トヨタの初表彰台はなるか？富士の前哨戦は必ずチェックすべし

初表彰台を狙うTOYOTA GAZOO Racing

プロトタイプカーであるハイパーカークラス、FIA GT3車両で争われるLMGT3クラスの混走により争われるFIA世界耐久選手権(WEC)の第5戦が、アメリカ、テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)においてローンスター・ル・マン(6時間レース)として開催される。今季思うような結果が残らないトヨタガズーレーシング(TGR)だが、今季初の表彰台を獲得できるか？そしてLMGT3クラスでは日本人ドライバーの活躍が見られるのか？この2週間後には富士6時間も開催されるので、その予習のためにもチェックしておきたい。

第6戦の舞台となるCOTAは、元々F1開催を目指してテキサス州に2012年に造成された新しいサーキットで、一般的なサーキットとは逆、左回りの1周5.513kmのコース。スタートから1コーナーまでを一気に駆け上がり最大高低差は41mにも及ぶ。

今季前半はフェラーリが開幕前の予想以上の活躍を見せシリーズをリードしてきたが、後半戦に入ると性能調整(BoP)が見直され、ブラジルではキャデラックがWEC初優勝を1-2フィニッシュで飾った。またポルシェも2戦連続で表彰台を得て、フェラーリは83号車の8位が最高位と下位に沈んだ。またTGRはキャデラックに周回遅れにされるなど屈辱的なレースとなった。今回のCOTAラウンドを前にBoPが実施されたが、これはキャデラックとポルシェに厳しいものとなり、またフェラーリには変更がなく、今回のレースではどのチームが優勝争いに絡んでもおかしくない状況となった。しかしキャデラックにとってCOTAは地元のコースであり、上位入賞を目論んでいるようだ。

今回はTGRにも今季初表彰台獲得のチャンスの芽が出て来た。しかし、7号車のエース格であるマイク・コンウェイが、トレーニング中のアクシデントにより鎖骨を骨折しこのラウンドを欠場することになった。代役は23年まで7号車をドライブしていたホセ・マリア・ロペス。彼は前戦のインテルラゴスでレクサスRC FにWEC初優勝をもたらしたが、今回はハイパーカーの経験者としてTGRをサポートすることになった。日本ラウンドを前に是が非でも表彰台を獲得して、富士6時間へ弾みをつけてもらいたいものだ。

LMGT3クラスのBoPではBMWとフォードの車重が20kg近く軽量になった。またフォード、マクラーレンも10kg近く軽くなった。一方フェラーリとアストンマーティンは10kg近い重量増となった。今回はアメリカでの開催でもあり、ル・マン24時間でも存在をアピールしたフォードやシボレーの太いエキゾーストノートが中継放送からも多く確認できるはず。

LM GT3クラス、日本人ドライバーの参戦は今回はユナイテッド・オートスポーツ95号車マクラーレンの佐藤万璃音のみ。ハイパーカーのバトルはもちろんだが、LMGT3での彼の活躍にも期待してチェックしたいものだ。

ところでインテルラゴス以降入って来たニュースとしては、日本でも活躍したニック・キャシディが来季プジョーに加入するという。COTA戦終了後にはテストに参加するようで、来季のプジョーにはさらに注目が集まるだろう。また来季参入予定のジェネシス(ヒョンデ)がポールリカールにて500周を走り込んだようで、来年に向け着々と準備が進んでいるようだ。

第6戦ローンスター・ル・マンは、9月5日にフリープラクティス1でスタート。6日に予選、7日13時(日本時間7日深夜3時)に決勝がスタートする。

J SPORTSでは、予選を9月7日午前4時50分～8時(オンデマンド)、決勝を7日深夜2時30分～午前10:30にLIVE(J SPORTS 1/オンデマンド)でお伝えする予定。

文：皆越和也