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モーター スポーツ コラム 2025年8月8日

それぞれにとって“勝負どころ”の1戦、真夏のSUGOラウンドは後半戦の要。 スーパーフォーミュラ2025 第8戦プレビュー

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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ドライバーズランキングTOPの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

後半戦に突入した2025年のスーパーフォーミュラ。今週末は、宮城県のスポーツランドSUGOで第8戦が行われる。

ここ数年、6月に開催されることが多かったSUGOでのスーパーフォーミュラだが、今年は8月に移動。真夏のコンディションでのSUGOは、各チームともデータを持っていないため、これまでとは異なる勢力図になる可能性もありそう。特にチャンピオン争いでは、重要な局面を迎えることが予想される。

第7戦を終えた段階でのドライバーズランキングを見ると、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が87ポイントで首位、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)で2番手。その差はわずか3ポイントだ。

今シーズンの残る大会は、今回のSUGO(1戦)に加えて、10月の富士スピードウェイ(2戦)と11月の鈴鹿サーキット(2戦)の計5戦。富士は坪井が大得意としているレースで「富士でどれだけ稼げるか」を強く意識している。その一方で太田は鈴鹿を得意としており、本人も「鈴鹿では絶対に負けない」と自信を持っている。

【チャンピオン争いを考えると“実は”重要な1戦】

僅差で坪井追いかけている太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

富士2連戦で坪井、鈴鹿2連戦で太田がライバルより多くポイントを稼ぐと仮定すると、お互いに2戦ずつ得意なサーキットがあるため、単純な計算としてイーブン。そうなると、今回のSUGOが大きなターニングポイントになってくる。

坪井をはじめトムス陣営は、ここ最近SUGOを得意としており、2023年に宮田莉朋を擁して優勝を飾っている。一方のダンディライアン陣営は昔からSUGOを得意としており、フォーミュラ・ニッポン時代にはワンツーフィニッシュを飾ったこともある。そう言った部分を踏まえて、どちらが先行するのか、目が離せないポイントだ。

もちろん、ランキング3番手以下のライバルたちも、坪井と太田がそれぞれ得意とする終盤の2サーキットを迎えるまえに、ここで高得点を掴んでおかないとチャンピオン争いに残るのは厳しくなる。

今回は、全員がSUGOで経験していない真夏のコンディションということで、ここに合わせ込んで予選から主導権を握るのは、果たしてどちらなのか……繰り返しになるが、シーズン後半戦の行方を占う上で超重要な1戦になるだろう。

【SUGOで初優勝を掴むのは……】

岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

もうひとつ注目なのが、SUGOでは初優勝ドライバーが誕生することが多いということだ。過去を振り返ると、2022年にはサッシャ・フェネストラズ、2021年には福住仁嶺が初勝利を飾り、以降のシーズンで勢いをつけていった。さらに遡っていくと、野尻智紀(2014年)、大嶋和也(2010年)もSUGOで国内トップフォーミュラの1勝目を果たした。

こういったジンクスを踏まえると、今年も初優勝ドライバー誕生の瞬間を期待してしまうのだが、今年も初優勝が待たれるドライバーはたくさんいる。

なかでも一際注目を集めているのが、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)だ。今年はあと一歩のレースが続いており、なかなか表彰台の中央に届かないレースが続いている。昨年のSUGOでは予選2番手に食い込む走りをみせていたことを考えると、今回も上位に食い込んでくる可能性はありそう。今回こそ、悲願の瞬間が見られるか。

同じく初優勝が待たれるドライバーが、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)だ。昨シーズンはトラブルに悩まされ続けていたが、今年はそれらも改善し、7月の富士大会でもポイント圏内を争う走りを披露。最近ではフリー走行でトップタイムを記録する速さも見せている。

SUGOでは、速さだけではなくレース戦略も勝敗を分ける重要な要素となってくるだけに、それらがうまく合わされば、トップ浮上の可能性も大きくなるだろう。

今シーズン上位で活躍しているドライバーのなかで、まだ優勝経験がないのが佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)。2022年にデビューし、今季4年目を迎える。各レースの結果でアップダウンはあるが、開幕戦鈴鹿で3位に入ったほか、第5戦オートポリスでも上位争いに加わるなど、上位陣と遜色ないようなパフォーマンスを発揮している。予選から前に出られる走りができれば、チャンスも出てきそうだ。

冒頭でも触れた通り、シリーズ名称がスーパーフォーミュラになってからは、8月にSUGO戦が開催されるは初めて。今年は全国各地で猛暑が続いており、現地で観戦される方は例年以上に熱中症対策を万全にしていただきたいなと思う。

そして、昨年は雨によりレース途中で赤旗終了となり、不完全燃焼なまま終わってしまった分、今週末は良い天気でレースが開催されることを願いたい。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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