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鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝レーススタートまであと4日
「鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)」の開催がいよいよ2025年8月1日(金)〜3日(日)に迫ってきました。「第46回鈴鹿8耐」は「J SPORTS」で生中継。このレースをより楽しんでいただくために、決勝レースがスタートするまでの間に8個のトピックスを取り上げ、今年の鈴鹿8耐の見どころをご紹介。第5弾は今年もエクスペリメンタルクラス(=EXP、実験車クラス)で参戦する「スズキワークスの挑戦」についてご紹介しましょう。
昨年、ワークスチームとしては23年ぶりに鈴鹿8耐に復帰した「スズキ」。サステナブル素材を使ったパーツを採用し、カーボンニュートラル燃料を使用する形で「Team SUZUKI CN CHALLENGE」としてEXPクラスに参戦し、8位完走を果たしました。今年は2年目の挑戦です。
スズキは2022年シーズンをもってMotoGP、FIM EWCでのワークス活動を終了。それと同時にレースの専門部署が解散となり、レース用のスズキGSX-R1000Rのアップデートも止まった状態でした。元MotoGPプロジェクトリーダーの佐原伸一が企画をまとめ上げ、昨年、奇跡的なワークス活動復活へと繋がっていきました。
昨年は全てが急展開で進んでいったため、マシンはYOSHIMURA SERT MOTULが独自でアップデートさせてきたGSX-R1000Rをベースにしていましたし、まだ手探り状態が残る印象のチームでした。しかし、昨年の挑戦は今年の規模拡大に繋がる一歩になったといえます。
今年は昨年同様に社内公募で集められたスタッフがさらに増員され、マシンも独自開発の領域が増えているようで、真のワークスチームとしての姿になってきました。今年のマシンは100%バイオ由来の燃料を使いますし、環境負荷低減を目指したサステナブルパーツを数多く投入しています。見た目で分かる大きな特徴は進化したフロントウイング。通常のEWCクラスでは使用できませんが、自由なバイクを製作できるEXPクラスではこういったスペシャルマシンに仕上げることも可能です。テストの時についていたウイングはMotoGPのGSX-RR由来のデザインをベースにしているものだそうです。レースウィークにはさらに進化したデザインのウイングが装着されているかもしれません。
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【#鈴鹿8耐 注目チームインタビュー】#0 Team SUZUKI CN Challenge Rider RED 津田拓也選手 #suzuka8hours
ビッグプロジェクトへと進化した「Team SUZUKI CN CHALLENGE」のエースとなるのは元MotoGP開発ライダーでもある津田拓也です。今年で40歳になったベテランライダーは再びスズキワークスの仕事をすることになりました。津田は昨年までスズキのプライベーターだった「オートレース宇部 Racing Team」で走っていましたが、竜洋のスズキテストコースでは「Team SUZUKI CN CHALLENGE」のテスト走行を手伝っていました。そのプロジェクト拡大に伴い、津田拓也にエースライダーとしての白羽の矢が立ったわけです。
津田拓也は今年、ライディングフォームを変えてきました。近年はブレーキング時に脚を出すライディングというのが若手ライダーの間ではトレンドになっていますが、津田はごく限られた左コーナーでしか脚を出さないライダーとして知られていました。
そんな津田が今年はもてぎの90度コーナーや鈴鹿のアステモシケインなど右コーナーのフルブレーキングポイントでも脚を出すライディングを行うようになったのです。身体に染みついた自分独自のライディング手法を変えてきたところに津田拓也のやる気を感じますね。その効果は結果にも表れ、スポット参戦したSUGOのJSB1000ではなんと表彰台を獲得しました。
#0 Team SUZUKI CN Challenge
プライベーターの「オートレース宇部 Racing Team」で楽しそうにレースをしていた津田ですが、彼は長年スズキ本体のMotoGPプロジェクトにいたワークスライダーです。今はチームの軸としてこの新しいプロジェクトを率い、とにかくやる気に満ちています。
津田のチームメイトも強力な布陣になります。昨年も同じチームで鈴鹿8耐を走ったエティエンヌ・マッソン(フランス)を継続起用。さらに昨年、YOSHIMURA SERT MOTULでレースウィークから急遽代役参戦したMoto2ライダーのアルベルト・アレナス(スペイン)の起用を発表しました。これは非常に期待が持てるラインナップです。
EXPクラスに参戦ということで、マシンは多くの部分で自由に変更でき、速さを追求することができますから、レースウィークでのポテンシャルは要注目。総合の表彰台争いに名乗りを上げてくるでしょう。そこはワークスの力の見せどころです。
スズキの鈴木俊宏社長も大きな期待を寄せているという「Team SUZUKI CN CHALLENGE」のプロジェクト。今年の鈴鹿8耐はワークス活動をさらに前進させるためにもスズキにとって重要な1戦となるでしょう。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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