代表のトト・ウォルフも「F1キャリアの中でも最高の瞬間のひとつ」と感激し、若き才能の成長が自身の予想を上回っていると称賛。しかし、『GPBlog』の報道によると、ウォルフは「タイトル争いを口にするのはまだ早い」と述べ、母国イタリアなどで盛り上がるメディアに対して冷静さを求めた。また、アントネッリが今後もミスを重ねる可能性はあるが、それも成長に必要な経験だと考えている。
さらに、アントネッリの父であるマルコ氏も「息子はまだ完ぺきではない。経験豊富なジョージ(ラッセル)に勝ち続けるのは簡単ではない」と慎重な姿勢を崩しておらず、陣営には期待と冷静さの両方が入り混じっている。
若きエースを支える、ベテランレースエンジニア
デビュー2年目、2戦目で優勝したアントネッリにとって欠かせない存在が、レースエンジニアの“ボーノ”ことピーター・ボニントンだ。彼はかつてハミルトンとともに6度のワールドチャンピオンを獲得したことでも知られている。
アントネッリとボーノの親しい関係がよく分かるのが、2月のバーレーンテストでのエピソードだ。現地で誕生日を迎えたボーノに対し、アントネッリが水鉄砲で不意打ちを仕掛けると、ボーノは消火器で仕返しするふりを見せた。さらに、ボーノに水鉄砲を取り上げられたアントネッリは、メルセデスの施設を訪れていたハミルトンの背後に隠れてリベンジをかわそうとする。しかしその後、ボーノの指示でスタッフがアントネッリのウォーターボトルに激辛ソースを仕込んでいたため、辛いものが大の苦手だというアントネッリは思わぬ罠に咳き込む。そんな姿を前に、ボーノは「自業自得だ」とユーモアを交えて教訓を伝えた。この一連のやりとりはメルセデスの公式Instagramにも投稿されている。
表彰台で起きた奇跡の3ショットと偶然の襲名劇
歴史的な表彰台では、単なる順位争いを超えた人間模様が見られた。2位となったラッセルが表彰台で自ら一歩下がるという気遣いを見せたことで、チーム代表として登壇したボーノが新旧のドライバーであるハミルトンとアントネッリに挟まれる3ショットが生まれた。『Mirror Sport』によると、SNSでは「最高のファミリー感」や「メルセデスのレガシーは守られている」といった声が多く寄せられたという。ボーノ自身もこの瞬間を「一生の宝物になる最高の時間だった」と振り返っている(F1公式サイトより)。
また、セレモニー中にMCがアントネッリを紹介する際に「キミ・ライコネン!」と呼び間違えるハプニングもあったが、本人は笑顔でその場に応じたと『GPFans』が伝えている。この偶然の襲名劇は、過去の伝説的王者と同じ名前を呼ばれることで、まるで新時代の幕開けを象徴する出来事となった。今シーズン、アントネッリが自身の走りで新たな歴史を築いていく姿に期待したい。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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