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モータースポーツ コラム 2025年7月13日

MotoGPへの転向が決定し、ついにラズガットリオグルが9点差に迫る | FIM スーパーバイク世界選手権 2025 第7戦 ドニントンパーク プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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FIM スーパーバイク世界選手権 2025 第7戦 ドニントンパーク

FIM スーパーバイク世界選手権 2025 第7戦 ドニントンパーク

市販車ベースの世界選手権オートバイレース「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」の後半戦が始まります。第7戦の舞台はイギリスのドニントンパーク。目の肥えた熱狂的なバイクレースファンが多いWSBKにとっても特別な地で、2025年7月11日〜13日に開催されます。今回はドニントンパーク(イギリス)で開催される第7戦のレースプレビューをお届けしましょう。

さて、前戦のミサノ(イタリア)はなんとトプラク・ラズガットリオグル(BMW)が第2戦・ポルティマオに続いて今季2度目の3連勝を達成しました。ドゥカティ、そしてランキング首位のニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)の地元、イタリアでのパーフェクトなレースウィークはさすがラズガットリオグルと言える展開でした。ブレガに対する相当なプレッシャーを与えることになったレースとなり、ブレガはスーパーポールレースで今季3度目のノーポイントレースを作ってしまったため、ランキング首位のニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)とランキング2位のトプラク・ラズガットリオグル(BMW)の差は僅か9点に縮まりました。

既報の通り、トプラク・ラズガットリオグル(BMW)は来季、プラマック・ヤマハのライダーとして彼自身も待ち望んでいたMotoGPへと転向することが発表になりました。ランキング上位に来ることがなかったBMWを一気に勝てるマシンへと仕上げ、マニュファクチャラーズランキングでも2位に押し上げたラズガットリオグルの実力の高さは誰もが知るところです。WSBKからの離脱は残念ですが、彼がMotoGPで成功することを祈りましょう。

WSBKからMotoGPへの転向はMoto2に速いライダーがワンサカいる現在では珍しく、WSBKのチャンピオン経験者がMotoGPに転向するのは2009年のチャンピオン、ベン・スピーズ以来となります。その時もヤマハの起用でしたし、ヤマハは2021年にラズガットリオグルと共にWSBK王座を獲得していますから彼の実力はよく知っています。しかし、BMW移籍の背景にはヤマハでのMotoGPへのステップアップが実現しなかったという側面もありましたから、この起用は本当に驚きました。

そんなハッピーなトプラク・ラズガットリオグル(BMW)ですが、今季残された仕事はBMWで再びチャンピオンを獲得することです。ついにブレガとの差を詰めることに成功したシーズン折り返しの時期はラズガットリオグルが得意とするサーキットが続きます。第7戦の舞台、ドニントンパークもそんなトプラクサーキットです。

ラズガットリオグルは2018年にWSBK初表彰台をドニントンパークで獲得。それ以降、毎年表彰台に上がり、9勝を含む表彰台獲得率は70%を超えています。一方のニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)も昨年は2位表彰台を獲得していますし、スーパースポーツ世界選手権時代にもポールポジションと優勝を飾っていますから得意な方のサーキットでしょう。今の9点差が広がるか、縮まるか、それとも逆転となるか、両者にとって非常に重要な闘いです。

話は変わりますが、前戦のミサノ(イタリア)で輝いたもう一人が地元イタリアのアンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)です。レース1では5位、スーパーポールで3位、レース2で4位となり、初優勝を飾ったアッセン以来、全てのレースをトップ5でフィニッシュするという素晴らしいウィークエンドになりました。そんなロカテッリは8月3日に決勝レースが開催の鈴鹿8耐に6年ぶりに復活するヤマハワークス「YAMAHA RACING TEAM」からの出場が決定。中須賀克行、ジャック・ミラーと共に走るビッグチャンスを得ました。

また、鈴鹿8耐にはホンダワークスの「Honda HRC」からイケル・レクオーナ(ホンダ)が3年ぶりに参戦することも発表されました。こちらは高橋巧、そしてフランスGPで歓喜の地元優勝を飾ったヨハン・ザルコと組みます。さらに鈴鹿8耐ではBMWワークス「BMW Motorrad WORLD ENDURANCE TEAM」から4度のウイナー、マイケル・ファン・デル・マーク(BMW)が6年ぶりに参戦することも発表されました。

ドニントンパークのレースは鈴鹿8耐目前のレースということで、8耐で来日するライダーたちのレースもぜひ注目してください。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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