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評価を高めるシーズンを過ごしたアントネッリとハジャー
チャンピオン争いが最後まで白熱した2025年シーズン、次世代を担う6人のルーキーがF1デビューを果たした。それぞれが異なる環境と役割の中で、F1という舞台の厳しさと可能性を体感する一年を送った。
2025年シーズン終了、ルーキーたちの現在地
メルセデスで複数回の表彰台を獲得し、即戦力として存在感を示したアンドレア・キミ・アントネッリ。シーズン後半に評価を高めたレーシングブルズのアイザック・ハジャー。中団争いに加わる場面もあったハースで安定してポイントを積み重ねたオリバー・ベアマン。限られた戦力の中で着実さを見せたザウバーのガブリエル・ボルトレト。一方で、シーズン序盤にマックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてレッドブル・レーシングで起用されたものの、トップチームの期待に応えきれずレーシングブルズへと降格したリアム・ローソン。再建途上のアルピーヌで厳しい戦いを強いられ、6レースでシートを失ったジャック・ドゥーハン。
同じルーキーとしてスタートしながら、6人はまったく異なる現在地にたどり着くことになった。
即戦力として非凡さを示したアントネッリ
シーズン前、6人のルーキーの中で最も注目を集めていたアントネッリは、フェラーリに移籍したルイス・ハミルトンの後任としてメルセデスのシートを引き継いだ。デビュー戦となったオーストラリアGPでいきなり4位に入ると、続く2戦でもポイントを獲得。4度のDNFを喫しながらも3度の表彰台を獲得するなど、浮き沈みの激しい1年目を送りつつ、最終的にはドライバーズランキング7位でシーズンを終えている。
チーム関係者は、アントネッリの賢さやコミュニケーション能力、そして成熟した姿勢を高く評価している。『Racing News365』によれば、メルセデス代表のトト・ウォルフは「F1という“食うか食われるか”の世界に、彼は初めて本格的に放り込まれた。その中で自分の立ち位置を失わず、しっかりと戦ってみせた。将来に対する期待が高まるのも当然だろう」と語っている。
評価を覆したハジャー
ルーキーの中でアントネッリに次ぐ12位でシーズンを終えたのがハジャーだった。シーズンが終わる前から来季のレッドブル・レーシング昇格が発表されるなど、その評価は急速に高まった。一方で、デビュー戦は決勝を戦うことすらできない不本意な形で幕を開けている。オーストラリアGP決勝のフォーメーションラップでクラッシュし、うなだれながらパドックに戻る途中、ハミルトンの父親に慰められる場面が話題となった。しかし、その後の成長は著しかった。オランダGPでは3位表彰台を獲得。ここでも、チームとの記念撮影中に、陶器製のトロフィーが首の部分から折れてしまうというアクシデントに見舞われ、結果とは別の形でも注目を集めることになった。
FIAが選ぶ年間最優秀ルーキードライバーはフォーミュラ3王者でフェラーリ育成のラファエル・カマラだったが、『Motor Sport』の読者投票ではハジャーが選出されている。同サイトは「中団争いが精一杯という状況のマシンながら、たびたび期待以上の走りを披露した」と、そのパフォーマンスを評価した。
前向きな姿勢で着実な成長を見せたベアマン
ドライバーズランキングにおいて、ルーキー勢の中で3位につけたベアマンは、チームメイトのエステバン・オコンを上回る13位でシーズンを終えている。1年目のハイライトとなったのは、マクラーレンのオスカー・ピアストリを抜いて4位でフィニッシュしたメキシコGPだ。3位のフェルスタッペンと競る場面もあり、レース直後には「マックスと並んで走れたのは、ものすごく特別な経験だった。彼は、僕がF1を見始めた頃からずっと見てきた存在だからね。忘れられない瞬間になったし、チームとしてやり遂げた仕事も誇りに思っている」と、両親やパートナーが見守る中、涙をこらえながら語ったとF1公式サイトは伝えている。
ハースはシーズン序盤、マシンの不安定さに悩まされ、仕様変更を重ねる中でドライバーからのフィードバックが重要な要素となった。そうした状況下で、ベアマンは知識や経験の不足を埋めるべく懸命に取り組み、状況を理解しながら順応していったという。その努力はシーズン後半の安定したポイント獲得という形で結実している。
チーム代表の小松礼雄も「彼は本当に素晴らしい若者だ。人を前向きにさせる明るい人柄で、周囲を自然と鼓舞する力がある。それに何より、とても柔軟で、常にオープンマインドで物事に向き合っている」と、スキルだけでなく人間性も称えている(F1公式サイトより)。
新たな期待やミッションを背負って臨む2年目。ハジャーの後任としてレーシングブルズでデビューを果たすアービッド・リンドブラッドも加わる中、2026年シーズンの次世代ドライバーたちは、どのようなドラマを描いていくのだろうか。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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