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モーター スポーツ コラム 2025年9月21日

WEC 100戦目の記念すべき大会 トヨタ、ホームコースで今季初表彰台なるか?

モータースポーツコラム by 皆越 和也
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昨季の富士6時間耐久レースの様子

プロトタイプカーであるハイパーカークラス、FIA GT3車両で争われるLMGT3クラスの混走により争われるFIA世界耐久選手権(WEC)の第7戦が、静岡県の富士スピードウェイにおいて6時間耐久レースとして開催される。今季思うような結果が残せていないトヨタガズーレーシング(TGR)だが、今季初の表彰台を獲得できるか?そしてLMGT3クラスでは日本人ドライバーの活躍が見られるのか?大いに期待をしたい。

FIA世界耐久選手権(WEC)は、2012年にプロトタイプカーとGTマシンの混走という現在のスタイルとなった。2018-19年、2019-20年のシーズンは”スーパーシーズン”という年跨ぎのシリーズとなったが、今季まで13シーズンが継続して開催されている。

過去の12シーズン、プロトタイプカー(LMP1/ハイパーカー)で最も多くタイトルを獲得したのはトヨタで7回。続いてポルシェが3回、そしてアウディが2回。またドライバーではセバスチャン・ブエミとブレンドン・ハートレイの4回が最多で、ティモ・ベルンハルト、マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア-ロペス、平川亮、アンドレ・ロッテラーが2回獲得している。

今回の富士6時間は現在のWECになって100戦目という記念大会となる。これまでの99戦での優勝車の内訳は、トヨタが49勝でダントツ。続いてポルシェの21勝、アウディの17勝。今年4勝を挙げたフェラーリは6勝、さらにレベリオンが3勝、アルピーヌが2勝、そして今年のインテルラゴスで初優勝したキャディラックが1勝。トヨタの50勝目はいつになるのだろうか?

ちなみに日本ラウンドの会場はすべてトヨタのコースである富士スピードウェイで、コロナの影響でキャンセルされた2021年シーズンだけ開催されていない。これまでの11回の大会ではトヨタが地元開催の意地もあり9勝を収めている。残りの2勝はポルシェで、昨季は国内レースで活躍した、アンドレ・ロッテラーが駆る“ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ”が優勝を果たした、今年の富士はどうなるだろう?

そもそもFIA世界耐久選手権(WEC)のルーツは、1953年に始まった世界スポーツカー選手権(WSC)となる。しかし61年にスポーツプロトタイプカーが排除され、GTカーだけの国際GTマニュファクチャラーズ選手権となったが、66年にはスポーツプロトタイプカーの参戦も再び認められるようになった。68年には名称も国際メーカー選手権と改められた。

72年には世界選手権が復活し、世界メーカー選手権(WCM)となったが尻すぼみとなった。しかし81年に世界耐久選手権(WEC)に衣替えすると、82年にはグループC規定の車両が多く参戦しシリーズは人気を集めた。ポルシェを筆頭に日本のメーカーもグループC車両で参戦すると、86年より世界スポーツプロトタイプカー選手権(WSPC)となりピークを迎えた。

91年よりF1と同じNA 3.5リッターエンジン規定を導入したが(過渡期の91年ルマン24時間ではマツダが日本車として初制覇!)、参加車両は思うように集まらず93年にスポーツプロトタイプカーの世界シリーズ戦は終わりを迎えたのだった。そして2010年からインターコンチネンタル・ル・マン・カップが開催されるようになり、それが2012年に現在のスタイルのFIA世界耐久選手権(WEC)となった。

富士スピードウェイは1965年に完成し66年から営業を開始した日本を代表するサーキットのひとつ。76年と77年には日本で初めてF1を開催した。2000年にトヨタのサーキットとなり、2005年に現在の(形の)コースレイアウトに改修された。FIAグレード1という世界最高峰のコースのひとつで、2007年と08年には再びF1日本グランプリを開催した。コースは約1.5kmにも及ぶメインストレートが特徴的。ダンロップコーナーからの第3セクターは非常にテクニカルな上り区間であり、そのセクターの速さがレースの鍵を握る。したがってこの第3セクターを重視したセッティングを施す車両がほとんどだが、高速コーナーを得意とする車両によっては、前半区間である第1〜2セクターを重視するチームもある。

文:皆越和也

皆越 和也

皆越 和也

1961年熊本県出身。1980年代後半に富士スピードウェイで観戦した「WEC in JAPAN」で四輪モータースポーツに目覚め、モータースポーツ専門誌編集部等を経てフリーランスのフォトライターに。SUPER GTは全日本GT選手権がスタートした1993年より、ほとんどのレースを現場で取材している。

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