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モータースポーツ コラム 2025年7月31日

【鈴鹿8耐特集 | 決勝まであと3日】6年ぶり参戦のヤマハワークス!実力値未知数だからこそ怖い存在に

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レーススタートまであと3日

鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レーススタートまであと3日

「鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)」の開催がいよいよ2025年8月1日(金)〜3日(日)に迫ってきました。「第46回鈴鹿8耐」は「J SPORTS」で生中継。このレースをより楽しんでいただくために、決勝レースがスタートするまでの間に8個のトピックスを取り上げ、今年の鈴鹿8耐の見どころをご紹介。第6弾は2019年以来となる「ヤマハワークスの参戦」についてです。

今年の鈴鹿8耐最大のトピックスといえば、ヤマハワークスの鈴鹿8耐への復帰でしょう。今年の春に突然発表された電撃的な復活に関係者もファンも驚いたのではないでしょうか。ヤマハはワークスチーム「YAMAHA RACING TEAM」として6年ぶりに参戦します。

ヤマハはコロナ禍に突入した2020年以降、鈴鹿8耐へのワークス参戦を取り止め、国内でのワークス活動は全日本ロードレースJSB1000だけになっていました。鈴鹿8耐に関してはFIM EWC(世界耐久選手権)に年間参戦する「YART YAMAHA」を支援する形を取り、同選手権での年間チャンピオン獲得にリソースを注ぐようになっていたのです。

鈴鹿8耐が再開した2022年以降もワークスでの鈴鹿8耐へのカムバックは実現せず、復活するのは完全なニューモデル登場のタイミングになるのだろうと誰もが思っていましたから、この復帰は衝撃的でした。今年、ヤマハはフロントウイングが装着された2025年型のYZF-R1をリリースしましたが、基本設計は2015年に登場したモデルの進化版であり、ベース車両自体はいわゆるマイナーチェンジ。そんな復帰の後押しとなったのは、今年がヤマハ発動機の創業70周年というアニバーサリーイヤーであるからです。

6年ぶりのワークス参戦復活となりますが、全日本JSB1000は継続参戦していましたし、鈴鹿8耐では「YART YAMAHA」に全日本の技術陣が派遣されて、バックアップをしていました。そのため、6年のブランクはそれほど大きいものではないかもしれません。

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【#鈴鹿8耐 注目チームインタビュー】#21 YAMAHA RACING TEAM Rider BLUE 中須賀克行選手

「YAMAHA RACING TEAM」のライダーは12回の全日本JSB1000王者の中須賀克行に加え、MotoGPでプラマック・ヤマハに乗るジャック・ミラー。そこにWSBKで今季優勝も果たしたアンドレア・ロカテッリが加わるというトップカテゴリーのライダー揃い踏みというワークスチームらしいラインナップになっています。ライダーのポテンシャルは申し分ないと言えるでしょう。

ただ、6月に行われた合同テストではジャック・ミラー、アンドレア・ロカテッリ共に来日しませんでした。テストウィークがMotoGP/WSBKそれぞれと被っており、3人のライダーが揃うことが難しかったからです。テストを担当したのは中須賀克行と南本宗一郎で、あまり積極的なタイムアタックを行わず、レースペースを考えたロングランを中心にメニューをこなしていました。

ヤマハは7月初旬にプライベートテストを鈴鹿で実施。ようやくここでミラーとロカテッリが合流しました。貸切での走行だったため、実際にどんなペースで走っていたかは分かっていません。

ミラーが鈴鹿8耐に参戦するのは実に8年ぶりのことですし、ロカテッリに関しては鈴鹿初走行。さらに耐久レースの経験自体が初めてのため、ペースが10秒以上違うバックマーカーの処理を上手くできるかなど不安な点もあります。そういう意味では今年のヤマハワークスの実力値はまだまだベールに包まれていますね。

昨年、ヤマハがトッププライオリティチームとして支援していた「YART YAMAHA」を見てみましょう。彼らのYZF-R1は2分5秒台前半のタイムを記録してポールポジションを獲得するなど予選アタックの速さは随一でした。ただ、レースペースでは昨年優勝のホンダワークスが圧倒的にYARTを凌駕していたのも事実です。

燃費の面でも最初のスティントでホンダワークスが2分7秒台を連発しながら27周走ったのに対し、YART YAMAHAは2分8秒台のペースで24周走ってピットイン。ホンダワークスは1スティントあたり2周多く周回しており、尚且つピット作業タイムもホンダワークスが安定的に短かったのに対し、YART YAMAHAにはかなりバラツキがあり、セーフティカーの介入が1度もなかった昨年はレースが進むごとにその差は大きくなっていったのです。昨年の時点で大きく開いていたこの差を埋めるには、今年の3人のライダーがかなり頑張らないといけません。

ワークス参戦するからにはヤマハにもプライドがあります。2015年のワークス参戦復帰時にはライバルをアッと驚かせる好燃費とハイペースのレースラップを見せつけ、その後数年の鈴鹿8耐を席巻していったことを覚えているファンも多いことでしょう。70周年記念の電撃復帰でヤマハワークスチームがどんなマジックを見せてくれるのか、これは今年の鈴鹿8耐で最大の関心事になるでしょう。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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