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モーター スポーツ コラム 2025年10月3日

表彰台が示したウイリアムズ復活の兆し、「人生をかけたプロジェクト」と語るサインツJr.

F1コラム by J SPORTS 編集部
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ジェームス・ボウルズ/カルロス・サインツJr./アレクサンダー・アルボン

ジェームス・ボウルズ/カルロス・サインツJr./アレクサンダー・アルボン

80年代から90年代にかけて数々の栄光を手にした名門ウイリアムズは、この10年で最下位に甘んじること3度と低迷が続いてきた。2025年シーズンは、チーム4年目を迎えるアレクサンダー・アルボンと、フェラーリから移籍したカルロス・サインツJr.を起用して開幕。浮き沈みの激しいパフォーマンスながらも、レースを重ねるごとにアルボンを中心にポイントを積み重ね、迎えたアゼルバイジャンGPではサインツJr.が安定した走りを披露して3位入賞。チームに8年ぶりとなる表彰台をもたらした。

サインツJr.はシーズン序盤、新しいマシンへの適応に苦しみ、不運やミスも重なったことで速さを発揮しながらも結果につながらないレースが続いた。最高成績は8位止まりだったが、バクーで大きな飛躍を果たした。一方のアルボンはシーズン序盤から堅実な走りを見せ、アゼルバイジャンGPまでに4度の5位入賞を記録。通算70ポイントを積み上げ、チームを牽引した。

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ドライバーの精神面を支える代表の存在

2023年からチーム代表を務めるジェームス・ボウルズのリーダーシップは、両ドライバーが直面する課題を乗り越えるうえで不可欠な役割を果たしている。アゼルバイジャンGP直前、『Business of Sport』のポッドキャストに出演したボウルズは、アルボンがレッドブル時代に常にマックス・フェルスタッペンと比較され続けたことで自信を失い、その影響がウイリアムズ移籍後も尾を引いていたと明かした。2016年からアルボンを知るボウルズは、彼のメンタルを立て直し、支えとなる環境を整え、挫折から素早く立ち直れるよう導いてきたと語る。

「彼には生まれ持った才能がある。私がしているのは、その才能を毎週末余すことなく発揮できるよう、自信を築いてあげることだ。そして今シーズンまさにその姿を目にしているはずだ」

さらに『The Race』によれば、予選の前夜にはサインツJr.とバクーで夕食を共にし、率直に問題点と今後の方針を話し合い、リセットを図ったという。ボウルズはサインツJr.の速さを疑ったことはなく、必要だったのは精神的なリフレッシュだと強調。すべてを洗い出すことで、次戦に向け新たな目的意識を持たせた。

これまでの覚悟と自信を再認識するサインツJr.

今シーズンはルイス・ハミルトンがフェラーリで初の表彰台を挙げるタイミングが注目を集めていた。しかし皮肉にも、そのシートを譲ることになったサインツJr.が先にウイリアムズで栄誉に浴す結果となった。『ESPN』によれば、比較を問われたサインツJr.は、ウイリアムズにとっての表彰台を逃さなかったことこそが重要だと冷静に答えたという。

サインツJr.は今回の表彰台を機にこれまでの歩みを振り返り、「不運や不本意なパフォーマンスが続くこともあるけど、努力を続けていれば、今回のようなご褒美が突然返ってくる」と語ったと『ESPN』は報じている。さらに、『Sky Sports F1』とのインタビューでは、ウイリアムズの支え合う環境が自身の成長を後押ししたと感謝の言葉を述べ、チームを「人生をかけたプロジェクト」と表現。今後数年間をかけて競争力を取り戻し、勝利を目指す決意を改めて示した。

チーム代表同士のユーモアと絆

アゼルバイジャンGPでの表彰台の後、メルセデス代表のトト・ウォルフはスタッフを通じてシャンパンとチョコレートを詰めた紙袋をかつての部下であるボウルズに送り届けた。そこには「ラッキーなやつだな!チーム代表としての初表彰台おめでとう」という軽妙なメッセージが添えられていた。マクラーレンのオスカー・ピアストリが序盤でリタイアする波乱もあったが、ボウルズは「セーフティカーや天候に助けられたわけではなく、週末を通して自分たちの力で勝ち取ったものだ」と『The Race』に話している。

ウォルフ自身もこのメッセージは冗談だと『The Race』に明かしており、「ジェームスがチームの成功と長期的な視野に大きく貢献していることを、私は100%確信している。そして今日は全員が結果を出した。ドライバーも素晴らしい走りを見せたし、ピットストップも総じて良かった」と称賛の言葉を贈った。

今は2026年の改定対応、そしてさらにその先の長期的な成功を見据えていると前述のポッドキャストで語ったボウルズ。そのような過程の中で今回の表彰台が実現し、アルボンとサインツJr.と共に歩むウイリアムズの本格的な復活への道が鮮明になってきた。

文:J SPORTS編集部

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