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モーター スポーツ コラム 2025年10月27日

SUPER GT第8戦プレビュー 最終決戦、タイトルを巡る激戦に注目!

SUPER GT by 島村 元子
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ランキングトップのNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)

4月に岡山国際サーキットで開幕した2025年シーズンが、ついに最終戦を迎える。今週末、栃木・モビリティリゾートもてぎで開催されるSUPER GT第8戦は、今シーズンのチャンピオンが決定する重要な一戦であり、同時に各車、各ドライバーにとってもシーズンの”有終の美”をいかに飾るのか、とても大事な舞台でもある。秋が深まるなか、もてぎでは、どのようなドラマが繰り広げられるのだろうか。

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開幕戦以来の”ガチ勝負”

第2戦以降、成績によって搭載が続いてきたサクセスウェイト。もてぎですべて”ゼロウェイト”となり、開幕戦以来の”ガチ勝負”が復活する。まさに、真の実力をもって競う最終戦の結果によって、シリーズタイトルが決まるのだ。

最終戦を前に、ランキングトップはNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)。すでに2023、24年と2連覇を達成した1号車だが、今シーズンは開幕戦で勝利し、その後も着実にポイントを計上。スタートダッシュによって一度もランキングトップの座を明け渡すことなく最終戦を迎える。もてぎでタイトルを獲れば、GT500クラス史上初という快挙が実現するだけに、チームとしてはなんとしても目標を完遂せねばならない。快進撃を続けてきた1号車だが、前回のオートポリスでは思わぬハプニングに見舞われた。僚友であるNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)とポジション争い中にまさかの接触。その後、マシントラブルによってシーズン初のノーポイントに終わることに。予選7位から巧みな戦略で上位チェッカーの可能性を秘めており、悔しいリタイアではあったが、チームとしては”リスク回避”の選択をしたとのこと。万全の体制で最終戦を迎えるための決断だったようだ。

この1号車を筆頭に、TOYOTA勢はタイトル候補が5チームも名乗りを上げている。1号車に続くNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)は、6点差で追う。小さいように感じる点差だが、仮に14号車はポール・トゥ・ウィン(21点獲得)を達成しても、1号車が2位になれば上位入賞回数で14号車を上回り、チャンピオン獲得が実現する。両チームにとっては直接対決の形になる訳だ。残るTOYOTAの3チーム─No.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)、そしてNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)は、条件的にタイトル獲得のハードルがぐんと高くなってはしまうが、なにしろもてぎといえば、過去に最終ラップの最終コーナーで信じられないような大逆転が起こったサーキットでもある。それゆえ、2年ぶりに最終戦が戻ってきた今回もまた、どんなドラマが待ち受けていたとしても、不思議ではない。

もちろん、ダイナミックなドラマを狙うのはTOYOTA勢に限ったことではない。事実、ランキング3位には、オートポリスで予選12位からの大逆転優勝を果たしたNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)がつける。ポール・トゥ・ウィンを目標に、Hondaのお膝元であるもてぎでの大躍進を狙うのは言うまでもない。なにしろ、山本と牧野は2020年最終戦で劇的大逆転を果たしてタイトルを手にした当事者でもある。このときは富士が舞台だったが、もてぎでも絶対的な自信をもって戦いに臨むはず。また、今回がラストレースとなるCIVICへの感謝の思いをもってベストレース実現を目指すことだろう。

そのほかの”ラスト”レースにも注目

惜しくも、NISSAN勢はもてぎでシリーズ争いに加わることができなかったが、上位フィニッシュによってランキングアップを狙う戦いに期待がかかる。オートポリスでは、No. 3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)No.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)の2台がフロントロウを独占しており、シーズン中も23号車が第5戦鈴鹿、そしてNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)が第6戦SUGOで優勝しているだけに、シーズン3勝目を意識して戦うことになりそうだ。

一方、SUGO戦で勝利した松田が、最終戦を前にして今シーズンをもってSUPER GTでの活動終了を明らかにした。GT500クラスに参戦して今年で26シーズン、通算25勝という最多勝記録更新を果たしたばかりのため、名残惜しいと感じるSUPER GTファンも多いことだろう。このほか、石浦宏明(No.38 KeePer CERUMO GR Supra)そして伊沢拓也(No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT)のふたりも、今シーズンをもってGT500での活動終了をすでに発表している。いずれの選手も優勝はもちろん、タイトル争いの経験を持つ実力派だけに、ベテランの彼らによるラストレースをしっかり目に焼き付けてほしい。

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GT300は、より僅差のタイトル争いに

オートポリスでの結果によって、ランキングトップ3の点差がさらに縮まったGT300クラス。だが、ポイントだけを見れば、タイトル獲得の可能性を持つチームはなんとトップ10台に及ぶ。ただし、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)は、オリベイラ選手が2戦欠場しており、実際は全戦出走しているパートナーの平手選手に絞られて上位9チームとなる。

なかでも注目なのが上位3台。トップNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)と2位56号車の平手は1.5点、3位のNo. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)とは4.5点と極めて僅差だが、異なる車種による最終バトルはSUPER GTならでは。シーズンを通して抜群の安定感を誇る65号車、速さと粘り強さを真骨頂とする職人コンビの56号車、そして両選手が若干二十歳のフレッシュコンビで快進撃が続く7号車と、それぞれ特長も異なるだけに、最終戦でも個性豊な強みを活かした戦いが見られそうだ。

また、今シーズンからポイント制度が変わって得点上位7大会が有効になることから、さらにタイトル獲得の可能性が大きいチームとして、ランキング4位のNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)が名乗りを上げている。谷口と片岡は別のレース参戦のために第3戦セパンを欠場したが、それ以外のレースは全入賞を果たしており、不利な状態にはなっていない。ただ、トップとは12.5点の差があり、決して容易い展開ではないが、”満点”獲得を目指して巧みなレース展開を狙ってくることだろう。

昨シーズンは、第5戦鈴鹿が台風接近のために開催が12月へと延期。もてぎは事実上7戦目の開催だった。このため、もてぎでの最終戦は2年ぶりとなる。ストップ&ゴーのレイアウトを持ち、抜きにくいコースでの”ラストレース”に向け、まずは予選での好位置を手に入れることが必要。そしてシーズン最後の決戦に挑むドライバーの奮闘に、ありったけのエールを送ってほしい。

文:島村元子

島村元子

島村 元子

日本モータースポーツ記者会所属、大阪府出身。モータースポーツとの出会いはオートバイレース。大学在籍中に自動車関係の広告代理店でアルバイトを始め、サンデーレースを取材したのが原点となり次第に活動の場を広げる。現在はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、ル・マン24時間レースでも現地取材を行う。

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