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GT500クラスで暫定ランキングトップをキープするNo.1 au TOM’S GR Supra
例年以上に厳しい暑さに見舞われている日本列島。今月、SUPER GTでは富士スピードウェイに続いて、23、24日に三重・鈴鹿サーキットでの一戦が控えている。前大会のSUPER GT初スプリントレースから一転、今回はベーシックな300kmでの戦いとなる。シーズン後半へと突入するなか、各チームは真夏のバトルに向けて鋭意努力し、鈴鹿入りすることだろう。
・2年ぶりの夏開催に
前回の富士は、夏休みにあわせたスペシャルイベントとしてスプリントレースを開催。”初モノ”づくしとなったが、今回から従来のレギュレーションが復活。ふたりのドライバーがコンビを組み、サクセスウェイトを搭載したクルマを操って順位を競う。もちろん、チームスタッフによるタイヤ交換や給油作業といったピット作業も伴う。
一方、真夏の鈴鹿戦は2年ぶりになる。昨年は6月に第3戦、8月は第5戦としてカレンダーが組まれていたが、第5戦は台風10号接近の影響を受けて12月へと延期された。また、今年は海外戦が復帰したため、鈴鹿開催は8月の一戦のみに。時期を考えても過酷なコンディションになることが予想されるだけに、天候次第でサバイバルレースになるかもしれない。
参考までに3時間レースとして開催された昨年の第3戦を振り返ると、予選は晴れて路面温度が最高45度まで上昇したものの、翌日の決勝は曇り空となり、気温は22度から25度、路面温度も27度から34度の間で推移している。今回、暦の上ではもうすでに残暑を迎えたなかでの開催ではあるが、猛暑が続いているだけに、まだまだ強い日差しがサーキットを照りつけても不思議ではない。結果、昨年6月の開催データを参考にするわけにもいかず、セパンや富士でのデータをもとに鈴鹿仕様のセッティングを用意することになるだろう。日本国内のサーキットとは路面の特性が異なると言われるセパン、そして路面温度は50度超になったものの、ノーウェイトでのスプリントレースだった富士でのデータをいかに活用するのか、各チームのエンジニアリング力も気になるところだ。
・快調続くSupra勢
GT500クラスでは、開幕戦からNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)が強さを見せつけ、依然として暫定ランキングトップをキープ。富士では、ノーウェイトを”追い風”に、2レース揃ってガッツリとポイントを計上した。結果、同2位のNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)に対して19点という大きな差をつけている。また、No.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)とNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)が同3、4位で続き、前大会でしっかりポイントを稼いだSupra勢が上位を占めた形だ。
ライバルを圧倒する快進撃を見せる1号車は、4戦目を前にサクセスウェイトが上限の100kgに到達。鈴鹿からは50kgの車載ウェイトと燃料流量リストリクターを併用するが、最大限の”足かせ”の状態でどれくらい戦闘力が抑制されるのか、はたまたどこまで地力を見せるのか、一見の価値がある。なお、車載ウェイトと径が調整された燃料流量リストリクターを併用する車両は、ランキング暫定5位につけるNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)まで。3時間の長丁場だった昨年の第3戦では、上位ランカーが粘り強くポジションアップを果たすことも可能だったが、今回は300kmレースのため、やはりリストリクター制限もなく、サクセスウェイトが軽いチームにチャンス到来と考えるのが本筋だろう。ここまで厳しい戦いが続いてきたチームの躍進を期待したい。
セパン、富士(Race1)予選でポールポジションを手にしたNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)はじめ、前回の富士では日産勢として最も多くポイントを獲得したNo. 12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)、そして富士ではやや精彩を欠いたホンダ勢においては鈴鹿がホームコースだけに、是が非でもここで弾みをつけてシーズン後半戦での盛り返しを図りたいはずだ。
・GT300クラス、サクセス給油リストリクター併用は9台に
GT500クラス同様、GT300クラスでも富士のスプリントレースでは暫定ポイントリーダーのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)が2レースとも表彰台獲得の成績を残し、クラストップにつける。しかし、No.777 D'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)が2連勝してランキングも暫定2位へ浮上。4.5点差で65号車に迫っている。一方、鈴鹿では今シーズンから適用されたサクセス給油リストリクターを上位9台が用いることになっている。これは強制的に給油時間を長引かせる措置だが、搭載ウェイトによってこのリストリクター径は3段階に区分されているため、ピット作業時間がどこまで長引くのか。その延長時間は10秒から15秒くらいに相当するのではないかと言われているが、余分に生じた”ロスタイム”をコース上で取り戻すのことは困難であるだけに、予選、決勝ともにひとつでも上のポジションを手に入れることが重要になってくるだろう。
・チーム毎に異なる”ターゲット”
年間8戦でシリーズタイトルを競うSUPER GT。今回の鈴鹿はちょうど後半戦の初戦にあたる。そろそろシリーズタイトルを意識し始めるタイミングでもあるため、適用されるサクセスウェイトによって各チームが定めるターゲットにも違いが出てくる。ランキング上位のチームであればノーミスの手堅い走りで1ポイントでも多く加算できるよう、また、未勝利のチームならばここぞとばかり優勝を狙うはず。ライバルとの競り合いはもちろんのこと、その一方で天候や各チームに課された条件との戦いの行方にも注目してほしい。
文:島村元子
島村 元子
日本モータースポーツ記者会所属、大阪府出身。モータースポーツとの出会いはオートバイレース。大学在籍中に自動車関係の広告代理店でアルバイトを始め、サンデーレースを取材したのが原点となり次第に活動の場を広げる。現在はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、ル・マン24時間レースでも現地取材を行う。
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