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モータースポーツ コラム 2026年2月20日

【プレビュー】勢力図に変化が!?若手ライダーが激しく争う新時代が始まる | FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第1戦 フィリップアイランド

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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FIM スーパーバイク世界選手権  2026 第1戦 フィリップアイランド

【プレビュー】FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第1戦 フィリップアイランド

世界のオートバイメーカーが自社の市販車をベースにしたマシンを参戦させる世界選手権シリーズ「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」の2026年シーズンが早くもフィリップアイランド(オーストラリア)で開幕します。今シーズンも昨年と変わらず全12ラウンド36レースが設定されていますが、ヨーロッパを離れるフライアウェイ戦は今年も開幕戦のみ。10月の最終戦までヨーロッパを中心に熱いバトルが繰り広げられます。

今シーズンもJ SPORTSではWSBKを全戦放送/配信。今回は2026年の見どころを探りつつ、シーズン開幕戦・フィリップアイランド(2026年2月20日〜22日)のレースプレビューをお届けしましょう。

今季はWSBKの勢力図が大きく変わります。2015年〜20年にカワサキで6年連続ワールドチャンピオンを獲得したジョナサン・レイが昨年限りで引退。さらにはレイを王座から引き摺り下ろし、2020年代の牽引役となった現役王者のトプラク・ラズガットリオグルがMotoGPに転向。他にも通算6勝を記録したマイケル・ファンデルマークがFIM世界耐久選手権に転向など、この10年の軸となってきたライダーが次々とWSBKを去りました。

そして、2度のWSBKワールドチャンピオンを獲得し63勝を記録したアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)がドゥカティ・ワークスチームから離脱し、サテライトチームの「Barni Spark Racing Team」に移籍したのも今年の大きな変化といえるでしょう。引退、卒業、移籍など2026年のWSBKはかなり大きく動いたシーズンオフとなりました。

トプラク・ラズガットリオグルが2年連続のチャンピオンを獲得し、ファンデルマークが卒業したBMWワークスチーム「ROKiT BMW MOTORRAD WorldSBK Team」はライダーラインナップを一新。ドゥカティのイメージが強いベテラン、ダニロ・ペトルッチが移籍してきました。そして、トプラクに代わるエースとしてBMWはMotoGPライダーのミゲール・オリベイラを獲得。MotoGPで優勝経験があるベテラン2人の新体制となり、平均年齢は33歳のラインナップです。

そして、対抗馬のドゥカティワークス「Aruba.it Racing Ducati」は昨年も年間ランキング2位で終えた26歳の若手、ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)がエースとして残留し、ホンダからイケル・レクオーナが電撃移籍となりました。鈴鹿8耐でも活躍したレクオーナは実はブレガと同じ26歳。BMWとは対照的にラインナップの若返りを図ってきました。

ドイツ車、イタリア車に押され気味の日本車勢も移籍が相次ぎました。ヤマハのトップチーム「Pata Maxus Yamaha」は昨年鈴鹿8耐でインパクトある走りを見せつけたアンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)が残留し、チャビ・ビエルゲがホンダからこれまた電撃移籍。そのまま鈴鹿8耐を走って勝ってしまいそうな安定感抜群の2人になりました。とはいえ2人の平均年齢も28.5歳と若く、バイクの戦闘力次第では良い結果が期待できるコンビです。

ホンダ「Honda HRC」はレクオーナ、ビエルゲの移籍で久しぶりにラインナップを刷新。MotoGPからソムキアット・チャントラが移籍し、Moto2からジェイク・ディクソンが加入するというWSBKルーキーラインナップとなりました。長年苦戦が続いていたホンダはMotoGPと併せてWSBKのテコ入れがようやく本格的に始まった印象で、平均年齢28.5歳の2人を強力アシストする存在としてジョナサン・レイがテストライダーに加入します。なお、開幕戦はチャントラの負傷により、同じくテストライダーを担当する長島哲太が代役出場します。

カワサキはギャレット・ガーロフが残留の1台体制。そしてカワサキ傘下のビモータ(Bimota by Kawasaki Racing Team)もアレックス・ロウズとアクセル・バサーニが残留。こちらはベテランと若手のコンビですが、特にベテランのロウズがシーズン後半からトップ5のフィニッシュを連発。マニクールでは3レース連続の表彰台を獲得するなど、ビモータは優位性を結果に繋げてきました。

さて、そんな多数の移籍があった2026年シーズンですが、開幕戦・フィリップアイランドは他のヨーロッパラウンドとは違う結果を生み出す可能性が高いレースといえます。開幕ダッシュに成功したからといってシーズンを制圧できるとは限らないというのが定説で、特に近年はラズガットリオグルのスロースタートで始まり、シーズン中盤から彼が勝ち続けるというパターンが毎年のように展開されました。

そんなラズガットリオグルが不在のシーズン。今年は開幕戦である程度の勢力図が見えてくるかもしれません。テストから好調なのは昨年も3連勝したニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)。彼は2024年のWSBKデビュー戦・フィリップアイランドでいきなり優勝しましたし、ここは当然彼が軸となるサーキットでしょう。

相変わらず速いドゥカティ勢の対抗馬はビモータかもしれません。テストでも好タイムを刻んでいますし、何より昨シーズン後半の好調ぶりを維持しています。ましてやここは2024年に当時カワサキのライダーだったアレックス・ロウズが2勝していますし、彼のWSBK通算4勝のうちの3勝はここフィリップアイランドで達成されていることを考えると、開幕からビモータの初優勝もあるかもしれませんね。

おやおや、どうした?という状況なのがBMW。プライベートテストでは順調だったようですが、いざフィリップアイランドに来てみると、BMWで初レースのベテラン2人は苦戦しているのでは?と勘繰ってしまうようなタイムに留まっています。蓋を開けてみるまでは分かりませんけどね。

いよいよ開幕するWSBKの2026年シーズン。ライダー含めて印象が大きく変わった今シーズンを制するのは一体誰なのでしょうか?

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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