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モーター スポーツ コラム 2025年7月17日

好調ダンディライアン勢を止めるのは誰なのか!? ますます目が離せないスーパーフォーミュラ2025後半戦

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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前半戦で快進撃をみせたダンディライアン勢

2025年のスーパーフォーミュラは、約2ヶ月のインターバルを経て、今週末の第6戦・第7戦富士大会からシーズン後半戦を迎える。

3月に開幕した今シーズンは、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGが快進撃をみせ、鈴鹿サーキットとモビリティリゾートもてぎの2大会4戦全てで優勝。特にもてぎ大会では2日連続でワンツーフィニッシュを飾るという圧倒的な強さを披露した。

一方で、彼らのライバルとなる前年王者の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)は第4戦もてぎでマシントラブルによりリタイヤ。開幕戦から上位争いをする岩佐歩夢(TEAM MUGEN)も第3戦もてぎで坪井と同じトラブルで戦線離脱を余儀なくされた。そして、2度の王座経験がある野尻智紀(TEAM MUGEN)はレースペースで苦しみ、もてぎの2連戦はいずれも低迷。春先の段階では、完全にダンディライアンの2台に流れが傾いていた。

そんななかで迎えた第5戦オートポリス。土曜日のセッションは濃霧によりキャンセルとなり、急きょ日曜朝に予選が行われた。

変則スケジュールになったことも影響したのか勢力図は一変。特にランキング首位の牧野任祐はマシンのセッティングが決まらず苦戦を強いられ13番グリッドと後方から追い上げるレースとなった。チームメイトの太田格之進は8番手からのスタートで、マシンのフィーリング的にはポジティブに捉えていたが、スタートでアンチストールシステムが介入して大きく後退。その後も後手を踏む展開を余儀なくされる。一方の牧野は、予選での課題をいくらか克服して決勝で挽回。6位入賞でランキング首位の座をキープし「最低限のことはやれた」と語った。

ダンディライアン勢が思わぬ足踏みをした中で、流れを取り戻す勝利を手にしたのが、前年王者の坪井。チェッカー後に「よし! 取り返したぞ!」と無線で叫ぶなど、いつも以上に喜んでいる様子だった。

坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

裏を返せば、彼にとって第4戦もてぎでのノーポイントは大きな痛手となっていた様子。前半戦締めくくりの1戦となるオートポリスで結果を出せたことは、本人だけでなくチームにとっても重要なことだったのだろう。

今週末から始まる後半戦は、坪井にとってはまさに勝負どころ。なぜなら、昨シーズン圧倒的な強さをみせた富士スピードウェイでのレースが2大会4戦も控えているからだ。今年も「富士では4つとも勝つ」と意気込んでおり、ライバルも一層警戒する存在になっていることは間違いない。

カテゴリーは変わるが、8月6日(水)・7日(木)に富士スピードウェイで行われるMoneyGram Haas F1 TeamのTPC(旧型マシンを使用したテスト)への参加が決まっており、ますます注目が集まっている坪井。スーパーフォーミュラに関しては、昨年も7月の富士大会から流れを手繰り寄せていっただけに、今年もどんな走りをみせてくれるのか、目が離せない。

もう1人手応えを掴んだのが、2位に入った野尻。意外にも彼に採っては今季初の表彰台となった。それよりも今季ずっと悩んでいたレースペースの部分で、手応えを掴んだことが大きい様子。「こんなペースで決勝を走れたことが今までなかったから、すごく悩んでいたところが解消された気がする。そこはすごくポジティブ」とレース直後の無線で語っていた。

それをもとに臨んだ6月の富士公式テストでも、手応えを掴んでいた野尻。3度目の王座に向けて、後半戦の最初となる2連戦は非常に重要なものとなるだろう。

野尻智紀(TEAM MUGEN)

そして、野尻のチームメイトである岩佐も、今年は悔しい思いが続いているだけに、富士2連戦にかける想いは人一倍強いはずだ。

これに対して、逃げる立場にいるダンディライアンの牧野、太田も上位に食い込めるか。富士2連戦の結果が今シーズンのチャンピオン争いに大きく影響しそうな予感だ。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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