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モーター スポーツ コラム 2025年9月3日

キャデラックがボッタスとペレスを起用、F1新規参戦へ大きな一歩

F1コラム by J SPORTS 編集部
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バルテリ・ボッタス(右)とセルジオ・ペレス(左)

バルテリ・ボッタス(右)とセルジオ・ペレス(左)

8月26日、2026年からF1に参戦する11番目のチーム、キャデラックがついにドライバーラインアップを発表した。名を連ねたのは、いずれもF1の最前線で長年活躍してきた実力者、バルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレス。ともにトップチームでの経験を持つ2人のベテランが、アメリカの名門ブランドによるF1新規参入の第一歩を支える。

ドライバー選定は経験重視に

キャデラックは、ゼネラルモーターズ(GM)とTWGモータースポーツを母体に持ち、今年3月8日にFIAから正式な参戦承認を獲得。以降、ドライバー選定を進めてきた。若手起用も選択肢にあったと言われ、フェリペ・ドルゴヴィッチやフレデリック・ベスティ、ジャック・クロフォードに加え、2024年限りでシートを失った周冠宇の名も挙がっていた。

『The New York Times』によれば、CEOのダン・タウリスは「経験と若さ、成長の価値について多くの議論を重ねてきた」と述べているという。だが、最終的にチーム代表のグレアム・ロードンが主導した交渉は、7月末には経験値と安定感を重視してボッタスとペレスに絞られていたようだ。

フィンランド出身のボッタスと、“チェコ”の愛称で親しまれているメキシコ出身のペレス。2人合わせてF1通算527戦に参戦、16勝という圧巻の実績を誇る。昨季はそれぞれザウバーとレッドブルに所属していたが、今季はペレスがレースから離れていた一方で、ボッタスはメルセデスのリザーブドライバーとしてパドックに帯同していた。

“オール・アメリカン”の理想と現実

キャデラックのF1計画が立ち上がった当初は、アメリカメーカーのマシン、アメリカ製エンジン、そしてアメリカ人ドライバーによる“オール・アメリカン・チーム” の構想が掲げられていた。しかし実際には、初年度はフェラーリ製のパワーユニットを使用することが決まっており、GM製エンジンの投入は数年先となる。また、アメリカ人ドライバーの起用も見送られた形だが、『ESPN』や『The New York Times』などの米メディアは、現在のドライバー市場を踏まえた妥当な選択と評価している。将来的には、アメリカ人ドライバーの登用も視野に入れているとのことだ。

NFLスターとF1チームの縁

ボッタスとペレスの起用が発表された8月26日、アメリカ国内では別のニュースが大きな話題をさらっていた。人気歌手テイラー・スウィフトとNFLスターのトラビス・ケルシーが、2年間の交際を経て婚約を発表。アメリカを象徴するカップルの新たな門出が注目を集めていた。

『ESPN F1』は、2組の写真を並べてInstagramに投稿している。

また、スペインの大手スポーツメディア『MARCA』も両者の話題を同時に取り上げ、ケルシーとF1の意外な接点にも言及している。ケルシーは2023年、アルピーヌF1チームの少数株を取得した投資家グループの一員としてF1界に参入。グループにはカンザスシティ・チーフスのチームメイトであるパトリック・マホームズ、ゴルフ界のローリー・マキロイ、俳優ライアン・レイノルズらが名を連ねている。

彼らの参入は単なる出資にとどまらず、知名度を活かしたマーケティングや資金調達面でも貢献しており、アルピーヌはマイアミやラスベガスといった米グランプリを通じて、アメリカ市場での存在感拡大を狙っている。

勝負はコース外でも

それぞれにとっての重大発表が重なっただけでなく、キャデラックと、ケルシーが関与するアルピーヌという2つの勢力は、2026年シーズンからF1の舞台で直接的な火花を散らす可能性がある。中団争いのライバルとしてだけでなく、話題性やスポンサー獲得競争の面でも両者は真正面からぶつかる構図だと『MARCA』は報じている。

キャデラックはマーケティング戦略においてアメリカ色を前面に押し出している。ドライバー発表の公式映像にはハリウッド俳優キアヌ・リーブスを起用。リーブスは、キャデラックのF1参戦までの舞台裏を描くドキュメンタリーに司会兼エグゼクティブプロデューサーとして関わる予定だ。さらに、ファッションブランドのトミー・ヒルフィガーがチームの公式パートナーに就任。ドライバーやピットクルー、スタッフが着用するチームウェアのデザインと提供を担うほか、ファン向けのアパレルも展開される見込みとなっている。

ボッタスとペレス、そしてキャデラックがコースの内外でどんな物語を見せてくれるのか。2026年へ向けた挑戦から、これからも目が離せない。

文:J SPORTS編集部

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